いいものを作るにはまずノギス
石川:手で使う系の工具で気に入っているものは?
斎藤:一番良く使うのはデジタルノギスですね。何かにつけて長さを測りたくなるんですよ。
石川:測りたくなる?
斎藤:なにか部品があって、ちょうどそれに合うサイズの部品を3Dプリンターで作ろうと思うと、サイズを測る必要があります。そういう作業をけっこうやるので。
石川:3Dプリンターやレーザーカッターを使おうと思うと必需品ですね。
斎藤:定規と違って、0コンマ何ミリ単位で測って調整できるのがいいところです。使わないと良いものはできないな、っていう工具。
ニッパーは握り心地にこだわる
斎藤:あとは普通の工具ですけど、気に入ってるのはこのエンジニアっていう会社のニッパーですね。ニッパーいっぱい持ってるんですけど、なぜかこれが使いやすくて。触り心地がいいんですよね。
石川:ニッパーの触り心地、気にしたことなかったな。
斎藤:圧着ペンチっていう、コネクターの端子をかしめる工具もあるんですけど、これもエンジニアのこいつがすごく良くて、グリップ部分の触り心地がすごいいいんですよ。
石川:そっちは持ってる。エンジニアのやつ、角張ってますよね。
斎藤:角張って模様が入ってます。
石川:トランスフォーマーみたいな模様が。
斎藤:すごい質感がいいんですよ。好きで、なんにもなくても握ってたりします。
石川:それはだいぶ好きですね。
斎藤:ちょうどいいんですよね。ここのグリップの握り具合と質感、バネの良さが。
石川:握って寝たい工具、第一位だ。ニッパー何本持ってます?
斎藤:サイズ違いで5本くらい。
斎藤:これ(左上)はタミヤのプラモデル用ニッパー。ちっちゃいので使いやすくて。あとKEIBAのニッパー(右上)。これもけっこうバネがいいですね。
石川:また握りごこちへのこだわりが。黄色いの(右下)は僕も持ってます。gootの。
斎藤:ピンを切った時に跳ねないやつですね。
※ピンを切ったときに跳ねない……細かい針金などを切ったときに、切れ端が衝撃で飛んでいったりする。危険。
石川:そうそう。自動で掴んでくれるんですよね。便利。
斎藤:あとこっちのデカ目のやつ(下段中央)は、ちっちゃいのだと刃こぼれするようなものを切る用。別の場所にもっと大きい電工ペンチもあります。ニッパーとラジオペンチは必需品ですね。
石川:どうやって使い分けるんですか?
斎藤:何を切るかでまず刃のサイズが決まるじゃないですか。それプラス、ピンを切るんだったらピンが飛ばない機能付きが良いですし、もう少しでかいプラとかを切るんであれば、このぐらいのが使いやすいとか。そういう感じ。
石川:ちゃんと使い道があっての5本なんだ。
基板に使うアイテムいろいろ
石川:このテープは?
斎藤:絶縁するためのテープで、カプトンテープといいます。これはよく使いますね。
石川:何に使うんですか?
斎藤:基板をはんだ付けしたあとにむき出しで置いちゃうと金属に当たってショートすることがあるので、危なそうなところにはこのカプトンテープを貼ります。
石川:安全対策だ。
斎藤:あとよく使うのがこれですね。これは銅線ですけど、はんだ付けの熱で溶けるやつ。
石川:UEW線(ポリウレタン線)ってやつですかね。普通の銅線は手で被膜をむかなきゃいけないけど、これははんだごてを当てるだけで被膜が溶けるんですよね。
斎藤:ですね。これはめちゃくちゃ使いますね。基板の裏の配線をする時はこれを多用します。こっちは、はんだ吸い取り機。
※はんだ吸い取り機……間違ってはんだ付けしたり、部品を取り外したいとき、はんだを吸い取るための道具。はんだごてで溶かしながら吸う必要があるので手が足りなくなる。
斎藤:スッポンってやつなんですけど、これじゃなくておすすめはこっち。知ってますか?
石川:知らない。電動ですか?
斎藤:はんだごての先に穴が開いたような感じです。
石川:もしかして溶かしながら吸える?
斎藤:そうです。
石川:それはめちゃめちゃいいですね!
斎藤:はんだシュッ太郎っていう名前なんです。
石川:名前は聞いたことあります。はんだ外すときって、溶かして吸って溶かして吸って何往復もしなきゃならない感じになるから。これはすごくいいですね。
斎藤:はんだごては皆さん持ってるFX600ですね。
石川:全員持ってるやつだ。大定番ですね。僕も使ってます。
電動でヤスリをかけたい
石川:リューターは?
※リューター……ルーターともいう。ハンディサイズの回転工具で、穴あけドリルにしたりヤスリがけに使ったり回転刃をつけて切断したりとマルチに使える。
斎藤:リューターはけっこう使いますね。プロクソンの普通のやつですけど。
石川:レーザーカッターと3Dプリンター持っていたら、リューターってそんなに使わなくないですか?
斎藤:穴開け用にドリルとして使うことが多いですね。あとはヤスリ代わり。
これもけっこう好きなんですけど、プロクソンのペンサンダー。
斎藤:ヤスリがけの道具ですが、回転じゃなくて往復振動するやつです。自動で削れる。
石川:うわ、便利すぎる。
斎藤:これは便利ですよ。コードレスで。
石川:専用のヤスリがある?
斎藤:専用のやつも付いてますし、普通に紙ヤスリ切って貼ってもいけますね。
石川:それでいいんだ。
斎藤:けっこう便利。3DプリンターのPLAってめちゃめちゃ硬いんでヤスリで削れないですけど、これでがんばるとギリギリ削れる。
石川:それはいいな。やすりがけってめちゃくちゃだるいじゃないですか。それ買います。絶対買う。