これからの季節、たいがいのカモ達は日本を去ってしまうが、カルガモは残って日本で子育てをするので(北方に住む一部は南下)1年中、公園などで見ることができる。
人気のない公園で視線を感じたら、それはカルガモかもしれない。
![](https://dailyportalz.jp/application/files/6717/1370/0912/037.jpg)
スズガモとサイズ感はほぼ同じだがなんとなく筋肉質でがっしりしていて、正面から見るとなんか「馬」を感じてしまう。
キンクロハジロやスズガモの目つきはやばかったがホシハジロの目も真っ赤でヤバい。
「オナガ」というだけあって長い尾羽が特徴のカモで、そんなん正面から見たらわからないじゃんとなりそうだが心配無用。
とはいえ尾羽だけでなく体型も他のカモよりスマートで、グレーとブラックのシックなツートンの羽毛に身を包み、見ているこちらも正装に着替える必要性を感じるほどの気品を放っているので、見かけた際には横とか斜めのアングルから観察してみてほしい。
ハシビロガモは戦闘機が離着陸できるのではないかというほどの長く広いクチバシを持つ、見応えあるカモである。
昭和の悪役レスラーやメキシコのルチャリブレで躍動するマスクマンのように、顔面に色とりどりのペイントを施しているカモたちを正面から見ていきたい。
ヒドリガモやコガモほどよく見られないが、やはり、そのペイント毎日大変でしょう、どうしてるんですか?みたいな顔面を持つヨシガモもというカモもいる。
様々なカモの正面に回り込んできたが、正面から見るならやはりカルガモが最適ではないだろうか。
身近なカモとして近所の親水公園などで簡単に見られるだけでなく、距離感もかなり近い。他のカモは遠くから双眼鏡やカメラの望遠レンズで覗き見るのだが、カルガモの場合は2~3mほどの距離で向き合うこともある。
顔の側面に目がある鳥でも、こちらを立体視できる位置である。つまり、カルガモも私を見ている。お互いに自己をさらけ出して向かい合う、これは他のカモとでは得られない、極めて実存的な交わりなのではないだろうか。
これからの季節、たいがいのカモ達は日本を去ってしまうが、カルガモは残って日本で子育てをするので(北方に住む一部は南下)1年中、公園などで見ることができる。
人気のない公園で視線を感じたら、それはカルガモかもしれない。
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