特集 2019年6月11日

遅刻しそうなときにくわえるべき食べ物は「ちくわ」でした

少女マンガによくあるシーンを成人男性たちがやってみました

よく学園ドラマで「遅刻しちゃう!」と走りながらパンを食べているのを見る。

転校初日の女子学生が曲がり角で男子学生とぶつかり、実はぶつかった学生が同じ学校の同じクラスメイトで、 「あのときの!」となって、それから恋がはじまるのだ。

もし、あれが食パンではなく、他の食べ物だったら早く走れて、なにも物語が始まらなかったかもしれない。

1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

前の記事:おいしいたいやきを食べたい旅~東急沿線さんぽ


このようなシーンを見たことはないでしょうか

こんなシーンを見たことはないだろうか。登場人物が女の子だと思って見て下さい。

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ピピピピ(目覚ましがなる音)
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やばい遅刻だ!
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行ってきます!
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なんで転校初日に遅刻しちゃうかな。
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あ、危ない!
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ちょっと痛い!どこ見て歩いているのよ!

ここから、出会う事のなかった2人の恋の物語が始まる。もし、これがパンじゃなくて、別の食べ物ならもっと早く走れて、普通に学校に行けたのではないか。恋愛ストーリーが台無しだが、知りたいので調べてみます。

調べてみた結果はこちらです

実際に色々な食べ物を食べながら50メートルを走り、ゴールしたタイムが一番早い食べ物が遅刻したときにおすすめの食べ物である。

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赤丸がスタート地点。50メートル思っていた以上に遠い。

大体で50メートルを測ったのだが、実は66メートルだったことが後ほどわかる。なので、66メートル走に変更になった。

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まずは普通に走ってみる。

なにも食べないで走ったところ12.12秒。これが基本の記録となる。そして、これが実際に食べながら走ってみた結果だ。

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ちくわが一番早く走ることができて、そうめんが一番遅かった。

切れていなかった食パン

実際にそれぞれ走った様子を見てみよう。まずは食パンである。

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集合時間ギリギリに近くのスーパーで食パンを買おうと思って急いで買ったら、切れていない食パンを買ってしまった。レジで会計しているときに気づいた。

まずは薄い食パンで試しに走ってみて、それを基準にしようと思ったが間違って切れてないタイプの食パンを買ってしまった。

8枚切りや6枚切りなどの食パンがあるが、男ならでかいパンをかじったほうが力がみなぎって早く走れるのではないか。お店を出るときには前向きな理由が生まれた。

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合成写真みたいになった。
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準備万端である。

小麦の香りがすごく香ってくるなか「用意、スタート!」の合図で全力で走る。

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なぜかピンチな状況っぽく見えるな。

走りつつも、食べる。そこに余裕はない。パンを食べながらゴールに向かって走るだけである。

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走り終わったあとにでかいパンを持っている人。

最初は口の中にパンが1口分だけなので、呼吸ができてパンの風味を味わう余裕があるが、段々と口の中いっぱいにパンがあるせいで呼吸しづらくなる。食べられて2口か3口ぐらいだ。

スピードも大事だが、口の中の食べ物をどれだけ早く飲み込むかが大事だし、子どもがまねしてはだめなやつだ。

口の中の水分、パンが全部吸う

次はバケットである。力を入れないとかみきれない硬さが特徴だ。歯をくいしばるといつもよりも重いものを持つことができたり、早く走れたりするらしい。その理論できっとスピード出ることだろう。

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長いパンを食べながら走ったことはないが頑張ろうと思う。

口に入れると先ほどの食パンよりも全身に力が入る感じする。形も細長く、空気抵抗がなさそう。これならいい記録が出せそうだ。

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パン泥棒だ!
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パン泥棒がパンを食べながら逃げるぞ!
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待てパン泥棒!!
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パン泥棒、パンを口の中につめこみすぎて苦しくなりつかまる。三面記事だ。

固いパンは、全然飲み込めない。食パンはなんとか飲み込むことができたが、硬いパンを飲み込むのに水分がかなり必要だ。

走っているときにはパンが口の中の水分を全て吸ってしまって飲み込めない。そして、息をするのにパンが邪魔なのでどうにかしてほしい。

と書いたが、鼻炎の自分だけがこんなになっている可能性があるので計測係をお願いしてたトルーさんにもパンを食べながら走ってもらった。

一緒に走ろう、パンをくわえたまま

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30代の徒競走が始まる。

走り終わったあとにぐったりする筆者を見たからか、走る前にトルーさんは「こんなに不安な徒競走初めてです」と漏らしていた。こちらも不安である66メートル走、すでに3本目だ。体力がつきかけている。運動をしていこうと決めた瞬間だった。

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2人は不安を胸にしまいつつ、パンを必死に食べながら走る。
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結果、トルーさんの勝利だった。

感想を聞くと、「食べながら走るというより、口に入れながら走る感じで、飲み込む余裕は全然ありませんでした。 走ってみると早く走りたい気持ちと共に、ゴールまでにたくさん食べたいという気持ちになりました。不思議です。ゴールしたあと、口の中にあるものを食べるのが大変でしたが、なんでこんなに入ってるんだろうと思いました」

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パンを必死に飲みこうとするトルーさんの奥にもうダメそうな人がいる。

ちくわの穴には無限の可能性がある

次からが別の食べ物だ。まずはちくわである。今まで呼吸が苦しくてタイムが良くなかった可能性がある。ちくわなら穴があるのできっと呼吸がしやすくなり、いいタイムが出るはずだ。

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ちくわの穴に無限の可能性を感じています。

海に潜るときに使うシュノーケルという道具がある。水上に出したくだを水中で口にくわえて呼吸する道具だ。どんなに口がいっぱいになってもちくわの穴から空気を吸うことができる。吸ってみるとちくわ味の空気を口の中に入ってくる。ちくわファンにはたまらない空気。

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序盤は呼吸がとても楽で思っていた通りだった。

序盤は呼吸がしやすかったが、中盤になるとやはり苦しくなってくる。どんな食べ物でも食べると呼吸がしにくいというのが今日の学びだった。

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電車やバスに乗り遅れて追いかける男。

ただ、今までの食べもの比べると呼吸のしやすさのおかげが、比べた食べ物の中では一番タイムがよかった。遅刻したとき、食べるのに最適なのはちくわだ。

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学校の不良が授業をさぼりながらちくわを食っているようにも見えますが、疲れ切っているだけです。

持ちやすさのやきとり

くしなら片手で持ちやすくので走りながらでも食べやすいのではないかと思いやきとりを買ってきた。

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両手にやきとり。食いしん坊がやってきた。

スタートの準備をしていたとき、犬が通ろうとしていたので待つことにした。犬はかわいい。休みたいから止まっているのではない。犬の通り抜け待ち。

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こっちは息こそ整わないが、準備万端である。
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あ、犬きたな。
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フライングで少し食べてしまった。

やきとりと持ちなおうとして口からはなそうとしたら、口が全然開かずに食べてしまった。体力がなくなりつつある。タレのにおいに誘われて思わず食べてしまったわけじゃないことだけはお伝えしたい。

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気を取り直して走ろう。
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走り方がヒーローみたいでかっこいい。もしくはお店から焼き鳥を盗んできた人。
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焼き鳥泥棒は「走るときには塩の方がサッパリしていていいかもしれない。と思う人がいるかもしれませんが、味わう余裕がないのでなに味でもいいです。」と言っていた。
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一生懸命さが伝わってくる。特定保健用食品のポスターにしたい。

順位としては4番目であるが早くはないが、串ならではの食べやすさはある。今回は短い距離なので、ゴールしたら落ち着いて食べられるが、もし学校までの距離が長い人は飲み込むための休憩を取りながら転ばないように走ってほしい。

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ゴールしたあと、走っているときに食べられる量じゃないとほめられた。

一番向いてないつゆこぼれまくりのそうめん

食欲がないときでも食べられるそうめん。さっぱりと食べられるので朝にもぴったりだ。5玉ぐらいは食べられる。

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今回は手軽にコンビニのそうめんを買ってきた。食べるラー油とサバ缶を入れて食べたい。

学生の頃なら体力が有り余って、いくらでも走れたが社会人になると認めたくないぐらい体力が落ちる。
ここまで66メートルを6本計約400メートル走っただけで限界が近い。

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ビニールの包装がとれないぐらい、体力がなくなりつつある。
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立ち食いそばには行ったことがあるが、走りそうめんは初めて。

麺類を食べるときには①そうめんをはしでつかむ、②つゆに入れる、③それを口に入れる、を行う。食事の際にはなんとも思わない、むしろ自分の好きなようにおいしく食べられていいが、今はその行為全てが、そでをびしゃびしゃにする。つゆこぼれまくりである。帰り道に迷わないぐらいつゆがこぼれている。

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それでも彼は必死にそうめんを食べようした。

そして、こぼれないように走ると遅いのだ。一緒に撮影してくれた友人がバックステップでバシバシ写真を撮ってくる。でも、スピードが出ないおかげでそうめんを食べることができる。

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走っているのに腰がひけているが、急げ、近くで子どもが操作するラジコンを踏まないようにそして、ラジコンにあごだしのきいたつゆをこぼさないように。

何とか走り切ったが、結果は29.50秒。一番早かったちくわの2倍以上時間がかかった。急いでいるときにはおすすめできない。そうめんは夏の暑い日に実家の昼食にゆっくりと食べたほうがいいかもしれない。

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どうか洗濯でそでに付いたつゆのしみが落ちますように。

カレーライスはこぼれにくい

イチローが毎朝カレーを食べていたことから話題になった朝カレー。朝だけじゃなく、昼も夜も食べたい。

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スーパーにカツカレーしかなかったが勝ちたいのでちょうどいい。

カレーは短所として、両手でしっかりと持たなければならないため、腕を振ることができず、スプーンでカレーをすくうのが大変でスピードが出しにくい。カレーってスピードが出にくい食べ物なんですね。

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走りながらスプーンでカレーをこばさないようにすくって食べるのもむずかしい。
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息切れしながらもスパイスの香る。インドでマラソンした気分になれた。とくに早くもなく、遅くもないタイムだった。

かっこよさだけで選んだりんご

最後はリンゴである。マウスピースぐらい固いからきっといいタイムが出そうだと思い選んだ。本当はさわやかな人がリンゴをかじっていたらかっこいいだろう。早いとか関係なく、かっこよさ重視で買ってきた。

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さわやかなカッコよさよりも、山賊っぽさがある。
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りんごを口にくわえて準備完了である。
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今日、8本目の全力疾走。

走った。口の中にリンゴの果汁をあふれさせながら、全力で走った。限界なんてとうに超えている。それでも彼は走った。遅刻しそうなときにくわえる食べ物を知りたかったのだ。

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思っていた以上にスピードが出なかった。リンゴを食べるときに噛む力が必要でそれで少し走るのがゆっくりになってしまうからだ。

ゴールした瞬間、すぐに座った。もう走れない。水分を求めてリンゴをかじると、じゅわと出た果汁の甘味が体に染みた。


食べ物を食べながら走ると躍動感が出る

最後にトルーさんの走っている姿を見てどう思ったか聞いてみた。「すごく必死で、あの人は河原で何をしているんだろうと思いました。 食べ物があると普通に走るより躍動感があり、普通に走るより遅いはずなのに、躍動感のせいでそれが気になりませんでした。 近くにいた、レジャーシートを広げてのんびりしている家族とのコントラストがすごかったです。 その家族向けの出し物みたいに見えました。」

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最後の全力疾走後に立ち上がった姿がビートたけしに似ていた。
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