特集 2025年12月24日

自分とは違う職業になりきってインタビューにこたえると楽しい

先日、インタビューを受けた。「よざさんは根明ですよね」と言われたので、必死に「自分の中の根明っぽいエピソード」を探した。

すると、ずっと忘れていた出来事を急に思い出した。脳の引き出しが開いたのだ。これが大変快感で、謎のアドレナリンが出た。

もっと脳の引き出しをバカバカ開けたい!

自分とは関係ない職業のインタビューにむりやり答えてみれば、より未知の引き出しが開くのではないか?実験してみました。

1990年沖縄生まれ。営業日のお昼休みに(ほぼ)毎日更新する「今日の休憩」というブログを運営しています。

前の記事:岩手の「山のきぶどう」ジュースがいくらなんでも美味しすぎ

> 個人サイト >今日の休憩 >ライターwiki

今日やってみること

簡単にやり方を説明すると

DPZイラスト用.png
①インタビューする人とされる人に分かれ、全く違う職業の人に聞く質問をする
②された人は、聞かれた職業になりきって答える。が、内容で嘘をつくのは禁止

 ということです。

ライター仲間の日西さんと鳴海さんと一緒に実験します。2人とも「意味はわかったけどできるかな…」と少し不安そう
いったん広告です

やってみよう

まずは鳴海さんに「カメラマンへの質問」をぶつけてみることにした。

「どうしてカメラマンになろうと思ったんですか?」

鳴海「僕がカメラマンになった理由は………」
めちゃくちゃ考えている。鳴海さんはカメラマンではなく会社員なのでそりゃそうだ

やっぱりむずかしいか、と諦めかけていると

鳴海「……父が実は元々カメラマン志望で、大学でもカメラを学んでいました。僕は少年野球をやっていたんですが、お父さんが毎回でっかいカメラを持って試合にきていました」
急にめちゃくちゃ話し出すのでびっくりしてしまった。てか鳴海さんってお父さんいたんだ
鳴海「少年野球チームを卒業するときに、お父さんが今まで撮った写真をパネルにしてみんなに配っていたんです。その写真のパネルを渡された同級生たちが本当に喜んでいて……だから僕もカメラマン、ですかね(ここだけ嘘)」
想像よりずっとカメラマンっぽい話だったので笑ってしまった。しかしお父さんの話は本当らしい
あまりのリアリティに
日西「えっ鳴海さんってカメラマンでしたか?」鳴海「違うよ」
変な会話まで起きてしまった

その後も「お父さんめっちゃかわいい」「鳴海さんって家族いたんだ」「普段もっとそういう話してくださいよ」と盛り上がる。

鳴海さん自身も、この出来事をかなり久々に思い出したらしい。脳内を「カメラマン」というワードで必死に検索した結果、急にひらめいたそうだ。

日西「私のお父さんもでっかいビデオカメラ持ってた!」隣の人まで過去を思い出している

これもう1人だけではなく、同じ質問にみんなで答えた方がおもしろいのでは? みんなでやってみよう。

いったん広告です

みんなであけよう脳の引き出し

次の質問は「猟師になったきっかけは?」になった。

全員、猟師になった気持ちで、でも嘘はつかずに答えてみる。

日西「おばさんが山にある保養所の管理を住み込みでしていて、よく遊びに行っていました。たらの芽などの山菜が取れたり、自然薯が自生していたり……。自然を食べることが当たり前だったんです。その影響が大きいですね」
鳴海「猟師すぎるだろ!」あまりの猟師具合に笑ってしまう。一方鳴海さんは「ジビエを食べる人の本が好きで…」と最近の話をし「それじゃ弱いですね」と日西さんにマウントを取られていた

そんな中、私は「猟師」というワードを起点に小さい頃の記憶を思い出していた。

父がボーイスカウトの出身だったため、幼い頃からサバイバル術をかなり叩き込まれた
よざ「今日は海で魚を取ってこないと、夕飯なしって父が言うんです。泳いで魚を探したけど、ハリセンボンしか取れなくて、それを味噌汁にしてもらって食べました。他にも食べられる貝を見分けてかき集めたり……。大変だったけど達成感もあって、自分で取ったものを食べるっていいなって思いました」
「猟師の子ども時代の話じゃん」2人が爆笑してしまった。久々に思い出した話だし、2人に話すのははじめてだった

嘘の質問に答えようとしただけで、父親との思い出をわんさか思い出した。これだけでも脳が楽しいのに、話すと友達が笑ってくれる。なんだこれは、楽しすぎるぞ!

いったん広告です

やってみてわかったこと

この後も私たちはこの嘘インタビューにのめりこみ、1時間半ずっと職業を変えて答えて笑ってを繰り返した。

いっぱいやってみてわかったことは

①ちょっとでも近い経験があるとそれっぽく見える

インタビューに答えるように話すと、嘘でも本格的な雰囲気が出てしまう。少し関連した経験があるだけでそれっぽく見えて面白かった。

また、服も職業に似ているとさらに雰囲気がでて笑ってしまった。

女子プロレスラーになったきっかけに答えるスウェットの私(左)と、スタイリストになりきる鳴海さん(右)どちらも服の印象が近かったので盛り上がる
②こんな機会でもなければ話す機会がないことを喋れる

 私たちは社会人になって出会ったので、飲み会でもよく仕事の話や、インターネットでのあれこれをよく話す。

が、この遊びだとひたすら原体験っぽいことを喋ることになるので、「過去の話」や「家族の話」などが出てくる。

まだ知らない友達の一面を知れて楽しく、自分もよりわかってもらえてハッピーだった。

「ジョッキーになったきっかけは?」の質問に「東京競馬場が家の近くで、さらに小学校の頃好きだった男の子の夢が馬主で憧れた」と答える日西さん。馬主になりたい子を好きだったの笑う
同じ質問に「…実は午年生まれで…」と答える私。この場合は「さすがにそれはない」と一蹴されて終わる(それも楽しい)
③脳の引き出し開きまくりでアドレナリンがでる

やっぱり一番はこれだ。懐かしい曲を数年ぶりに聴くと「あぁー!」と脳が喜ぶように、懐かしいことを思い出すのはかなり気分が良くなる。

しかもいつも思い出すお決まりのものではなく、本人も予想できないことが思い出されるので本当に楽しかった。

「卓球選手になったきっかけは?」と聞かれた途端、大学時代に流行った「飲み卓球」というゲームの存在を10年ぶりに思い出し興奮する鳴海さん。1点入るごとにショットの酒を飲むルールだそう。最悪すぎる
④自分の人生分岐点が見えておもしろい

「相撲取りになったきっかけは?」 をみんなで考えたが、全員テレビで見たことがあるだけだった。これがたとえば、地元で相撲が盛んで…とかならまだそれっぽかっただろう。

全員相撲に触れる環境がほぼなかったのだ。私たちが相撲取りを目指す確率ってかなり低かったんだな…と話した。

また、日西さんが自然系のエピソードの全てを「保養所のおばの家で…」と返していた。日西さんの人生において、保養所のおばが与えた影響は大きそうだ

自分はいま子育て中なので、そうしたいろんな経験ができる場所が身近にあるっていいことなんだな……と教育のことなどを考えてしまった。嘘インタビューなのに…。


止まらないインタビュー

思い出す快感、嘘を演じる非日常感、わかってもらう嬉しさ、いろんな楽しみが押し寄せるいい会だった。

自分はライターなのでインタビューする機会がたまにあるが、まったく違うことも聞いてみようと思いました。

楽しすぎて駅でわかれるギリギリまで嘘インタビューで遊んだ。みなさんもぜひ話題に困った時などにやってみてください
編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
與座さんが考えるこういうゲームは「やってみたいな」と思ってしまいます。 嘘をついたらなんとでもこたえられるけど、「嘘をつかずにこたえる」というところがいいですよね。
與座さんの幼少期にサバイバル術を叩き込まれた話は、猟師エピソードにピッタリすぎました。(橋田)

▽デイリーポータルZトップへ

記事が面白かったら、ぜひライターに感想をお送りください

デイリーポータルZ 感想・応援フォーム

katteyokatta_20250314.jpg

> デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」が届きます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ