食べられているのはモモタマナの実
写真は沖縄でよく街路樹として植えられているモモタマナという木。この時期になると枝がしなるほどたくさんの実をつける。
実は熟すと黄色くなってくるのだが、今の時期はまだ緑で固いままだ。これがかじられて毎朝のように歩道にたくさん落ちている。
しかも食べ方がとてもきれいなのだ。実の部分を完全に食べつくして固い種の部分だけを残している。そもそもこの実がそんなにうまいものなのだろうか。試しに匂いをかいでみたのだが予想通りというか果物的な甘い匂いではなく、青臭い植物の匂いだった。どうせならもう少し熟してから食べたらいいのにと思う。
それにしても木の実が勝手にこんな剥け方するわけないので、たぶん誰かが夜な夜な食べているのだろう。誰だ。できればその現場を押さえたいところだが、このモモタマナの木というのは本当に県内のいたるところにある。範囲が広すぎてとてもじゃないけど一晩中見張りきれないのだ。
ということでモモタマナよりもうまそうなものを近くに吊るして「食べてるやつ」をおびき寄せることにした。
モモタマナの木に「おとり」としてバナナを吊るしておいた。僕なら絶対にこっちを選ぶ。ここは近所の高校の野球部がジョギングに使う歩道でもあるので、彼らが食べてしまわないよう十分に高い位置に設置した。しかしもしこれでモモタマナの実を食べているのが野球部だったらびっくりだ。それはそれで面白いと思うが記事にはし難い。
一応ちらちらとバナナを気にしながら午前1時くらいまで観察していたのだが、見られているのを察したのだろうか、「食べてるやつ」は現れなかった。明日の朝までには食べにくるかもしれないので、バナナはそのまま吊るして帰ることにした。
バナナ、食べられず
夜が過ぎ、朝が来た。果たしてバナナはどうなっているのか。代わりに野球帽がかかっていたりしないかとかわくわくしながら見に行ったのだが、バナナは何もなかったかのようにそのままぶら下がったままだった。なぜだ、昨日は食べに来なかったのだろうか。
しかし足元にはまたたくさんの新しいモモタマナの実の種が落ちていた。間違いなく来ているのだ。ではなぜだ。