特集 2025年5月9日

時間の旅に出る! 古いガイドブックの魅力

カラーブックス

次は保育社から出版されていた「カラーブックス」だ。このシリーズは旅に特化した本ではないけれど、旅にスポットを当てたものも出版されている。909冊も刊行されているシリーズなので、そのような本も当然あるわけだ。

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九州の旅(1973年)
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神戸歴史散策(1981年)
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名古屋夢先案内(1990年)

シンプルに「九州の旅」のようにガイドブックとしての役割を果たすものもあれば、「神戸歴史散策」のようにテーマを決めて紹介するものもある。「名古屋夢先案内」は食も工場も職人もといろいろなものが紹介されている。

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すすきののママ101人(1990年)

テーマも斬新だ。上記はすすきので働くママが101人も紹介されている。普通のガイドブックではまず見ない切り口だ。お店の紹介とママの欲しい物や好みのタイプなどのアンケートもあり、さらに「飾らない性格」とか「酔うとかわいくなる」などのメモも添えられている。

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なにわの味師24人

お店の紹介をするだけではなく、調理人にスポット当てて紹介したのが「なにわの味師24人」。一歩踏み込んだガイドブックと言えるのではないだろうか。カラーブックスのガイドブックはそのような切り口の面白さがある。

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香港の旅(1971年)
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インド(1963年)
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ハワイ(1962年)

もちろん海外のガイドブックもある。ハワイを読むと、ハワイのお土産と言えばパイナップルと書いてある。今はそうでもない気がするので時代を感じる。ちなみに、近頃はハワイだけれど日本製の生地で作ったアロハシャツが出回っているから御用心とある。1962年の注意書きだ。

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見ているだけで楽しいです、写真が豊富で!(北陸能登)

 

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いろいろなガイドブック

最後はシリーズだけど、私がまだあまり持っていないものや、シリーズではないけど見つけて買ったガイドブックを紹介したいと思う。古書店に行くとたくさんあるのだ、全部欲しくなってしまう。

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日本交通公社が1924年に創刊した雑誌だ。2012年に休刊になっているはずだ。旅雑誌としては日本最古のものになる。私の家には60年代から70年代のこの雑誌が20冊ほど本棚に並んでいる。

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いいのよね!

その季節ごとの旅が日本だけではなく海外も記されている。写真も豊富で雑誌なので、当時の広告も載っている。それが今にはない味を持っていて面白い。また読プレ企画もあって、クロスワードなのだけれど、応募数が3万弱で正解が18通という、とんでもなく難しい問題を出しているのも興味深い。

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こういう広告いいよね!

写真も豊富で旅先で出会った人々の写真も載っている。おそらく今より写真は手軽なものではなく、しかも雑誌に載ることが今より価値を持っていた時代なのだろう、写る人々の表情が今より緊張感があるように感じる。それがまた素晴らしい。

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台湾観光案内(1967年)

これは台湾観光協会が発行したガイドブックだ。公式ガイドブックと言えなくもない。冒頭に写真のページがあり、その後は文章がメインなのだけれど、全体的に広告ページが多いように思える。社長の顔が入った広告など、今ではあまり見ない感じが素敵だ。

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いいよね!

いつか台湾に行こうと思って買った。私はただ集めるだけではなく、それを持って出かけたいと思っている。今では見ることのできない景色と今の景色を両方楽しめるからだ。ただまた台湾には行けていない。いつか行きたい。

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最後は「ヴェネツィア案内」(1979年)

平凡社カラー新書シリーズの「ヴェネツィア案内」。このシリーズも先に書いたカラーブックスのようにいろいろなジャンルが出ており、旅のカテゴリーもある。内容はもちろんいいのだけれど、このシリーズは表4(裏表紙)がいいのだ。著者の顔写真が載っているのだ。それも好きで集めている。

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なんか好きなんです!

時の旅に出る方法

昔のガイドブックについて書いた。手に入れやすいのは「エアリアガイド」だと思う。私の体感だけど。もしどこかに旅に出る時は、今のガイドブックと昔のガイドブックの両方を持って行くことをオススメしたい。いつもの旅にタイムスリップという要素が加わって面白いからだ。

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このシリーズもいいよ、ガイドブックじゃないけど!

 

ささやかなおまけ
記事と関係ない写真
編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
序盤の本棚の写真、一瞬「古本屋で撮ったのかな?」と思いますが、自宅なのがすごいです。< br />​ 個人的にヤベーと思ったのはたとえばブルガリアのページでしょうか。1990年版はレーニン像が載っていて、1992年版には出てこない。ただ地域を網羅するだけでなく、時代を追って新旧揃えてるからこそ見える視点ですよね。​(石川)

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