福岡の別府にも行った
冒頭で福岡には別府もあると述べた。皆さまとして当然気になるのは「別府に温泉があるかどうか」だろう。もちろん探してきた。
ただ、とてもおだやかでいい街だった。そこは勘違いしないでもらいたい。せめて銭湯でもあればと少しだけ期待してしまったが、それは期待した私が完全に悪いのである。
出島は江戸時代に築造された長崎の人工島である。無論福岡にあるべくもないのだが、所用で福岡に行くにあたり地図をながめていたところ、出島のような土地を見つけてしまった。気になる。行ってみよう
不肖りばすと、恥ずかしながら生まれてこの方福岡に行ったことがない。行ったことがないので、ぼんやり福岡の地図を眺めていても「おっ、ここに出島あるんだ」と思ってしまう。出島は長崎の人工島なので福岡にあるはずもないのに。
調べてみたところどうやらこの出島はシーサイドももち海浜公園という公園の中にあるらしい。そして出島のまわりが砂浜となっており、なんと遊泳が可能な時期は真横を泳げるらしい。いいじゃん。出島を外からぐるっと泳いでまわってみたいじゃん。
ということでシーサイドももち海浜公園に向かう。現地に友人がいるので車に乗せていってもらうことになった。
向かう途中、友人が「この辺の医者の看板はどれも同じタッチで書かれているんだ。同じ業者が入っているに違いない」と言い出した。
なんだそれは。出島に意識を集中させているのに気になる情報を挟まないでほしい。
そんな無駄話をしながらシーサイドももち海浜公園に到着。気温、天気ともに良好。たぶんまだ泳げないけど、時期が時期なら泳ぎ時です。
ももち(百道)というとサザエさんの作者、長谷川町子先生のゆかりの地でもあるらしい。
そのためももち海辺公園の真横には「サザエさん通り」なる通りが通っていた。観光地がギュッと固まってるね。
さてさて、あの出島はどんな見た目なんだ。
道が綺麗に整備され、洋風の建物が規則正しげに並んでいる。建物の雰囲気も相まってミニチュアのセットみたいだ。
いわゆる観光!というスポットではないのか、人でぎゅうぎゅうになっている様子もなくゆったりくつろげそうだ。いいね、こういうところでのんびりするのが私は大好きなんだ。
シーサイドももち海浜公園の中央はご覧いただいた通りかわいらしい建物が立ち並んでいるのだが、その左右はもちろん地図や俯瞰図どおり砂浜になっている。
海に向かって左側にはビーチバレーのコートが立てられているほか、ジェットスキーの発着場もある。
後から知ったのだが、この左側の砂浜部分はジェットスキーが出ることにくわえ遊覧船の発着場にもなっているため、遊泳禁止とのことだった。まあ危ないから仕方ないね。
そして海だ砂浜だと眺めつつ、ふと隣を見やると
本当に砂浜と出島が隣接している。あまりに近いものだから建物が真横に見えて面白いね、というよりあの建物の下の部分は泳いでいくと危なそうだな、という危機意識が先に走る。
ラスベガスも砂漠の真ん中に突如として高層ビルやホテル、カジノが立ち並んでいると聞く。つまりここは出島でもあるし、ラスベガスでもあるということだ。観光地版・東武ワールドスクウェアみたいになってきた。
さて、一方海に向かって右側は特に何もなく、遊泳可能なエリアとなっている。カフェも併設されており、さまざまな形で人がくつろげる空間だ。
こちら側からも建物をパシャリ。
こちら側は遊泳可能なので、建物のまわりを泳ぐことも可能そうだが......
遊泳可能な季節になっても、これは眺めるにとどめておこう。歳を経るにつれ少しずつ、ほんの少しずつこういう判断ができるようになってきた。
奥の建物がこの出島の本丸のようだが、その両サイドはお土産屋さんや食べ物屋で賑わっている。
建物はやはりハワイ風。これは私の偏見ですが、海沿いに並ぶおしゃれカフェや食べ物屋さんって大体ハワイかイタリアの風を感じる作りになりがちですよね。
各建物を物色しつつ、中央奥の建物を目指してずんずん奥へ。シーサイドももち海浜公園の全てを解き明かすまで我々に後退の文字はないのだ。
そうかそうか、出島の出島部分で結婚式ができるんだ。海に面しているから眺めもいいし、開放的で気分が良くていいですな。
写真は撮らなかったがちょうど結婚式が執り行われている最中らしく、少し眺めていると新郎新婦や出席者の方々が外にぞろぞろと出てきていた。心から幸せになってほしい。たぶん海浜公園中の人がそう思っています。
建物や砂浜を眺めるのも楽しいが、やっぱり砂浜からでっぱっている様を俯瞰で見てみたい。
先ほどの福岡タワーに展望台があったので登ってみることにしよう。
でけ〜。あまり高層ビルやタワーに縁がないものだから、こういう高いビルを下から見ると毎度毎度「でけ〜」と圧倒されてしまうんだ。
この手のタワーあるあるの、ガイドを聞きながらの高速エレベーターに乗って上階へ。
これだ。ようやく地図上で想像していた出島とのご対面である。これが見たかったんだ。
上から見ると式場部分がますますミニチュアみたいでかわいらしい。レゴブロックで作られているみたいだ。
というか出島出島と言っていたが、出っ張っているのは式場の部分だけで、食べ物屋などの建物は出っ張っているところにないのか。そりゃそうか。食べ物屋は砂浜の横にあったもんな。
こういう味のある建物を眺めては、かわいいだの整っているだのただただ感想を述べて楽しんで生きていきたい。そんなことを感じた昼下がりである。
冒頭で福岡には別府もあると述べた。皆さまとして当然気になるのは「別府に温泉があるかどうか」だろう。もちろん探してきた。
ただ、とてもおだやかでいい街だった。そこは勘違いしないでもらいたい。せめて銭湯でもあればと少しだけ期待してしまったが、それは期待した私が完全に悪いのである。
帰り際に友人が「福岡には『祇園』もあるよ」と言っていたので、次は祇園で豪遊してこようと思う。
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