特集 2024年10月19日

代々受け継がれるレシピを使って、愛媛の郷土料理「鯛そうめん」をつくる

みんなで食べよう

友人を呼び、作った鯛そうめんを食べてもらうことにした。

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鯛そうめんを食べたことのない友人たち。

「インスタに上げてる鯛そうめんを見て、いつか食べたいと思ってたんだよね」

「ビジュアルがかなり強いね」

迫力満点。手前から角度をつけてドアップで撮るのがおすすめだ。

「ついに食べれる!」

食べ方を指南する妻。そうめんや薬味を取って、
鯛の身をほぐして、小皿に乗せる。そして、鯛の煮汁で作ったつゆをかける。

「うまっ!」
「しいたけも甘くておいしい!」
「つゆがすごく合うね。甘くておいしい~!」
「薬味が麺を引き立てるね。」
「今までそうめんをこんなにも味わったことなかった!」

「愛媛の家庭ならみんな作れるの?」
「いや、そうでもないよ。母は広めようとしているけど。」
「ケンミンショーに出てきそうな郷土料理だね。」
「ちょうどこの前出てたよ。秋川雅史が紹介してた。」

鯛そうめんを囲んで、話がはずむ。みんなを笑顔にする料理だ。

あっという間に鯛は骨だけの状態になった。(食べることに集中して撮り忘れた。)

「そういえば、鯛の中に小さい鯛が居るんだけど知ってる?」
「どういうこと?」
「これ、見て。」

「鯛の鯛」と呼ばれる骨。縁起がいいらしい。

「かわいいね!」

「鯛の鯛」はここに隠れている。これを慎重に剥がすとゲットできる。

みんなに美味しく食べてもらえて本当によかった。

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妻の実家に話を聞きに行く

実は、友人たちに鯛そうめんを振る舞う少し前に、妻の実家に行き、鯛そうめんについていろいろ教えてもらっていた。

鯛そうめんを食べながら。ありがたいなぁ!

「鯛そうめんは『おめでたい』でもあるし、そうめんのように細く長くという意味も込められていて愛媛南予ではハレの日に食べていたの。お祭りのときは近所の人たちと小皿を持ち寄って、みんなで集まって鯛そうめんをいただいていたんだよ。どこの家の小皿か分かるように、小皿の裏に苗字を書いてた。」

実は、そうめんと鯛を組み合わせた料理は瀬戸内海沿岸にいくつか存在するのだが、とりわけ愛媛南予では結婚式・お祭り・お祝いのハレの料理として親しまれてきた。

これは愛媛県鬼北町で妻の実家の親戚が集まった際の料理。鯛そうめんのひとつ手前の、四色に分かれた料理は「ふくめん」という、愛媛南予のもうひとつ郷土料理だ。四色の薬味の下に、味の付いたこんにゃくの麺が敷き詰められている。これもうまい。

「私はこの鯛そうめんを広めることを使命に感じているから、鯛そうめんを記事にしてもらえたらすっごくうれしい(笑)。 鯛そうめんって作り方がシンプルだし、知らない人が食べても美味しいと思える料理だから、多くの人に作ってほしいし、食べてみてほしい。」

親から子へ受け継がれる郷土料理。それを私が記事にして広める作戦。

「あ、四国はけっこう甘めの味付けが好きだけど、関東の人はそうでもないだろうから、味付けのお砂糖は減らした方が口に合うかもね。」 

調理前の鯛。でかい。

「鯛そうめんは鯛の命を丸ごといただく料理でね。煮汁で作ったつゆは、余ったらひじき切干大根の煮物にも使えるし、鯛の骨からも出汁が取れて、それでたこ焼きを作るとおいしいよ。」

その土地の名産品を最もおいしい形で、余すことなくいただく。鯛そうめんは本当に良くできた郷土料理だなぁ、と思った。


めちゃくちゃうまいからみんな食べよう

鯛そうめんはめちゃくちゃうまいからみんな作って食べたほうがいい。レシピをもう一度載せておきます。

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高画質版はこちら。
おまけ:最近うれしかったこと

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