うんち、嗅げました
11時からライオンのうんちのにおいを嗅ぐイベントに参加するため大雨の中檻の前で待つ僕です。もちろん一人です。なんだか不安なアングルなのは向かいのベンチにカメラを据えての自分撮りだからであって、僕の下向きの心情を表しているわけではありません。
そんな僕を尻目にライオンたちはとても楽しそうに雨の中で遊んでいる。いいなあ、楽しそうだなあ、でも混じったらきっと噛まれるんだろうなあ。
11時だが何も起きなかった、と手帳にメモしようかと思ったちょうどその瞬間、後ろから声をかけられた。
「あの、、もしよろしければライオンの説明をさせていただきたいのですが・・」
飼育係さんだ。うれしい、すっごいうれしい!
しかしここで喜ぶと飼育係の人も引くかと思い、あくまでたまたま居合わせた感じで「あ、ではお願いします」と答えた。飼育係さんは僕の体を気遣って(かマニュアルに従ってか)雨のあたらない場所まで連れて行ってくれた。今日は特別こちらで説明をしてくれるのだという。
この飼育係さん貸し切り!と思ったらすでにカップルが一組雨宿りしていた。そうか、カップルにとっては雨が降った方が人が少ないし相合い傘できるし、楽しいのだろう。くっそー。
くっそー、といえばライオンのうんちだ。どんなにおいがするの?とかわいく書かれていたので、パンダのうんちのように臭くないのかと思っていたのだが、嗅がせてもらったらしっかりうんちの臭いだった。園では馬肉を食べているのだという。
珍獣はどうか
ライオンのうんちイベントで飼育係の方に聞いたところ、インド出身のこのライオンたちは、やはり雨があまり好きではないのだとか。今朝も寝床から出たがらなかったという。しかも群れのトップのオスライオンは胃腸の調子が悪くて今日は出てこない、といってた。今外に出ているのは子供ライオンなのだ。大人は胃痛、子供は雨が好き、意外と人間に近いのはライオンなのかもしれない。
では一般的に珍しいとされている動物、珍獣とよばれるものはどうだろう。こちら、オカピだ。オカピは当初シマウマの仲間だと思われていたのだが、調べてみたらキリンに近かったというわけのわからなさでも有名。ジャイアントパンダ、コビトカバと並んで三大珍獣と呼ばれている。
雨のため室内で、との看板に導かれるままにオカピのブースへ来てみて驚いた。これがすごい豪華なのだ。珍獣だからって贅沢にもほどがあるだろう。貴重な珍獣はやはり雨にやられてはならない、と慎重にされているのだろうか。
オカピはそんな人間の気遣いを知ってか知らずか、悠々と室内を歩き回りながらときどき草をはんでいた。かわいいから全てを許せる。
気にしないもの、気にするもの
来るまでは動物たちは晴れた日とは違う表情を見せてくれるのかと思っていたのだが、雨の中、まったく意に介さずに振る舞うものと、逆に一歩も出たくない、とかたくなに雨宿りするものとに分かれていた。