デジタルリマスター 2023年9月15日

どこでもFMステーションのれん(デジタルリマスター)

いま、僕のなかで雑誌「FMステーション」の表紙ブームが来ている。かっこいい。これぞ80年代。イラストレーター、鈴木英人さんの作品である。

名前を聞いたことがなくてもいちどは見たことがあると思う(鈴木英人で検索するとたくさん出てくるので見てみてください)。空中に独特の模様が描いてあるイラストである。

あの物体はなんだろう。中学生のころ、真似して描いてたがゴミが飛んでるようにしかならなかった。いまはコンピュータと画像処理ソフトがあるのでもうちょっときれいに描けるかもしれない。

いや、そういう企画じゃなくてもっと正面からアプローチできないものか。

2009年5月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:ドラマチックアナログタイトラー

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あの物体とはこれです

「あの物体」で話を進めてしまったが、あの物体とはこういうものである。

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飛んでます

カラフルな幾何学模様が空中を舞っている。

ランダムに飛んでいるように見えてよく見ると規則的だ。イラスト全体のイメージが爽やかなのでブルー系の色かと思ったが、暖色系だった。いろいろ意外だ。

そしてよく登場するのがこの3つの形である。

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この3つがよく登場するパターン

こんな不自然なものが空中にありながら自然に見えるのが不思議だ。しかも爽やか。

コンピュータを使って真似て描いてみたらけっこう似てしまった。自分のイラストのうえにこれをのせて、FMステーション!というのはあまりにも安易だ。

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なので実物を作ることにした

あの物体を実際につくって、現実の景色をFMステーションにしてみたい。あの爽やかな風が吹く世界(イラストを見た僕の妄想)が目の前にうまれるのだ。

素材はなんだろう。あのポップな感じはきっとプラスチックではないだろうか。少なくとも真鍮や漆喰ではないだろう。トタンでもない。東急ハンズでカラーのプラ板を買ってきた。

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FMステーションを思い浮かべながら買ってきた
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村上龍っぽいプラ板

プラ板を切ってあの形にする。

コンピュータではあんなにスムーズに真似ることができたのに、プラ板を切るとなるとまったくうまくいかない。コンピュータを使っている自分は軽やかなのに、生身の自分は重い。

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あの形を貼って、それになぞって切るのだが
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先っちょがへにょりと曲がっている

あの形を切ったつもりだが、先端が縮れ毛のようにカールしている。FMステーションの爽やかな風は吹いてない。梅雨時の畳の部屋の湿気た匂いがする。それはFMステーションを読んでいた中学生の僕がいた部屋だ。

それでも大人なのであきらめない。

赤と黄色のパーツを接着してひとつできた。部屋の中、天井に向かって掲げてみる。

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なんだろうこの中華っぽさ

よく行く中華料理店にこういう色の飾りがかかっている。

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酔ったときに見たことがある配色だ

僕のカルフォルニアはどこに行ったのか。

いや、ひとつだからかもしれない。たくさんつくったらカルフォルニアかもしれないぞ。あきらめずに作り続ける。大人は自分をごまかすのが得意だ。

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だらだらと5時間ぐらいかかって作った

⏩ 組み立てます

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