特集 2019年6月25日

ブレーメン通り商店街で合盛りカレーを食べることになりました

おいしそうなカレーを食べるまでのドキュメンタリーです。

生きていれば色々なことがあるだろう。試験に合格したり、宝くじが当たったりなどのいいこともあれば、財布を落としたり、スマホが突然壊れたりなど悪いこともある。

これは記事の撮影をしに行ったらうまくいかなかった男たちの記録である。

 

※編集部より
この記事はデイリーポータルZの運営元であるイッツコムのサービスエリア、東急沿線の魅力を紹介する記事です。

1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

前の記事:遅刻しそうなときにくわえるべき食べ物は「ちくわ」でした


舞台は東急東横線の元住吉駅

「元住吉駅」という駅がある。神奈川県川崎市にあり、東急東横線の渋谷駅から電車で約20分で着く、にぎやかな商店街がある素敵な町だ。

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渋谷駅、横浜駅からも近いため住みやすいと評判。横浜に住む親戚のおじさんも言っていた。

元住吉駅にはオズ通り商店街とブレーメン通り商店街があり、今日行こうと思っているお店はブレーメン通り商店街にある。

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駅前からブレーメンさが全開である。

元々、元住吉西口商店街だったが1990年に改名し、1991年には、ドイツのブレーメンにあるロイドパサージュ商店街との友好提携をしたらしく、ドイツも認める日本のブレーメンと言っても過言ではない。ドイツのブレーメンに行ったことはないが、負けないぐらい活気にあふれるにぎやかな商店街である。

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駅前にはブレーメンの銅像がある。ロバの両足をさわると幸せがおとずれるらしい。
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この撮影、そしてこれからの幸せを願ってさわった。銅像のロバさえも暴れるんじゃないかと思うぐらいさわった。

このときはまさかこのあんなことになるとは思わなかった。そう、ロバの足を触りながら幸せを願っているときは。

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臭豆腐を食べてみたい

今回は本場の台湾料理が食べられるお店で臭豆腐(しゅうどうふ)を食べようと思っていた。臭い豆腐、どんなものか、どれぐらい臭いのか、というより食べていい物なのか? だって臭いんでしょ?など疑問はつきないが、一度食べて見たいなと思い、元住吉駅にある「台湾小吃 美」というお店に向かった。

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お店の雰囲気からアジアンテイストが漂う。

臭豆腐とはどんな料理なのだろう、他にもおいしい料理をたくさん食べて帰ろうと思っていてお店の前に行ったら、もう事件です。

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撮影に同行してくれた編集部安藤さんが指差す方向には、
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臨時休業のお知らせ。
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心ここにあらずの顔になった。

やってない。ネットでは営業中となっていたので行ってみたら見事にやってない。一般的なライターは電話で聞いてから行くらしいと言ううわさを聞いたが、現地に行って許可を取る形で俺たちはやってきたのだ。いつだってなにが起こるかわからない、現地のわくわくを味わいたいのだ。臭豆腐を食べる記事は延期となった瞬間だった。そして、途方に暮れた。元住吉、19時30分頃のできごとであった。

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安藤さんも発泡スチロールの買い出しに行く際、行けばなんとかなるだろうという気持ちで確認せずに行ったら、置いてなくて「置いてなかったです!」と報告したことがあるらしい。心温まるエピソードである。

ここの台湾料理のお店に行きたいが、次回の営業時間まで待つと締め切りに間に合わない。ネットで探すと近くに別の台湾料理のお店があるらしいのでそこに向かう。

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縁という台湾屋台料理のお店である。

「ネットで調べればなんでもある。無敵だ。」という話をしながら、お店に入り、「臭豆腐は置いてありますか?」と聞いてみて、「あります」ぐらいのところでうちには置いてない」と言われた。

でも、我々はめげない。臭豆腐をあきらめたが別の変わった料理を見つけた。

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ドクロ麺。名前にドクロが入ってくる。

お店オリジナルのドクロ麺。これはぜひ食べて見たい。今回は「ブレーメン商店街でドクロ麺を食べる」のタイトルで決まった。

気分ウキウキでドクロ麺を食べてみようと「じゃあ、ドクロ麺ください!」と元気に言った。それはまるで裏山を走り回る少年のような元気っぷりだった。

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この肩の落としようはまさか・・・

やってなかった。どうやらドクロ麺はお昼限定のメニューで夜は出していないらしい。なんだろうすごく震えてきたが、これが武者震いってやつか。1日に二度打つ手がなくなると落ち込むどころか、テンションがあがってくる。これだから記事を書くのはやめられない。

あと、確認なのだが、ロバの足をつかんだら幸せが来ると聞いたが、どうしたのだろうか。幸せをじらされている。もしくは本場ドイツから来るのか。調べたところ、羽田空港からドイツのフランクフルト空港まで12時間かかるらしい。幸せの到着予定時刻、明日の8時である。当日便で来てほしい。

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ブレーメンビアーをどうしても飲みたい

そんな落ち込むできごとが続く中、素敵なものを見つけた。商店街オリジナルのビールである。

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ショーウィンドウに並べられた異国がすぎる風景の中に見つけた。
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ブレーメンビアー。

猪苗代地ビールで有名な福島県猪苗代町のビール醸造所の協力で作られたブレーメン商店街オリジナルの地ビールだ。

ビールの本場ドイツの「ビール純粋令」に従って作られていて、余計な材料は使わずに作ることでビール本来の味を楽しめるビールらしい。これは一度飲んでみたい。

ぶらぶらしていると、スーパーで見つけることができた。

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かわいい絵柄のブレーメンビール。強い絵柄のストロングゼロ。

さっそく買ってみよう。お会計をするときに栓抜きがないことに気づいたが、一緒に買ってしまおう。

レジの方に栓抜きがどこにあるか聞いてみた。これで持ってきてくれてハッピーエンドになると思っただろう。

聞くと「すみません、置いてないんですよ」と申し訳なさそうにレジを打つ。レジの引き出しが開くときの「ガッシャーン」というレジを開ける音がこの日はやけに大きく聞こえた。今日のレジの音は心に響くぜ。

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飲むことができないビールを買った。

会計を済ませたあと、許可を取って店内で開けさせてもらうことにした。どうしても飲みたい我々は自宅の鍵やキーホルダーを使用してなんとか開けようと必死である。

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中には鍵を使って栓を開けようとする者、
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何かで見た、上下を合わせて開けようとする者がいたが全然開かない。

お店の人も外にまで栓抜きを探し行ってくれて、「なかったのでスプーンを持ってきました」とまたも申し訳ない感じで貸してくれた。スプーンで開けたことがないが、店員さんが持ってきてくれたのだ。きっと開けられるだろう。「絶対に開けられる」というその場にいた全員の思いがスプーンに集まった。

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しかし、開かなかった。俺たちは無力だ。

お礼を言って外に出る。きっと栓を開ける方法があるはずだ。コンクリートや鉄の鎖、その他多くの物で試したが中々、開けられない。

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コンクリートで開けようとしたが全然ダメだった。
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栓を開ける方法を求めて、路地裏にまで足をのばす。お店の人からは酔っ払いだと絶対に思われただろう。1ミリグラムも飲んでない。こんなに飲みたいのに。
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鎖もどうにか頑張れば行けそうな雰囲気だけ出していた。
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ハードボイルドな男の技

ダメだ、全然開かない。「昔、アメリカの映画とかでハードボイルドな男が歯を使って開けてましたね」と安藤さんと話していた。一応、自分でもやってみたが開く雰囲気がいっさいない。あきらめつつある中、ハードボイルドな男、安藤さんの闘志は燃え続けていた。

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歯で開け始めた。

「違うスーパーに行ってみましょうか」と言おうと思ったが、この姿を見て飲み込んだ。体中の力が歯に集まっている。

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鬼もこの顔を見たら逃げ帰ると思う。

そして、何回か試行錯誤してもうダメかと思った瞬間、ビール栓にむかない安藤が勝った。

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「取れた!」

まさか、取れるとは思わなかった。見ているときに自分も再挑戦してみたが、口の中から聞いたことのない、明らかに歯が欠ける音がしたのでやめた。安藤さんすごいな。ブレーメンの音楽隊に祝福してほしい。
 

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激しい戦いだったのだろう、歯形がついている。
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「今日、歯が折れる夢を見ると思う」とコメントをもらった。

先月、虫歯の治療が終わったばかりの安藤さんが言うには「上の歯で栓の上部を抑えつつ、栓の下側に歯をひっかけてあとは思いっきり力を入れてあける」のがコツらしい。このあと、自分の分も開けてもらった。一芸ができた瞬間である。ただ、あと、2、3回やったら歯がなくなってしまうらしい。なくならないでほしい。

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祝杯をあげた。
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何かないかと探してみる

ビールを飲みながら元住吉駅を散策すると、色々なお店が建ち並んでいる。

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クチコミランキング1位の花屋があったり、
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「ビールを飲みながら惣菜を食べたらおいしいだろうな」と思ったり、
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ハントンライスが食べられるお店があったりと、興味深いお店が多い。

ハントンライスとは「デイリーポータルZ北陸にたまごのせ文化があるのか?」にも載っているが、オムライスに白身魚のフライ、そしてタルタルソースが乗った石川県のB級グルメである。

石川県に住んでいた安藤さんが言うには「石川県の洋食屋ではどこでも置いてある」と一般的な料理のようだ。

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ついに見つけたロバの幸せ

ハントンライスで記事を書こうか迷っているといいお店を見つけた。カレー専門店パピーである。

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困ったとき、どうしようもないときだってカレーはおいしい。

普通のカレーの店に見えるが、まずは注文したものを見てほしい。びっくりすると思う。

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これがロバが届けてくれた幸せかもしれない。

とんかつにカルボナーラ、そして、カレーにチーズをトッピングしたまさに「理想」である。自分も夢で見るかもしれない。

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笑みを隠しきれない。
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安藤さんが注文したスパイシーフライドチキンカレー。こちらもボリューム満点である。

こちらのお店、普通のカレーもあるがカレーとスパゲッティの合盛りで注文することができる。

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単品で頼めるメニューやトッピングの他に、
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セットメニューやトッピングセットなどがある。

トッピングやスパゲッティなど、組み合わせしだいでは無限の数のメニューがあるだろう。見つけてしまった、夢のお店を。

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つけ合わせはレーズン、福神漬け、らっきょうの3種類もくるのでお得。
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店内は落ち着いた雰囲気。21時でも満席である。

数分で運ばれてきたカレーとスパゲッティ。カツはカレーの上に乗せられているのでまわりがサクサクである。

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洋食を食べるときに少しだけついているスパゲッティの量もこれぐらいあればいいのに、と思いながら食べる。

世の中のだいたいの合盛りは、少ない量が半分ずつあるというのが多いが、パピーはカレー1人前とスパゲッティ1人前がやってくる。カレー1人前とスパゲッティ1人前が合わさって友情パワーの味がする。

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今までのうっぷんを晴らすように食べる。
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熱いけどおいしい!

今回は中辛を頂いたが、カレーはピリッとした辛さがありつつもコクのあるマイルドなみんな大好きな味、カルボナーラも少し柔らかめなスパゲッティにたっぷりのソースにベーコンなどの具材が入っている。どちらも家庭的な味でおいしい。家の近くにあったら通いたい。

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満足して帰りました。

色々なありすぎて1日中撮影していた気がする。ブレーメン通り商店街は活気あふれて、色々なお店もあって楽しいのでぜひ行ってみてください。


それでもぼくらは生きていく

ノープランで色々なお店を探すのは楽しい。なにが起こるかわからないままにぶらぶらしていると今まで興味がなかったものも段々と興味深く見えてくる。ただ、こういう記事は心臓に悪いので1年に1度ぐらいにしたいものです。

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食べたあと、汗が流れた。この汗は熱々の料理を食べたせいか、それとも記事に対する冷や汗か。
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