八丈島はいい!
八丈島は本当によい場所でまた行きたいと強く思った。飛行機はANAが飛んでいて、私はANAのマイルを貯めているので、それで行けてしまうというのも嬉しい。スーパーを見ていると物価が少し高いようにも思えるけれど、驚くほどということはない。自然が文字通り豊かで美しく、住みたいとまで思える島だ。今後はどこいこ、と思ったら八丈島が必ず候補に入ると思う。新婚旅行も八丈島かハワイにしたい。予定はないけど。
八丈島という島がある。伊豆諸島の火山島で、行政区分は東京都八丈島ということになる。島には品川ナンバーの車が走っている。八丈ブルーと言われる美しい海に囲まれ、年間を通して温暖で「常春の島」と呼ばれる。
ただあまり行ったことがない人も多いのではないだろうか。旅行で南国に行こうと思うと沖縄が候補に上がってくることが多く、知っているけれど、いつか行こうと思っているけれど、という人もいるはずだ。でも、それはもったいない。八丈島、最高なのだ。
八丈島の存在は昔から知っていた。ドラえもんでスネ夫が四畳半島に別荘を持っているとよく言っていたからだ。そんな島があるのかと調べると八丈島をもじったものだと何かで読んだ。また私の愛読書「がきデカ」にも「八丈島のきょん!」というギャグがある。
長く存在は知っていたけれど、八丈島に行く機会はなかった。暖かい島であることは知っていたけれど、だったら沖縄でいいか、とどこかで思っていた自分がいた。ただ知り合いの知り合いが八丈島にいるということで八丈島に行くことになったのだ。
八丈島に行くには2つの方法がある。船か飛行機だ。船では片道約10時間20分かかるけれど、飛行機では東京から片道55分と1時間を切るスピードで到着してしまう。古くは八丈島な罪人の流刑地だった。遠いのかと思うけれど、飛行機なら近い。しかも、行けばパラダイスなのだ。
八丈島はひょうたんのような形をしている。山が2つあり、その谷間に街がある。空港もその谷間に存在する。ちなみに八丈島は黄八丈という絹織物が有名でその昔、一巻きの長さが八丈だったことに由来すると言われている。
八丈島の人口は約7000人。1985年頃までは1万人以上住んでいたので、年々減って来ていると言える。雨の日が多いことでも知られている。年間降水量はいわゆる東京の倍以上となる。黒潮暖流の影響で平均気温は約18度。東洋のハワイと言われたこともあった。
レンタカー屋も多く容易に借りることができるのだけれど、特徴的なのは島を走る車は軽バンが多いことだ。私が借りた車も軽バンだった。もちろんどこでだって軽バンは走っているけれど、駐車場で俺の車はどれだっけ、と悩むほど軽バンだらけ。ちなみに品川ナンバーです。
島にコンビニはないけれど、スーパーなどはある。またキャンドゥもあるので、ちょっとあれが欲しいと思った時は安価で手に入るので便利だ。島でもらった観光パンフレットにもキャンドゥが載っていた。実際、私も今回3回キャンドゥに行った。一番買い物したお店だ。
八丈島で有名なものの一つが「キョン」という生き物だと思う。その理由は先にも買いたように漫画「がきデカ」で登場した「八丈島のきょん!」というギャグの影響だろう。実際に八丈島ではキョンが飼育されている。
キョンはシカの一種で、環境省指定特定外来生物。伊豆大島や千葉県の一部では野生化したキョンが問題になっている。そのキョンが八丈島にもいるのだけれど、野生化していない。そもそも八丈島には野生の哺乳類はコウモリ類しか生息していない。
このキョンは1967年に井の頭自然動物公園よりオスとメスの2頭がやってきたのが始まりだ。「がきデカ」で有名になった八丈島のキョンだけれど、その辺を歩いているということはないのだ。「がきデカ」を全巻所有するほど好きなので、八丈島のキョンに会えたのは嬉しかった。
八丈島には野生の哺乳類はいないけれど、昆虫はいる。その昆虫は八丈島固有のものだったりする。夏だったので、クワガタを探した。おそらく片手で足りるほどだけど固有種がいるはずだ。
完全なる固有種は「ハチジョウノコギリクワガタ」で、あとは固有亜種ということになる。なんでもいいから見つけることはできないかと、木々を見つける度に覗き込んだりしていたけれど見つけることはできなかった。
もう諦めていたのだけれど、ふと下を見ると落ちていた。「ハチジョウコクワガタ」だ。八丈島の固有亜種。長い間謎のクワガタと言われていたそうだけれど、1990年に他の地域のコクワガタと異なることが判明した。個体数は多くはなく、生息域も限定されているそうだ。
八丈島では樹液の出る樹木が少ないとかで、果物などに集まると聞いた。メスもオスも茶褐色や黒褐色をしており、コクワガタなので大きくもて5センチに満たない。5月末から9月末まで見かけることができる。
夏に八丈島を訪れるとやはり海で泳ぐことは外せない。八丈ブルーと言われる美しい海が広がっているのだ。運が良ければウミガメなどもその辺で見ることができる。私は運がよかったのだろう、何回もウミガメを見かけた。
八丈島にはいくつかの海水浴場があり、無料で使えるシャワーや着替える場所が整備されている。めちゃくちゃ嬉しい。もちろん透明度が高く、今回訪れた「底土海水浴場」ではウミガメと泳ぐこともできるそうだ。
この日は残念ながらウミガメはいなかった。いなかったけれど、大満足の海だった。そもそも人が少なかったというのもあるし、透明度が高く珊瑚もあり、もうこれ以上の海があるのか、と思うほどに最高。本当に最高だったから最高以外に言葉が浮かばない。
本当は泳ぐ予定がなくて、個人的に海で泳ぐのは冬と勝手に決めていたのだけれど、地元の方にススメてもらい泳いだら最高。設備が整っているのも嬉しいし、キャンドゥやホームセンターですぐに泳ぐための道具が容易に揃うのもありがたかった。
先にも書いたけれど、八丈島は黒潮の影響で一年を通して温暖多雨。天候もコロコロ変わる。私が訪れた時もさっきまで晴れていたけれど、ということがあった。では、雨が降ったら八丈島は楽しめないのか、と言えばそうではない。楽しめるのだ。
結局人生で一番楽しいものってなにかと考えるとボウリングということになる。異存があるかもしれない。もちろん私もそれを理解することはできる。私自身も異存がないわけではない。しかし、結局ボウリングなのだ。
八丈町コミュニティセンター内に4レーンという小さなボウリング場があるのだ。父がボウリング場関係で仕事をしていたこともあり、たまに仕事について行っていたのだけれど、4レーンというボウリング場を見たことがない。小さくてとてもかわいい印象を受ける。
4レーンしかないこと以外は普通のボウリング場と何も変わらない。靴もレンタル無料だし、1ゲーム300円だし、通り雨の時間潰しなどにはちょうどいい。問題があるとしたら、私がボウリング下手なことくらいだ。
腕が痛い。ボウリングをほぼやってこなかったのだ。いつも見ているだけ。別に嫌いなわけではない。好きだけれど、下手なのとめちゃくちゃ腕が痛くなる。たぶん投げ方がダメなのだと思う。ただ楽しい。
八丈島には砂丘もある。私は地形等の成り立ちに詳しくないのだけれど、火山でできた島にサラサラの砂が砂丘になるほどあるものなのか、と疑問に感じた。ぜひ見にいかなければと車を走らせた。
車を止めてしばらく山の中を歩く必要がある。しばらく誰も来ていないのか、草木が生い茂っていた。それをかきわけて進む。どこかで鳥が鳴いている。アカコッコやカラスバトなど本土ではおそらく見ることのできない鳥も多く生息している。
鳥を探す余裕がないほど草木が生い茂るので、鳥を目撃することはなかった。黒砂砂丘を見たいのだ。漢字で書けば「黒砂砂丘」は4文字。その4文字のうち2文字は「砂」なのだ。どんだけ砂なんだ、と思いながら黒砂砂丘を目指した。
名前の通り黒かった。砂は脆く気を抜くと滑り落ちそうになる。手すりがあったようだけれど、もはや倒れている。昔はもっと緩やかで、ここでダンボールで滑って遊んでいたと地元の人が言っていた。今は急だけれど。
砂というより「石」と言ってもいい感じだった。小さく軽く黒い石で黒砂砂丘は形成されている。そこから見える景色は美しい。黒い地面と青い海と空がとても映えるのだ。砂丘と言われてこの景色を想像することはないので、来てよかったと思える異空間だった。
八丈島はちょっと走れば山となり高い場所になる。ということは、見通しがよくなる。どこから見ても八丈島は美しいのだ。例外は霧が出て何も見えなくなった時だけれど、霧も幻想的で美しい。
特徴的な景観もある。その一つが玉石垣だろう。丸い石が「俵積み」という方法で積み上げられている。ちなみに丸石は人の手で丸くしたのではなく、海で自然に丸くなったものだ。
また台風が多い地域でもある。その対策というか工夫は街中でも普通に見ることができる。わかりやすいのはバス停ではないだろうか。低いのだ、バス停が。普通のバス停は自分の身長より随分と高いと思うけれど、八丈島のバス停はそんなことがない。
八丈島は本当によい場所でまた行きたいと強く思った。飛行機はANAが飛んでいて、私はANAのマイルを貯めているので、それで行けてしまうというのも嬉しい。スーパーを見ていると物価が少し高いようにも思えるけれど、驚くほどということはない。自然が文字通り豊かで美しく、住みたいとまで思える島だ。今後はどこいこ、と思ったら八丈島が必ず候補に入ると思う。新婚旅行も八丈島かハワイにしたい。予定はないけど。
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