わからなすぎて楽譜を見せてもらったが楽譜も読めない
せっかくなので、姉が「一番難しい」と言っていた鍋に似た楽器(レヨン)もやらせてもらうことにした。
このレヨンという楽器はさらに複雑で、「ふたりでひとつのリズムを叩く」という。
私は姉と同じ音を弾くので、先生ではなく今度は姉にヒヨコのようについていくことになった。
まずは姉を真似して叩いてみる。
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何が起こっているのかまったくわからず、姉が私を惑わすためだけにランダムに叩いているのかと思った。
何が起きているのかわからない。リズムだけではなく、メロディもあるので覚えることが多くてまったく頭に入ってこない。
あまりにも「もうだめです」という顔をしていたら、先生が「奥の手」を見せてくれた。
ガムランは音で覚えるため、基本的に楽譜はない。
が、現地の人が忘れないようメモすることはあるらしく、それが一応楽譜に近いものなのだという。
レヨンは教室の生徒さんでも難しいらしく、メモしてみたり、録音したり、いろんな方法で必死で覚えているらしい。
それぞれの楽譜や覚え方があって「楽譜や録音機材がなかった頃の世界ってきっとこんな感じだったんだろうな〜」となんだか感慨深かった。
ただ楽譜を見せてもらったことで「姉が嫌がらせでランダムに叩いてるわけではない」とわかり、少なくとも信用することができた。
初心に帰り、今度は姉を「師」としてひたすら姉の音を真似し続ける。
鍵盤で先生の真似をするのも集中力が必要だったが、レヨンはその3倍ぐらい集中力が必要だった。
一瞬でも気を抜くと、真似する音がわからなくなって弾けなくなってしまう。
「この世界は私と鍋だけ」みたいな集中状態のときだけまともに演奏ができるのだ。
それでは苦労の末のレヨンの演奏をお聞きください。
やってみてわかったのだが、ガムランは合わせることが前提の音楽である。
普通の楽器演奏が「カラオケで独唱」だとすると、ガムランは「みんなで合唱」という感じ。
音を間違えてもそこまで目立たないし、自分が叩けなくてもちゃんと曲は進んでいく。
これがかなり自分に向いていて、普通の音楽より気楽に弾けてとてもよかった。


