自分で言い出しといてびっくり
実は、ネタ出しに困るたびにWebマスター林氏が勧めてくるのが「いろいろな色の水を作る」企画。会議でネタが思いつかないとき、すぐさまその企画を勧めてくる林氏に、日頃は閉口していたのだ。まさか色水フィーチャーした記事を自然と書くことになるとは思わなかった。びっくりである。
どういうことかというと、このプチプチのクッション1つ1つに穴を開け、絵の具で色をつけた水を注入し、ドット絵を描こうというのである。「メディアアートっぽい!」と思って暖めていた案であるが、「ドット」が「メディアアート」「っぽい」だけである。のんきな思考回路だ。
さてさらっと簡単に「1つ1つに穴を開け絵の具で満たす」と書いたが、各自黙読して手順をイメージしてみてほしい。さあどうする。どうやって「1つ1つ」「穴を開け」「いろいろな色の絵の具を」「注入」できるというのか。まっさきに思いつくのは注射器だ。
プリンタのインクカートリッジにインクを詰める「詰め替えインク」、それに付属している工具セットに注射器っぽいもの(正確には吸引器)があったのだが、これではあのちいさなプチプチ1個1個を破壊しつくしてしまう。
他に何かいいものはないか……と探したら、アクリル板用接着剤のアタッチメントにいいものがあった!
アクリル板は、毛細管現象を利用して、接合面にこのような器具でちゅーっと接着剤を注入するのである。どうだ、今後も使うあてのない、タンス知識が増えただろう。
これなら、先っちょも注射器ほど尖りすぎていないし、プチプチなら1撃で突き通せるしでいいことずくめだ。先ほどのピストンに付け替えて、絵の具をどんどん入れていこう。
変な感触。ふだん容赦なく指先でつぶし倒しているプチプチも、注射針で丹念に絵の具注入、となると非常に気を遣わねばならないことに気づく。非常に頼りないのだ、1粒1粒が。
力の入れ加減、入れる空気・絵の具の量、抜くときのタイミングなど、ここで書いてもしょうがないコツばかりだが、そんな試行錯誤の末にだいたいうまくできるようになってきた。1個につき30秒くらいかかっていたのが、1個5秒くらいまで短縮したと思う。アスリートなら、特番が3週連続でできるくらいのドラマだったはずだ。しかし実際たどりついたメソッドはというとこんなだ。
何せ「プチプチに絵の具を入れる」だからな。
練習として何色かでパターンを作ってみたが、ここまでで1時間以上かかってしまった。
うん、今はまったく想像できないけど、カラフルな大作を目指せば面白そうな予感がする。何と言っても「プチプチの1つ1つに色が埋まってる」ドット絵である。それだけでもなんだか達成した気分なのだ。
さあ大きな作品に挑戦して、日に透かしてみようじゃないか。