かわいいは、慣れ
子供の頃、初めてアメリカ発祥のトロール人形を見たとき「世の中にこんなに醜い人形があるとは」とショックを受けた覚えがある。
だが、数年後には見慣れて、自分も欲しいと思うまでになった。
そのうちこの子たちにも慣れて、かわいいと思う日が来る。かもしれない。
ドイツには、キャラクターのデザインが入ったスライスハムが売っている。ずっと前から気になっていたので、買ってみた。
私はかわいいものが好きだ。ぬいぐるみやキャラものなど、かわいいものを見ると連れて帰ってしまいたくなる。
日本と比べるとかわいいものに対する執着心がそれほどないドイツだが、そんなドイツにもキャラクター入りのハムが売っている。
調べると色々な種類があるようだ。早速、ベルリン中心部にある大型スーパーに向かった。
合計4種類のキャラハムが手に入ったので、全種類見ていこう。
クマさん、心なしか笑顔が引きつってる気がする。ボディがかなり省略されていて、手足がグーだ。ハリボーのグミの形とも似ている。
子供がこれを見て喜ぶのかは分からない。ずっと見つめてるとかわいいと思えてくる気もするが、目の錯覚なのかもしれない。
気を取り直して、次のハム「キツネのフェルディ」を見てみよう。フェルディは、このハム会社のキャラであるようだ。
目がちょっとうつろだが、クマさんよりはもとのキャラクターに近い気がする。うん、かわいい。多分。自分の中でかわいいのハードルがどんどん下がっていくのが分かる。
次は東ドイツ時代の人形アニメ「僕らのザントメンヒェン」モチーフのハム。
色々工夫した感じは伝わってくるが、かわいくない以前に、誰だか分からない。
そして最後の「キンダーヴルスト」こと「子供ソーセージ」。
一体これは人間なのか、動物なのか。誰が何を思ってデザインしたのか。今後もドイツのキャラハム文化から目が離せなくなりそうだ。
子供の頃、初めてアメリカ発祥のトロール人形を見たとき「世の中にこんなに醜い人形があるとは」とショックを受けた覚えがある。
だが、数年後には見慣れて、自分も欲しいと思うまでになった。
そのうちこの子たちにも慣れて、かわいいと思う日が来る。かもしれない。
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