いつもの風景がなくなる
ハイテクランドセガ立石には、中学卒業後はめったに行くことはなくなった。
それでも立石を訪れたときに視界に入っては、中学時代にみんなで1つのゲーム機を囲んで楽しんだことを毎回思い出していた。
昔を思い出させてくれる場所が無くなるのは、とても切ない。
ここが出来てもう30年も経つのか。
壁の塗料のはがれ落ち具合から、歴史を感じる。
中学生当時、この地域がまさか再開発で一変することになるだなんて想像もしなかったな。
いや今だってまだ信じられない、正直イヤだ…。
おっと、つい感傷的になってしまったが今日の目的は、そんな思い出のあるゲーセンで最後にめいいっぱい遊ぶことだ。
30年前に比べて、店内にはクレーンゲームが圧倒的に増えていた。
当時はお菓子を落とすやつが数台くらいあった程度じゃなかっただろうか。
それが今では、1階の大部分をクレーンゲームが占めていた。
お店の最後の感謝と称して、だいたいのクレーンゲームが「ちょい甘台」になっていた。
実は1か月前、友人に立石を案内していた時にこのお店にフラッと寄っていたのだが(その時に閉店日を知った。呼ばれたのかもしれない)、その時は「ちょい甘台」なんてなかった。
これは、たくさん景品を取るチャンスだ!!
せっかくなら実用的なものがほしいとタンブラーを狙うことにした。
が、15回ほど試みて箱がちょうど裏返ったところで断念した。
どうやって落とすんだコレ!
これでちょい甘設定って、どんだけ難しいんだ!
あとで常連さんに聞いた話だが、普段からやりこんでいる常連さんには設定が変わっていることが感覚ですぐ分かるそうだ。
その設定の違いはマチマチだそうなので、きっとこの機械はちょい甘の中でも難しい方に違いない。単に私が下手なのかもしれないけど。
ちょい甘設定のおかげか、ゲットしたものを袋に入れている人たちが何人もうろついていた。
ゲーム機を変えよう。
シロウトが何かゲットするにはお菓子系しかないと判断。
しみチョココーンがなだれ落ちそうなUFOキャッチャーを選び、とにかく集中してやり続けることにした。
さきほどまったく手応えを感じなかった反動で、しみチョココーンが落ちるとものすごい達成感があり興奮した。あー楽しい!
しかも100円で5回できるっていいな! ついやりすぎてしまった。
スマホ決済のためいくら使ったのかすぐにピンとこないのもあって、欲望のままに課金した。大人になったもんだと思う。
中学生の時は、みんなで数百円を持ち寄ってそれを積み上げて、大事に大事につかった。
クイズに答えていくゲームがあって、みんなで知恵を絞って答えていたものだ。
成果物を得たいという欲求がおさまったので、他にどんなゲームがあるのか見て回ることに。
2階に行くと、人がぎっしりいた。
特に音楽のリズムに合わせて叩くゲームが長蛇の列になっていた。これが音ゲーか! 人気なんだな。
他にも「配信中」と書かれているブースがいくつかあった。
どうもゲーセンからゲームの生配信ができるらしい。
あと、ペンで操作しているゲームもあった。
逆に、あってもよさそうなプリクラはないんだな。
知らない事だらけでビビる。
このレーシングゲーム、5分以上も楽しめた。
クレーンゲームは早ければ5秒で勝敗がつくのに・・・!
満足感がすごかった。
結局、3500円を費やした(+アプリで5回分無料でやった)。
ふだんならもったいなくてそんなに使わないのだが、最後の日とあって満足いくまで使ってしまった。
残ったのは発散してスッキリした気持ちしかない。
大量のしみチョココーンでホクホクだ!