特集 2021年10月6日

真顔と笑顔のあいだはどうなっているのか?

人は笑う。面白いことがあると笑う。笑いにはいろいろな種類があるが、大雑把に『面白いことがあると笑う』としておこう。

面白いことが去ると真顔に戻る。ずっと笑っているような顔の人もいるけど、だいたい真顔に戻る。

笑顔と真顔の境界はどうなっているのだろう。見てみたいので笑顔を録画してコマ送りしてみました。

あばよ涙、よろしく勇気、こんにちは松本です。

1976年千葉県鴨川市(内浦)生まれ。システムエンジニアなどやってましたが、2010年にライター兼アプリ作家として自由業化。iPhoneアプリはDIY GPS、速攻乗換案内、立体録音部、Here.info、雨かしら?などを開発しました。著書は「チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ」「30日間マクドナルド生活」の2冊。買ってくだされ。(動画インタビュー)

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編集部の皆さんにZoomで集まってもらいました

笑っている顔と真顔の境界を見たいという趣旨は、僕(左下)と編集部石川さん(左上)だけが知っていて、編集部橋田さん(右上)と編集部藤原さん(左下)は、訳も分からずZoomで呼ばれた。

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左の2人は趣旨を知ってる人、右の2人は趣旨を知らない人。

趣旨を知らないほうが自然に笑顔と真顔を往復してくれるだろうということで、その辺はボカして進めることにした。

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私、この仕事ずっとやってるんだけど、毎回いつもこうなのよ。とりあえず来いって言われるだけ。
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実験体ですよ、僕らなんて。

 

趣旨を知ってしまうと、意識して顔を作ってしまうかも知れないのでそのまま行くことにした。

適当に用意したオモシロ画像や動画を見ながら笑ってもらったり、時には真顔になってもらったりする様子を録画して、後から表情の変化をコマ送りで確認、笑いと真顔の境界を探した。

全員の真顔を確認

まずは真顔の状態を見ていただきたい。

準備中で全員真顔になる。
自分ちの猫のTシャツを作って着ている筆者。妻からはケジーちゃんと呼ばれている。
当サイト黎明期からデイリーポータルZ編集部で仕事をしている橋田さん。
高校生の頃からデイリーポータルZに出ている藤原さん。編集部に所属。

真顔とは、顔の筋肉に力を入れず、目は開かれ口は閉じた状態である。感情を読み取りにくく、何を考えているのか分からない。

ライターとして参加後編集部に入った石川さんは僕の担当(抱えるライター数が尋常じゃない)。

笑っている顔はどうか

真顔と笑顔の境界を見る前に笑っている顔を見ていただこう。人は笑うとこうなる。

自分が笑ってるところをマジマジと見たことなかったけど、しっかり歯が見えていて驚いた。歯医者にはちゃんと行こうと思った。

みんなよく笑っているが、この時は藤原さんが持ってきた画像と、そのコメントが面白かったのだ。 

録画から笑っている画像を切り出しているだけで、なんだかこっちまで笑顔になってしまう。人の笑顔を見るのって楽しいんですね(心の状態にもよるのかも知れないけど)。

ちなみに、このときに見ている画像はこちら。

編集部藤原さんが持ってきた画像。『社会を明るくする運動実施中』の横断幕。
fuji.jpg
これ見て、俺みたいな人間は消されるんじゃないかって思いました。
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そんなこと思うの!?大丈夫、大丈夫だよ藤原くん!

 

コメントは薄暗かったが、言い方が明るくて笑ってしまった。

そんなこんなで、30分ほど持ち寄りオモシロ画像や動画で笑った。外国人のapetprというおじさんがウォッカを飲みながらはしゃぐ動画なども見て笑った。

 

久しく忘れていたけど、人と時間を共有して一緒に笑うというのは楽しい。一緒に笑うのがこんなに楽しかったとはね。

あー、楽しかった、楽しかった。楽しいので皆さんもおもしろコンテンツを持ち寄ってやるといいと思う。

 

全員の笑顔と真顔を録画出来たので解散となった。僕的にはここからが本番だ。笑顔と真顔の境界を探しにいこう。

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笑顔と真顔の境界を探す

真顔から笑うまでの状態変化を並べてみた。まずは石川さんが笑うまでの変化。

まず頬が少し上がって、口が開き前歯が見え始める。 

目が細くなり、上下の歯が見えた。 

口が大きく開いて、上下の歯の間が離れた。笑うぞ、かなり笑うぞ、これは。

笑ったー!!

石川さんは笑いながら顔が前に移動するため、コマ送りするとブレがちだった。気にしたことなかったけど、笑うときの動きにも個性がある。

続いて橋田さん。基本的にニコニコした状態から始まる。

顔全体が同時に笑いに向けて動き出し、目、頬、口がそれぞれの役割をこなす。 

笑いの頂点では目が閉じられており、頬が上がり口も大きく開く。石川さんと似ていて、体全体で笑うのでコマ送りするとブレる。 

そして藤原さん。石川さんや橋田さんと違って身体全体の動きは少ないが、目、頬、口が連動してしっかり笑っていた。

 まずは口元が動きだす。

頬が上がり、下まぶたが押し上げられて目が笑う。 

身体は動かないので、ブレの少ない良い笑顔が得られた。 

 最後にわたくし、松本の場合。

笑い始めると、眉毛が下がり目が細くなり、口が開く。自分の顔のコマ送りをここまでよく見たことは初めてだが、こんな顔してたのか。 

頬が上がって目を閉じるので目尻にシワが寄る。 

石川さんと橋田さんは笑うと身体を前に倒すが、僕は後ろに反るタイプだった。自分のことなのに気づいてなかった。 

もう一度各自の笑い方をまとめて見てみよう。

前に倒れる石川、橋田、後ろに倒れる松本、動かざる藤原。笑い方はそれぞれ違う。

これが、時間とともに真顔に戻ると、こうなる。

まず口が閉じられるが、まだ頬の緊張は解かれない。そのため目はまだ細めになっている。 

やがて頬の緊張が解けて、目も開かれる。下の写真でほぼ真顔。 

石川さん笑いはこのように引いていく。

口と頬の緊張が解かれていく様子がおわかりいただけるだろうか。 

ここらへんが境界だろうか。笑いが抜けきらないけど次の瞬間には真顔になる感じ。 

スッと真顔に戻る。 

笑顔はコストが高い。顔の筋肉を緊張させて目は閉じられ、声を出すことで自然界では敵に発見されやすく、無防備になってしまう。

笑うために顔の筋肉を緊張させるエネルギー消費があり、無防備になるリスクも抱える。なぜこんな機能が人間にあるんだろう。複雑化してしまった精神を健全に保つため?

次は藤原さんの笑いが引いていく様子。

目、頬、口が連動して自然に真顔へを向かっていく。これらの動きが無意識で行われている。人間の顔ってよく出来てるなぁと感心する。 

真顔と笑顔の境界はこの辺だろうか。微笑という状態かもしれない。

上の写真は微笑より更に真顔に近づいた状態。まだ口元に笑みが残るが、目は冷静をまとっている。 微笑未満だ。

真顔に戻った。

最後に橋田さんの笑いが引いていく様子。

まだ笑顔。 

筋肉の緊張が解かれて笑いが引いていく。 

下の写真はもう真顔。 ということは上の写真が真顔直前の境界ということになるかと思います。便宜上ミマイルと呼びます。

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4人分のミマイルを並べてみる

僕が見たかった、笑顔と真顔の境界、ミマイルを4人分並べてみる。

僕はこれが見たかったんだろうか?という気持ちになったが、これが見たかったことになる。 

見てみて、ああ、こういうことだったのかと思った。 

真顔を0としたら、0.1だろうが0.0001だろうが0.000001だろうが、笑顔に向けて動いた顔はプラスの数字であり、笑顔には違いないのだった。ミマイルもスマイルも笑顔だった。 

ゼロはゼロだけど、少しでもプラスならそれはゼロではない。ゼロでないなら、もうミマイルもスマイルも笑顔なのだった。境界の彼方は観測不能。 

動かしてみた

真顔と笑顔の往復をアニメGIFにしてみた。笑顔と真顔の相転移であり、あれ、僕が見たかったのはこれだったのかも、と思った。

境界ではなく、笑顔と真顔の急激な変化が見たかったのだ。これだ、これ。

笑顔がスッと真顔に変わる瞬間が好きなのだ。ええ、満足しました。


みんなで笑うのは良い

この特集を書くために、みんなで笑っている動画を停めてはコマ送りをして画像を切り出して、という作業をした。ハッと気づくと、僕の顔は笑っていた。不思議なもので、笑っている人を見ているだけで楽しい気持ちになる。

以前、お酒は飲まないし喋らないけど飲み会の雰囲気が好きだから参加している、という人がいた。当時の僕は意味がよく分からなかったが、これを書いて理解できた。人が楽しそうにしているのを見ているだけでも楽しい。

だから人は、集まって会話して一緒に笑うことをやめられないのだろう。

 

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