ザ・昔とった杵柄
これがその絵本「アブないニャン!」でございます。
珍しい、タテ開き。
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このピンクのネコが何度もアブない目にあうのですが、どれも華麗に切り抜けます。
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しかし本当の危機はそのあとにやってきます。
思いがけない形で。
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やおらUFOが現れて、ネコをアブダクション。アブ…そう、「アブないニャン!」のアブは、アブダクション(誘拐)のことだったのだ。このためのタテ開き仕様、というわけなのでした。
前半は普通のアクションものかと思いきや、異界からの敵が出現してしまうという構図は、映画「プレデター」に通ずるといえましょう。
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UFOの中でネコが大暴れして、プラズマか電磁波か相転移かわかりませんが何かが起こり、UFOとネコが融合してまたひと暴れ、そして無事地球へ帰ってくるというお話です。どうだ、荒唐無稽に過ぎるだろう。
元は、2年前に作り始めたソフビ人形「アブニャン」というのがありまして、それを旧知の編集者さんが知るところとなり、「これをテーマにした絵本なんてどうですか?」とオファーいただいたのが始まりです。
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さて、この制作の様子を自分で語るのはなんだかそれこそ独りよがりになりそうなので、ここで主役のネコを相手に進めていこうと思います。
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では制作のあれこれを、どんどん私に聞いてくださいよ。
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しかし、やがて編集者さんから「乙幡さんらしさを出したい」と要望が。乙幡といえば工作とか、なんか変化球でいきたいなと。
で、昔やってた「消しゴムはんこ」はどうですかということになって。
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「それは大変そうだ…でも、特色が出ていいかも!」と、腕まくりしてそのアイデアに乗ることにしました。それが、のちにあれほど大変とは…
彫る彫る、押す押すの日々
さておき、ストーリー進行やページ割、そして下絵が固まると(そこも紆余曲折ありますがここでは割愛)、本の大きさより少し小さいくらいのサイズでモノクロプリントします。
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同時に、消しゴムはんこ用の、大きい消しゴム板の調達です。大きいと言っても、最大でハガキサイズのしか売ってません。
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まぁ、曲げられるくらい薄い分、楽な箇所もありましたけどね。でもあなたみたいに「地の色(ピンク)」+「輪郭線(黒)」という構造になると、狙ったとおりの位置に押すには息止めて慎重に慎重に…と。最初はずっとそんな感じで、これ果たして終わるんかと思いましたよ。
いちおう治具なんかも簡易的なのを作って、木版画よろしく正確な位置決めができるよう努めたんですが、なんかそれでもズレるんだよね…。
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できるだけ1ページを1枚絵で作りたかったので、おいそれと失敗できないわけです。
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一方、インクにはそんなに遮蔽性はないので(遮蔽性=地の色が透けないこと。インクの種類によってあるにはあるが、濃い紙の上に薄い色は見えにくくなるなど、限度がある)、背景が黒とか青の画用紙なんかだと、どうしても色が見えなくなるのがあって。
考えた末、はんこのタッチだけは生かそうということで、別紙に押したものを切りとって貼るという手を使いました。それからあとはけっこう楽になった。どんどん切り絵メソッドを使って、絵を仕上げていけました。
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![neko2.jpg](https://dailyportalz.jp/application/files/3117/0263/4702/neko2.jpg)
「アブないニャン!」
発行:あかね書房
価格:1,540円 (本体1,400円+税)
判型・頁数:A4変型判/20×20cm/36ページ
対象年齢:就学前から
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告知
思いっきり宣伝させていただいてしまいましたが、そのまたさらに宣伝の上塗り!シャーッ!
・京都文学フリマに「妄想工作所」として出ます。「アブないニャン!」他、自作絵本も少し持っていきます。
2024/1/14(日) 11:00〜16:00 入場無料
京都市勧業館「みやこめっせ」(京都府)1F 第二展示場