特集 2026年6月13日

色んな糸でフルーツ大福切り比べ

きれいに切れすぎて怖かった

どこかに出かけていちご大福でも食べたいなと思った。

その様子を記事で紹介しようと思ったら、大福をきれいに切って断面を見せるのがいいだろう。しかし刃物を持って出歩くのは危ない。

調べてみると、糸で切るのがいいらしい。むしろ包丁よりきれいに切れるのだそうだ。

そっちに興味が引っ張られてしまった。色んな糸で大福切り比べだ。

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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当初の思惑が残っていない

大きめの和菓子屋さんに行ったが、いちご大福はなかった。いちごの季節ではないのだ。

代わりにあんず大福とメロン大福があった。最高

家に帰ってきた。あんず大福とメロン大福を持って。

どこかに出かけていちご大福でも、という当初の思惑が欠けらも残っていない。こんなことあるんだ。

色んな糸を用意したので、切り比べてみよう。 

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包丁でフルーツ大福を切る

まずは包丁で切ってみる。これが何も知らない頃の自分だ。

むにゅっとつぶれる

つぶれて薄くなった大福を押し切る。 

断面が小さくなってしまう

あんこがぎっしり入ったおまんじゅうならつぶさずに切れたかもしれないが、柔らかい大福は包丁で切るのに向いていない。

味はすごくおいしかった。断面がつぶれて全体が皮で覆われたので、大福を丸ごと一個食べたみたいでむしろ良かった。 

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細いたこ糸でフルーツ大福を切る

いよいよ糸で切ってみる。

まずは細めのたこ糸

程よく細くて丈夫なので、工作をする時によく使っている。 

糸を大福の下に配置し、大福の上に持ってきて交差させる

これだけだ。あとは左右に糸を引っ張れば大福を締め付けて切れるはず。 

「むにー…」

歯切れの悪い感触が手に残った。こんなことでいいのか? 

切れている
きれいな断面だ!

むにーっと糸を引っ張ったら切れていた。「切断」という、取り返しのつかない行為をした感触がなくて恐ろしくなった。

目隠しをされて「目の前にある板を一枚倒して」と言われてそっと押したら、体育館中に並べられたドミノの一枚目だったような感じ。分かるだろうか。

パソコンを操作していてポップアップの画面が次々出てくるのでエンターキーを連打していたら大事なデータを消していたような感じ。分かるだろうか。

行為の軽さに見合わない取り返しのつかないことが起きたのだ。心臓がギュッとなる。

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糸を引っ張っただけなのにこんなにきれいに切れてしまった

何の技術もいらないし、切っている感覚すらないのにきれいに切れている。恐ろしい。

細いたこ糸でフルーツ大福を切る

切っている手応え
☆☆☆☆☆

断面のきれいさ
★★★★★

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太いたこ糸でフルーツ大福を切る

次はさっきより太めのたこ糸

12番手という料理や手芸に使える一般的な太さ。 

「ぐにに…」

糸が太くなって切る感触が現れた。皮、餡、あんずと切っていくのが糸の張り具合から伝わる。これがあるだけでかなり安心する。 

さっきと比べて荒い切り口だが、それでもきれい

ゆで卵を輪切りにする器具を使った時ぐらいの爽快さと恐ろしさ。しっかり感触はあるが「こんなにきれいに切れていいの?」という困惑もある。

テーマパークの入り口にある回転アーム式ゲートだ。「ガコン!」という感触はしっかりあるけど「こんなことでもう戻れない?」と我に返る瞬間もある。意味もなく逆に回してみたくなる。

太いたこ糸でフルーツ大福を切る

切っている手応え
★★★☆☆

断面のきれいさ
★★★☆☆

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刺繍糸でフルーツ大福を切る

次は刺繍糸。かなり細い。ここからはメロン大福を切ります
「むー…」
こわぁ…

細いたこ糸の時以上に切っている感覚がない。糸を持っている感触もあまりないので何をしているか分からない。

なのにメロン大福はきれいに真っ二つに切れる。怖い。

細いたこ糸の時に目隠しをしてドミノを倒すと言ったが、そこにぶ厚いグローブが加わった感じだ。もう板を押した感触もない。

しかし僕の行為のどこかに、大福を真っ二つにする要素があった、ということだけは理解できる。怖い。

酔っ払ってグループラインに変なスタンプを送る感じだろうか。送った記憶はないが、自分が送ったことはなぜか分かっている。そして取り返しがつかない。

012.jpg
結末が変なスタンプじゃなく、大福のきれいな断面で良かった

刺繍糸でフルーツ大福を切る

切っている手応え
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

断面のきれいさ
★★★★★★★★★★

星5つを満点でやっていたのだが、想定を超える結果でわけが分からなくなってしまった。 

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釣り糸でフルーツ大福を切る

これが最後の糸
「むにん…、むにん…」

交差した糸を引っ張って上に持ち上げようとしたが、途中で大福が閉じて糸が中に収まってしまった。糸と大福がくっつく。

断面も、切り口があまりに鋭いので切ったそばからくっついているような感じだった。伝説の剣士か。 

最後、ちぎるようにして半分にした。きれいな断面にならない

前の3つがすごくきれいだったので、ちぎったような断面が恥ずかしくなり、皿に乗せて写真を撮る前に食べてしまった。メロンがじゅわっとしておいしかった。

釣り糸では大福がきれいに切れないのだ。素材の相性が悪い。

釣り糸でフルーツ大福を切る

切っている手応え
☆☆☆☆☆

断面のきれいさ
☆☆☆☆☆


刺繍糸で切ったフルーツ大福怖い

4種類の糸を試したが、感触のない怖さを味わいたいなら刺繍糸、感触はありつつきれいに切りたいなら一般的な太さのたこ糸がいい。

けれど稀有な経験なので、感触のなさと断面のきれいさを怖がれる刺繍糸がいいと思う。

怖い怖い言いながら食べるフルーツ大福はおいしかった。

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編集部からのみどころ
いちご大福を糸でカットしたいと思ったけれど、いちご大福が買えなかったところから始まります。
糸ならなんでも変わりないのでは?と思っていたのですが、意外と違いがちゃんとありました。そして、釣り糸でカットしたメロン大福を皿に乗せた写真撮影を忘れたことを素直に書いているところがいいですね。(橋田)

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