エスカレーターの清掃は思った以上に大変だ。ベルトの拭き掃除は特に、筋トレ並に体幹が鍛えられる。この作業を毎日やっている全国のエスカレーター清掃のプロたちには感謝しかない。
いよいよお待ちかねのエスカレーター手すりの清掃開始
TPM齋藤さん:そろそろ開館間近なのでエスカレーターが動き始めます!
プロ:エスカレーターの手すりのことを”ベルト”と呼ぶのですが、基本的にベルトは作動している時に掃除します。その方が楽なので
ほし:確かに、動いていればいちいち動かなくていいですよね
プロ:まずは自分の身体側から外方向に出ていくベルトの清掃の仕方をお教えします。
ほし:これをやっている清掃員の方、色んなデパートや駅などで見かけますね!
プロ:ポイントは、クロスをしっかりと裏側まで回すことです。意外と裏側が汚れていたりするんですよね
プロ:このように、ベルトに上から添えるような形でフォームを作ります。ベルトの動きを妨げないように、進行方向に沿って手を添えるのがポイントです
ほし:なるほど! 添えるだけなら簡単そう!
ほし:見ている分には簡単そうですが、実際にやるとかなり難しいですね……体重が持っていかれないように踏ん張るのに必死。まるで釣りをしているかのような感覚……!!
プロ:意外と難しいんです。しっかり足を踏ん張らないと結構危険ですよ!
ほし:これは鍛錬が必要ですね……
プロ:初心者の人には難しいので、もう少し簡単なポーズをお教えします
ほし:すごい! これなら重心がブレなくて楽ですね!
林:これはかなり難しいですね!
ほし:たまに駅で見かけるエスカレーターの掃除をしている人たちがいかに凄いかがわかりました……
林:気になったんですけど、クロスでベルトを1周全部拭けているか、どうやって確認するんですか?
プロ:秒数で測ったり、乗っている人を目印にするなど、結構人それぞれですね。しかもエスカレーターごとに長さもスピードもマチマチなので、一概には言えないんですよ。
林:秒数で測る場合、相場は何秒ですか?
TPM齋藤さん:場所にもよりますけど、大体80秒くらいらしいです!
ほし:へぇ〜〜
プロ:私はベルトの継ぎ目を感じる方法でいつも測っています。わずかな凸凹を感じ取って、そこを目印にしています
ほし:継ぎ目……!? なんだか陶芸家みたいだ……!
TPM齋藤さん:この道を超越した者しか出てこないワードです
ほし:どうですか? 継ぎ目、ありましたか?
プロ:…………すいません、ちょっとわかんなかったです
ほし:(笑)わかんない日もあるんだ……
プロ:そんな日もあります
プロ:本来乗る方向と逆で動いているエスカレーターのベルトを掃除する場合、ランディングプレート付近を歩くと警報が鳴るんです。逆走すると危ないので
ほし:警報が鳴らない位置を熟知して立っているんですね!センサーを掻い潜る侵入者みたいでかっこいい
プロ:内側に入ってくる動きに沿って、今度は下からそっとクロスを当てます
プロ:流れに沿って手を置かないと、突き指する可能性があるので注意してください!
ほし:意外と危険ですね……! 油断しないようにせねば……
ほし:さっきよりは楽かもしれない!でも、やっぱり気をつけないと身体ごと持っていかれそう。これ、毎日やっていたら体幹トレーニングになりそうだな……
プロ:毎日やってたら慣れますよ。頑張ってください
ほし:精進します……!