デジタルリマスター 2023年1月21日

350種類の焼酎が飲み放題のイベント(デジタルリマスター)

この無雑作感がたまらない

350種類の焼酎が飲み放題のイベントが6月23日、横浜で開催された。横浜焼酎委員会主催の 「本格焼酎・泡盛横浜大選集」である。

去年のようすをホームページで見ると、テーブルの上に一升瓶が並んでいた。好きな焼酎を勝手に飲んでいいらしい。

子ども番組「ピンポンパン」の最後に出演者の子どもに好きなおもちゃを選ばせるシーンがあったが、まさにあれだ。大人ピンポンパン状態。

2007年6月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:缶ぽっくりに最適な缶はどれだ(デジタルリマスター)

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酒好きが考えた楽しいイベント

会場は横浜の大さん橋ホール。クイーンエリザベスなどの豪華客船が集まる港だが、今日は焼酎大会だ。酒好きのおじさんがニコニコして集まっている。

広いホールの壁際に蔵元のブースが並び、中央のテーブルに焼酎の瓶とつまみがおいてある。

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目当ての焼酎の前からどかない人も多い
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すでにつまみとは呼べない量のつまみ

 焼酎は主に一升瓶。氷は皿のうえにどーんと盛ってあるし、水も一升瓶である。手描きで「水」と書いた札がぶらさげてある。質実剛健。

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ラフに置かれた氷。みんな手づかみで入れてた。
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水。どーん。

 事前の案内に
「つまみは適度に用意してありますが、不足の節はご容赦ください。」
とあったのでそんなに期待してなかったのだが、予想外に大量のつまみが用意されていた。ちょっとした立食パーティーである。

酒のつまみとなると、「これ美味しいから食べて!」「これがお湯割に合うから!」とか急にお母さんみたいになる酒飲みがいるが(僕)、この大量のつまみはそんな過剰なホスピタリティを思い出させた。

注意書きも充実

スタートまで会場をうろうろしているといたるところに注意書きがあることに気づいた。

・飲みすぎに注意しましょう
・乾杯するまで飲まないでください
・持ち出し禁止

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くれぐれもご注意ください
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フライングする人はいませんでした。

ひとつひとつに焼酎大会の過去のできごとが刻まれてると思われる注意書きである。どんなことがあったか容易に想像できる。そのあたり主催の焼酎委員会のかたに聞いてみると

「いやあ、去年は救急車が4台も出ちゃって」

と教えてくれた。日本でそんなラフなイベントが開かれていたとは…。

「会場は涼しいんだけど、外に出ると日差しが強くてボイルされちゃってねえ」

だそうだ。しかしなぜか嬉しそうだ。ボイルって。

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飛ぶように売れてました。

商談禁止・飲むだけだ

乾杯前のオープニングイベントでも司会者がしきりに「あと15分で乾杯ですから」「あと2分ですから、もうちょっと待って」と出来の悪い犬に教えるみたいに言っていたが、そのたびに会場は盛り上がっていた(含む僕)。

焼酎委員会の会長による「藤原紀香だけが美人ではない。マスコミで紹介されない焼酎にも自分にあったものがあるはずだ。みんな、焼酎探しの旅を続けよう」というかっこいい挨拶とともに焼酎大会はスタート。

その前に、
・このイベントでは主催者も飲みます
・商談は禁止、ただ飲むイベントです
というアナウンスがあったが、あれもかっこよかった。

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瓶をどかすと…
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「持ち出し禁止!」
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味を比べてみよう

いよいよ2時間の試飲タイムだ。350種類の焼酎が飲み放題である。しかし1本につき10ml飲んだとしても350銘柄で3.5リットルだ。焼酎2升も飲んだら死んじゃう。

残念だが、気になる焼酎を選んで飲んでいくことにしたい。ちょっとずつ飲んで種類を稼ぐ作戦だったが、いきなり蔵元の人がなみなみと注いでくれたので瞬時に諦めた。サービスよすぎ。

今回、この取材に当たって飲酒や泥酔やふつか酔いに造詣の深い木曜日担当ライターの工藤さんにご参加願った。じゃあ試飲を始めよう。

 

久米仙 43度 沖縄

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いきなり強い。飲めないと思ったら途中からうまくなった。

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いきなり今日はこれだけで終わりになってしまうのではないか。

咲元 43度 原材料:米麹 沖縄

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くせがある。でも水で割ると急にうまくなった。

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濃い。くさくてうまいです。

舞富名 60度 原材料:米麹 沖縄

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アルコールみたいにスースーする。

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水で割るとうまい。60度はすごい。

富源 25度 原材料:酒かす 大分

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ものすごいクセがある。酒かすの焼酎なんてはじめてだ。

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すっぱくさい。カマンベールの味がする。

三隈 25度 原材料:酒かす 大分

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おばあちゃんの家を飲んでるみたいだ。

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ハイジのベッドのにおいがする。

 

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すごいぞ酒かす焼酎

酒かすからつくる焼酎があるなんて知らなかった。酒かすって言ったら日本酒の絞りかすである。それからまた酒を造るなんてどこまで酒好きなのか。

しかしこれまたものすごくクセがあるのだ。口の中に家とか藁のベッドがあるみたいな味である。縮尺なんてあったものではない。

結局、わーわー言いながら酒かす焼酎を3杯ぐらい飲んでしまった。大好きじゃん。

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前髪もおでこにくっつくうまさ

では試飲、後半です。もうろうとしています。

珍(めずらし) 25度 原材料:にんじん 福岡

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意外にまったくクセがない。こりゃうまいや。

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ホッピーで割るといいのではないか。

じゃがたらお春 25度 原材料:じゃがいも 長崎

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水のようだ。酒かすのインパクトが強かったからかもしれない。

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つまみがうまいよ。

かいこうず 25度 原材料:芋(栗黄金という芋) 鹿児島

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甘い。ハチミツみたいな味がする。おいしい。

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はちみつだ。すしがうまい。

千代泉 30度 原材料:米麹 沖縄

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あの長寿の人からとったのかな。(泉重千代と間違えている)。

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沖縄は安心します。

グレイスラム 40度 原材料:さとうきび 南大東島

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ラムじゃないかな。

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ふつうにおいしいです。

焼酎はクセがあるほうが楽しい

にんじん、じゃがいもなどかわった原材料の焼酎は意外にクセのないすっきりとした味だった。酒かす焼酎がインパクトありすぎなのかもしれない。

> のみすぎると おもしろいかどうかで
> はんだんするようになるね

酔っぱらって気を失う寸前の文字で取材メモにそう書いてあった。全てひらがなで。

しかし工藤さんはどうしてこんなに顔にピントが合うのか。

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つまみを取ってたらいつのまにかカウンターのなかに入ってしまい、あわてて出るところ
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これは登山だ

ふだんお酒を飲んでいても決して知らない人に話しかけたりしない僕だが、この会場では違った。

知らない人に「この焼酎おもしろい味がしますよ」って酒かす焼酎をすすめたり、飲んだおじさんがびっくりしたら「すごいでしょ、ね」なんて言ったり。僕も知らない人に焼酎をたくさんすすめられた。楽しい。

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知らない人の記念写真に入る工藤さん。でもほかにも関係ない人多数。

そうだ、これは登山だ。

山登りをする人は知らない人同士でも挨拶をするというが(行ったことないので本当かどうか知らないけど)、まるでそれだ。あっちは危険ですよと山道の状況を教え合う登山者のようにウマイ酒を教えあうのだ。ピース。

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デイリーポータルZ見てますよ、って言われた気がする
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たぶんこの人も(違ってたらごめん)

世界が100人の酔っぱらいだったら

挨拶だけではなく、イベント後半にはもっと会場に一体感が生まれていた。

・僕が買ってきたつまみを食べる知らない男(見てたら「食べていい?」と聞いてきたので「もちろんどうぞ!」とすすめた。登山者だから)
・着ぐるみのまわりで記念写真を撮ってると知らない人がたくさんあつまってきて、半分ぐらい知らない人になっている
・つまみを売るブースの試食だけで飲んでるおじさん。売ってるほうも酔っぱらっていっしょに飲んでる

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つまみは共有財産になってました。

………。登山かどうか分からないが、中高年も若者も混ざって盛り上がっていたのがすばらしい。

酔っぱらいとシラフの人が混ざるとトラブルになることが多いが、全員酔っぱらいならば意外に平和なのかもしれない。

(このページの写真が全体にブレているのは酔っているからです)

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出口ではジュースを100円で売っていた。親切。

楽しかった

案の定、翌日はふつか酔いだった。

「ふつか酔いは辛いけど、飲んでるときの楽しさに比べれば屁でもない」とは僕が好きなアーティストが言っていたことだけど、あらためてその正しさを感じるイベントだった。こんだけ楽しかったらふつか酔いぐらい仕方ないよね。

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会場を出たところ。ボイルされた。
 

横浜焼酎委員会
https://www.y-chu.jp/

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