炒飯を食べるとき、頭の片隅で白米のことを想っている
炒飯が大好きだ。仕事で疲れた時などは必ず炒飯が食べたくなるので、帰り道で中華屋を探してしまう。ふっくらした出来立ての炒飯を食べるだけで、気持ちがとってもおだやかになるのだ。
しかし、炒飯を食べるとき、白米の存在が頭をよぎる。炒飯は味が濃くてパンチがあるからこそ、「炒飯をおかずに白米を食べたいかもしれない」という背徳的欲望が湧き上がってしまう。
炒飯×餃子のような鉄板コンボは最高ではあるが、塩分も旨みも過剰なので味の濃さにびっくりする瞬間がある。また、炒飯は具材が混ざり切っているぶん味がフラットであり、最後の一粒まで同じ味なので、まれに途中で飽きが来ることもある。
個人的には、炒飯はもはや「主食」ではなく、味の濃い「主菜」と捉えたほうがしっくりくる。ならば、カレーの要領で白米に炒飯をかける食べ方をすれば全てが解決するのではないか?
ネットで調べてみると、同じような発想をすでにしている人がいることがわかった。たとえば『こち亀』には「チャーハンライス」というメニューが登場していたり(チャーハンにご飯を混ぜて2倍にして節約するという発想)、炒飯と白米を半々で盛り付けて提供する店もあるらしい。しかし、カレーのような形で食べているところは見当たらないので、私なりのやり方で炒飯と白米の美味しい食べ方を研究してみることにした。
手始めに冷凍炒飯で試してみる
まずはこの食べ方がおいしいのかどうか、手っ取り早く検証してみることに。スーパーで冷凍炒飯を購入して、自宅で試してみる。
このような盛り付けをしたことがないため、あまり綺麗に盛ることができない。自宅にある一押しの中華皿に盛り付けをしたからか、一見サマにはなっている。気になる味はどうか...?
若干心配していたが、想像以上においしかった。やはり冷凍炒飯は白米と一緒に食べることを想定されていないため(当たり前)、味がどうしても薄くなってしまう。途中で塩胡椒をふって食べる結果となった。
この食べ方を、ここでは仮に「カレー式炒飯」と呼ばせてもらおう。その最大の魅力は、味の濃淡を自分の裁量で調整できる自由さにある。
たとえば、ガツンと炒飯の味を感じたいときは、炒飯多め・白米少なめに。
逆にちょっと味をリセットしたいときや、優しさを求めるときは白米多めにして、ほんのり炒飯の風味を楽しむ。また、ひと皿の中で、自分のペースや気分に合わせて「濃→淡→濃」などとグラデーションをつけながら食べられるのも魅力だ。
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カレー式炒飯に可能性を感じたので、別の炒飯でも試してみることにした。
黒炒飯でよりカレーらしく
今度はテイクアウトで黒炒飯を買ってみることに。たまりしょうゆを使用した黒炒飯なら、味が濃くて白米に合いやすいのではないかと思ったからだ。
先日のように白米と共に盛り付けてみる。2度目だからか、カレー風の盛り付けがうまくなってきている。
色味も相まってめちゃくちゃカレーになっている。これは期待できる......!
よりカレーに寄せたくなってきたので、福神漬けを添えてみることに。
見た目があまりにもカレーすぎでちょっと笑ってしまった。新種のキーマカレーと言われると一瞬信じてしまいそうだ。
お腹も減ってきたので早速食べてみることに。
黒炒飯の醤油味と白米がしっかり合っていておいしい。なにより、炒飯 × 福神漬け × 白米 が素晴らしい組み合わせだ。炒飯の塩味と福神漬けの酸味、中和剤としての白米がかけ合わさることによって、バランスがよすぎる。なんだこれは。
ただ、やはりお店の炒飯も白米と食べる用に作られているわけではないので、少し味が物足りなくなってくる。

