フライドポテト、チェーン店別徹底比較
SNSの反応は「どうかしてる」「こわい」
古賀:
この記事、本当にすごかったですね……。
食べ比べってネットの企画記事はすごく一般的というか、デイリーポータルZもサイト開設1本目の記事が「甘栗食べ比べ」だったんですよね。
それだけに、読み手も食べ比べ記事に関してはもうものすごく目が肥えているというか。そんなところに衝撃を与えた記事でした。とにかく物量がすごくて!

岡本:
ありがとうございます、SNSの反応も追ってたんですが「どうかしてる」「頭おかしい」「こわい」という感じで好評(?)で嬉しかったです。
古賀:
そうそう! 岡本さんがそう言われて楽しんでるのがまた可笑しかったです。
でも圧倒的な敬意と誉め言葉だと思います。こわいって。
岡本:
(笑)ありがとうございます。
ペースとしてはそこまでではなくて、多分平均すると週に1~2種類くらい食べる感じでずーっとやっていたので結果的に量はそこそこになりました。
意外と人間らしい生活をしています
古賀:
スタートとしては2017年の春で、淡々と週に1~2種類押さえて2年半、みたいな感じですか。
岡本:
はい! そうです。みなさん怖がっていましたけど意外と人間らしい生活だと思っています。そんなに毎日食べたりとかはしてないんで……。
古賀:
「長期にわたってやった」という結果なんですよね。
岡本:
どんなことでも継続すると成果物って出来上がるものだなぁと思いました。
古賀:
岡本さんは2014年と2017年のデイリーポータルZの新人賞を獲ってライターに入ってくれたんですが、2017年の新人賞の賞品のダムツアー(※新人賞の受賞者と関係者で神奈川県の宮ケ瀬ダムに行きました)の打ち上げの和民で確かフライドポテト食べてませんでしたっけ……。
岡本:
あ、すごい!よく覚えてますね。はい。記事の中の和民のポテトはあの時のポテトです。

古賀:
そうなんですね!
岡本:
写真に下足箱の鍵の板?が写り込んでるんですが、ライターのどなたかのやつです。
古賀:
2年前の飲み会の写真が記事に生きてくるのすごい。
岡本:
あのときポテトの写真を撮って集めてるんですよって言ったら褒めていただいた気がします…。
古賀:
そうそう、岡本さんは2014年が物づくりの記事で2017年はプログラムの記事で新人賞を受賞してるんですよね、なのに食べ比べもするんだ! って驚いたんですよ。デイリーポータルZのライターにめちゃめちゃ向いてるなーって。
岡本:
ポテトの写真集めてるって言って、たいていのひとは微妙な反応で褒められたの初めてだったんで、嬉しかったですけど、困惑しました……。
古賀:
困惑!
それでライターに入ってきて、一度これまで食べたフライドポテトを記事にまとめられないか案として一度いただいてたんですが、まだ比べ足りてない、みたいなことで一旦保留になったんですよね。
岡本:
今回ついに機会が。
焼き肉、回転寿司、カラオケ、ネカフェ、スーパー、宅配ピザ…全部食べてる
古賀:
あのときすごいなと思って褒めたのは、フライドポテトみたいな途方のないものによくぞ手をつけたな! という褒めもあったと思います。
チェーンのハンバーガーショップとかに絞らずに、居酒屋にまで手をだしたらこれ無限だろ!? って。
そんな無限ぶりが本当に記事であきらかになってて笑いました。焼き肉、回転寿司、カラオケ、ネカフェ、スーパー、宅配ピザ…全部食べてる。これ、途方もないな?って心折れることとかなかったですか??

岡本:
結構つらいです。旅行とか行って、現地の美味しい物食べたいじゃないですか…。
でもその土地にしかないチェーン店とかあるので旅行先ではポテトばっかり食べてます。もうずっと。
古賀:
わー!!!ローカルチェーンのフライドポテトを抑えなくちゃいけないですもんね……業だ。しかも芋で油でお腹にたまる!
岡本:
カルパッチョ食べ比べとか、もう少し軽いやつにしておけばよかったと思いました。
芥川龍之介の「芋粥」か
古賀:
まとめ枠が切実で最高でした。
古賀
めちゃめちゃに長い一覧作って力強い写真と感想が続きまくるゴリゴリの情報記事だったのに、最後は小説なのかな!? と思うくらい情緒あふれる終わり方でした。
岡本:
よかったです。芥川龍之介の「芋粥」みたいな終わり方だって言ってくださる読者のかたもいらっしゃって。
古賀:
芥川龍之介!!!
岡本:
でも僕がまとめに書いたのはただ純然たる事実ですね。
古賀:
風情を狙ったのではなくただ淡々とした事実なんですね。
岡本:
そうなんです。でも今回の記事をみてくださった読者の方から続々とポテト情報が集まってしまい…これは当分かかるぞと。
古賀:
なんとまだ続いてるんですね!!!
岡本:
今さらながら無限を痛感しています。
古賀:
あれだけ食べ比べてまだあるのか……。
趣味なのか義務なのか
岡本:
美味しいポテトがあるという情報をもらうと気になって。
古賀:
回転寿司とかカラオケとかネット喫茶とか、そこもいくか!? っていうチェーンが網羅されてたので読者の方々的にも情報提供したい気持ちが沸き上がりますよね……。
岡本:
沖縄のA&Wとか、函館のラッキーピエロみたな有名どころもまだ抑えてないので……。
古賀:
謙虚な自分との闘いみたいになってますね……。
2017年9月と2018年8月に岡本さんが現状ベストとする「快活CLUB」の「のりしお」と「バター醤油」に出会ってるわけですが、そこで手を止めずに続けたのはやっぱりコンプ魂みたいなものからでしょうか。


岡本:
あー!コンプ魂!そうかもしれない。でもちょっとすでに楽しくなってるのかも知れないですね。
ポテト調査のためにいろいろ行って、それが無いと行かない様な町とか行くことができるんで。あーでももう義務感というか作業かもしれません。
古賀:
揺れている……。いろいろなところに行けるわくわく感と義務感のアンビバレント。マニアの方はみなさんそういうの抱えてますよね。
岡本:
アンビバレント! 確かに! ポテトをもうどうでもいいとか思いつつ美味しいポテト情報は気になってしまう。
古賀:
記事ですごいと思ったのは、確固たる分類が岡本さんのなかにあるってところでした。
カットの7種類が分かりやすいんですが、あと「衣」とか「皮」とか、味だけじゃない、フライドポテトを分類する物差しがもうかなり研ぎ澄まされてるのがすごいなー!って思ったんですよね。

岡本:
ちなみに古賀さんはどのポテトが好きですか?
古賀:
私はばくぜんと、皮つきのはいいよなって思ってたんです。でも衣って考えたことなくて。記事を読んで、そういえば衣のありなしってあるな! と衝撃でした。
ポテトの好みの話は殺し合いに発展する
岡本:
僕は皮付きで衣付きが好きなんですが、ポテトの好みってものすごく違うんで、記事でそれぞれの好きなポテトが見つけやすくなっていたらうれしいです。
古賀:
ひとくちにフライドポテトといってもいろいろあるぞ! って、ポテトについてものすごい啓蒙した記事ですよね。
ポテトの好みがあるのか!ってところから知ったみたいな感じがします。
岡本:
ポテトの好みの話は最悪殺し合いに発展しかねませんが、僕はあまりいわゆる普通のポテトは好きじゃないんですよね。
古賀:
殺し合い笑! 宗教と政治と野球とポテトの話は酒の席では禁止ですね。そんな派閥間の溝の深いジャンルだとは思ってませんでした……!
古賀
食べ比べはじめた入り口は好きな映画館のポテトがなくなったからでしたよね。
岡本:
そうです。ポテトは足が早いので、食べておかないと結構食べれなくなります。メニューから消えるんです。
古賀:
へー! そんな刹那的なものだとは。
岡本:
さすがにマクドナルドのポテトとかはずっとありますが、例えばケンタッキーのカーネリングはおいしかったですけどもうないですね。また復活するかもしれませんが。

古賀:
えっ! あのねじねじしたやつ、もうないんですね……悲報……。私もあれ好きでした。
岡本:
美味しかったですよね。
そして旅は続く
古賀:
さっきA&Wやラッキーピエロの名前が挙がってましたが、やっぱりローカルチェーンは狙っていきたい感じですか?
岡本:
そうですね。1店舗だけの店はもう網羅しきれないのでチェーン縛りで……。
ポテトがあるローカルチェーンがあれば教えてほしいです。
古賀:
おおっ! みなさまぜひ!
岡本:
よろしくお願いします!
岡本さん、ありがとうございました! ポテトの情報がさらに集まったらまた記事にしてもらいたいと思います。