特集 2025年5月15日

源氏物語の登場人物の気持ちになりたくて、都から宇治まで約20km歩く

木幡山

なんでよりによってわざわざ山を突っ切るのだろう?さしてショートカットになるわけでもないのに。

という気がしないでもないが、ともかくここからは山道に入る。

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現在では大岩山という名前に変わり、山頂には神社がある。
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美しい竹林に挟まれた道を行く。

上の写真の道はまだ平らな方で、先へ行くにしたがって人一人がやっと通れるくらいの本格的な山道に突入していった。牛車で通るのは不可能だ。

ひょっとしたら、貴族たちも牛車を降りる口実が欲しくてこんなルートを選択したのかもしれない、と思った。牛車の移動スピードは、人間が歩く速さよりも遅い。揺れる上に圧迫感もある。そんなものにずっと乗っているのは、徒歩で移動する以上に苦痛だっただろう。それに、竹林の中は涼しくて、この道は歩いていて気持ちがいい。

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石造りの変わった鳥居が出現。

林が途切れて、目の前に突然、石造りのエキセントリックな鳥居が出現した。さっきまでの爽やかな雰囲気が一気に暗転したような気がして驚いた。なんなんだこれは。

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柱には僧侶が彫刻されているかと思うと
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上には裸の男女が。

密教めいた雰囲気があるな。

調べてみたところ、この鳥居は芸術家の堂本印象によってデザイン、寄進されたものだということがわかった。

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堂本印象本人が外観をデザインした堂本印象美術館がこれ。

密教ではなく、作風だった。寄進にかこつけて自己顕示欲を出し過ぎな気もするが、一目見て鳥居だとわかる形に収まっている分、むしろ抑えたともいえる。

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本殿。
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本殿の隣にある休憩スペースには掲示板が。

たくさん張り紙がしてある。何が書いてあるんだろう、という気軽な気持ちで読んでみた。いろいろな国の言葉で、スピリチュアルな内容のコメントが書かれていた。世界、再度暗転。Google翻訳のたどたどしい訳文だから正確なところはわからないが、ここがある種のパワースポットとみなされているのは間違いないようだった。

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山頂の展望台から、伏見桃山城が見えた。

遠くへ来たな、という気がした。

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しかし位置的には、ようやく半分を越えたくらいなんだな。

⏩ そして宇治へ

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