苦手なものを食べると静かになる人と饒舌になる人っている
六人目 石川(まずい1:まずくない9)
石川:アブサンってあるじゃないですか、その感じがちょっとする。…いける、めちゃくちゃまずいわけじゃないかな。5個くらい食べたら慣れそうな気がする。
まいしろ:なんで慣れないといけないの、と思ってしまう。
北向:怒りだ。
アブサンは薬草(アニス)を原料とするお酒だ。ここにきてようやく味に関するヒントが出てきた。
べつやく:味が濃いよね、この大きさでちょうどいい。仕事中にこれあったらちょっと食べちゃう。
それなりに良いものなのかも、という空気の中、完全なNOを叩きつけたのが月餅さん。
七人目 月餅(まずい10:まずくない0)
月餅:わー・・・やだなー。あー。あーしょっぱいですね。あーーーー・・
月餅:いやかも。
月餅:しょっぱいなあ。
謎のしょっぱさが無理とのことで、月餅さんはまさかのまずいが10割という判定。ハリボーにもタイヤ味のグミと呼ばれるリコリス菓子があるらしいのだけど、どうやらそれよりも苦手らしい。
八人目 北向(まずい8:まずくない2)
さて次は筆者の番。食べるのを躊躇われるが、こんなに好き嫌いも味の評価も分かれる食べ物ってなかなかない。
北向:え…やわらかい!
北向:あのー、誤飲防止でゲームのカセットを苦くしてたりするじゃないですか。(サルミアッキが苦いわけではないけど)なんかそれを思い出しました。
まいしろ:食べちゃいけない味しますよね。
てっきり硬いものだと思ってたけど、ソフトキャンディというのだろうか。絶妙な柔らかさで、噛むたびにむきゅ、むきゅ、とゴムのような無機質な風味と確かな臭みが喉の奥に運ばれる。
北向:あのー、苦手かもしれないなこれ。
べつやく:リコリスの香りがすごく強い。もうちょっと甘いといいよね。
そう、甘くないのも意外だ。飴って自由なんだな。悔しいな、美味しいと感じたいよおれは。
九人目 橋田(まずい7:まずくない3)
橋田:私もダメだ全然ダメだ。1,000円もらっても食べない。
橋田さんは後に「今後も好きになることはないと思う」と突き放していた。断絶だ。
十人目 西村(まずい5:まずくない5)
最後に、唯一過去に食べたことのある西村さん。苦い記憶として残っているそうだが…
西村:高校生の時に食べたことあるんですよ。「石油の味だ」ってその時は思ったんですけど、今食ったら意外といけたな〜と思って。
べつやくさんが「大人になっていろいろ食べるようになったからじゃない。」と言うように味覚の変化ってあるんだろうな。
もう一段階自分が大人になる必要のあるお菓子
というわけで世界一まずい飴、サルミアッキを10人で食べたところ、「苦手じゃない:4人」「苦手:6人」という結果となった。
世界一まずい飴なのかどうか、でいうと、まあ確かにここまで苦手な人がいる飴って他になかなか無いだろうし(ゲテモノならともかく)、その称号を与えても差し支えないかと思う。
とはいえ、これだけ抵抗のない人たちがいるというのも驚きだった。きっと彼らはサルミアッキの他にも世界の様々な食べ物を経験し、舌のステージが筆者より何段も上がっているのだろうなと感じた。
なんとなく大人になって、苦手な食べ物は減ってきたつもりだった。美味しいと思えるものが多くなってきた中で立ちはだかったサルミアッキという塩辛い壁。お前はまだまだ大人になる必要がある、そういうメッセージなんだきっと。
※2007年の松本さんの記事でも紹介されているのでぜひ
サルミアッキと愉快な仲間たち
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