科学的な検証法です
物事には必ず例外がある。だから実験は同じ条件で何度も繰り返して行い、その平均で結果を見ることが重要なのだ。学生の頃にそう教えられた。
つまり科学的に言うと、一回のおみくじで末吉が出たからといってそれが今年の僕の運勢とは限らないということだ。たまたま例外を引いたかもしれないじゃん。
と、まさに末吉を引いたあの日、僕はやる気に燃えていたのだが、こうして動機を冷静に文章にしてみるとこれはこれで違うのではないかとも思えてきた。でもすでに2日間費やして10箇所の神社仏閣でおみくじをひいてしまった。南無阿弥陀仏だ。うむ、このまま突き進もう。
なんとしてでもあの末吉を帳消しにするのだ。
おみくじナンバー1:熊野神社
ここをナンバー1としているところからすでに先日の末吉はなかったことになっているように見えるが、そうではない。
今回新たに10回おみくじを引いてみて、それとベースの末吉とを比べてみるのだ。同じならば来年から1回しか引かない。
そもそも僕は初詣でおみくじを引いて大吉が出た記憶があまりない。
去年か一昨年か、そのくらい前に一度引いたことを強烈に覚えているが、あれほど嬉しかったということはきっと他に大吉を引いた覚えがないのだと思う。
今年の僕はそれでは納得しない。科学的に、統計学的に、根性論的に、自分の運勢を占おうじゃないか。
熊野神社は高層ビルの建ち並ぶ新宿の中央公園に隣接しているため、僕が訪れた日もビジネスマンがたくさん参拝に来ていた。正面で記念写真を撮っていたスーツの集団は半分が外国人で、「セイ、チーズ!」と声をかけている。かっこいい。今年はこうありたい。
さてそんな今年を占う僕の運勢だ。最初が肝心だぞ、どうだ。
初回から余裕で大吉が出てしまった。初詣で引いた末吉のことなんて忘れるくらいにうれしい。
熊野神社のおみくじで言われたことダイジェスト。
・紛失物は出てこない。近くを探すといいかも
・待ち人はいい知らせを持ってきます
・願望は辛苦に耐えれば必ず叶うでしょう
今回はせっかくたくさんのおみくじを引くので、吉凶だけではなく中に書いてあることも比較してみることにした。平均したら何か今年を幸せに暮らすヒントが見えてくるかもしれない。ちょっと前になくした車のカギのありかもわかるかもしれない。
しかし辛苦に耐えれば願いが叶うというのは、いきなりかなりゼネラルなアドバイスだなと思った。
平均で大吉をめざします
いくら今年二度目のおみくじだとしても、大吉はやはりうれしかった。もし次の神社でも大吉が出たならば胸を張って「平均で大吉!」と言えるわけだ。
いいイメージを持ったまま次のおみくじへと向かった。
現在の平均運勢 大吉(仮) |
おみくじナンバー2:花園神社
花園神社も初詣客であふれていた。同じ新宿にあるのだが、西口(都庁がある方)の熊野神社に比べ東口(歌舞伎町がある方)の花園神社はずいぶん客層がフランクな感じに見えた(いま歯に衣着せて言った)。
隣で若者の集団がおみくじを引いて「こんなの全部大吉はいってんじゃねえのか!」と騒いでいたのでたぶん全員大吉だったのだろう。
この流れでいくと僕も大吉が出ると思う。
花園神社のおみくじは筒状に巻かれていて、むく時にトイレットペーパーの最初みたいにびりびりになってしまった。なんだろう僕の周りに漂うこの嫌な予感は。
予感は的中。結果は表情で表してみました。
花園神社のおみくじで言われたことダイジェスト。
・紛失物は物の間から出てくる
・待ち人は来る。よろこびがありますよ
・方角は西がいい
吉だが言ってることはありがたい。待ち人に関してはこれまでのところ平均的にやって来るようだ。無くしたものは近くの物の間から出てくるとのこと。どこだ、ポケットか。方角は西がいいとのこと。
現在の平均運勢 (大吉+吉)/2=(小吉と中吉の間) |
2回のおみくじで大吉と吉を引いた。僕が理解しているおみくじのレベルは上から「大吉、中吉、小吉、吉、末吉、凶」なのだが(あってますか?)、大吉と吉では3段階も幅がある。となるとどちらかが例外と見るのが普通だろう。
最初に引いた末吉と吉だと1段の差なので大吉が例外と考える方が科学的っぽいが、そこは無視して次に行きたい。