指湯2022
指湯という答えに行き着いた。指先だけなので同時にいくつもの温泉につかれ、紙コップさえあればどこでもつかれ、風呂上がりも指先を拭くだけなのでつかれない。寒い問題はあるけれど、暖かいところでやると意外と気持ちがいい。
冬の温泉は風情があってよい。露天風呂なんてさらにいい。寒風が吹く中で温泉につかり、美しい風景を眺める。人生の中でも上位に来る幸せな瞬間ではないだろうか。
ただ温泉が近くにないという人も多いだろう。その辺で入れると嬉しいのに。そこでいろいろ考えた結果、「指湯」という答えに行き着いた。おめでとう、人類。
温泉では基本的に全身お湯に入る。足だけ入る温泉は「足湯」と呼ばれる。足湯は観光地に行くと割とよく見かける。熱海駅の前にも「家康の湯」という足湯がある。全身つかる温泉よりも手軽なのが足湯の魅力だ。
全身つかるより気軽なのが足湯、足湯より気軽なのが「指湯」と覚えていただきたい。指先だけが温泉につかるのが「指湯」なのだ。スペースをあまり必要とせず、風呂上がりに拭くのも指先だけ。楽の極みだ。
指湯は紙コップレベルで十分なので、一気に10種類の温泉に入ることも可能だ。全身でも足だけでも、10種類の温泉に一気に入るのは難しい。しかし、指湯なら可能。しかも、紙コップだけなので、好きな景色でつかることができる。
カラフルで実に素晴らしい。登別、山代、乳頭、黒川、鳴子、奥飛騨、那須塩原、美作湯原、野沢、道後の10箇所の温泉に同時につかるのだ。そんなことがなぜ可能なのか? そう「指湯」だからだ。
雄大な川をバックに温泉につかる。しかも、10箇所の温泉に同時に。足湯でも10箇所同時は無理だ。しかし、指湯ならば可能なのだ。足の指まで使えば、20も夢ではない。何より手軽なのだ。忙しき現代を生きる我々には素晴らしき入浴方法かもしれない。
もちろん問題はあって寒い。河川敷で浴衣で真冬で、寒くない理由がない。温泉につかっているのは指先だけなので、芯から温まるみたいなことはないのだ。なんなら芯から冷えて来るまである。浴衣を着なければいいんだけどね、でも着たいじゃん、温泉だから。
指湯という答えに行き着いた。指先だけなので同時にいくつもの温泉につかれ、紙コップさえあればどこでもつかれ、風呂上がりも指先を拭くだけなのでつかれない。寒い問題はあるけれど、暖かいところでやると意外と気持ちがいい。
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