謎の資金5000垓円を持っているので、鉄道敷き放題
まずは、ぼくがグーグルマップで作った妄想路線図、江ノ島モノレール新線構想をみていただきたい。
日本にふたつある懸垂型モノレール路線のうちのひとつ、湘南モノレールは、大船駅と湘南江の島駅を南北に結ぶ、1路線が運行しています。
その湘南モノレールに、東西を結ぶ東西線と、辻堂の海水浴場から辻堂駅を抜け、慶應湘南藤沢キャンパスを経由して湘南台まで向かう路線の2つを新設してみました。
ぼくは、妄想路線図で鉄道路線を建設するにあたり、次のルールを決めています。
① 理由は不明だが、自由に使っていい資金が5000垓(がい)円ある。
② 住民は素直に立ち退きに応じる。(立ち退き料ひとり1兆円もらえるから)
手持ちの資金は5000垓円、つまり500,000,000,000,000,000,000,000円です。5000兆円よりもめちゃくちゃいっぱいあります。
もう、ほぼ無限にあるといっていいでしょう。ですから、住宅地にズバーっとまっすぐ線路を引いて100兆ぐらい使ったとしても、499,999,999,900,000,000,000,000円も残っています。計算というか、数字の表記合ってるかな。
とにかく、そういう前提で自由に線路をひいたら、こういう路線を開設したい。という妄想で自由に鉄道路線を作るわけです。
で、湘南モノレール東西線です。
資金は豊富にあるので、とにかく線路をひきたいようにひいたのですが、こだわりとしては、こちら。
柳小路あたりから、湘南深沢に至るまでは、境川と柏尾川の上を懸垂式モノレールを走らせます。つまり、ドイツのヴッパータール空中鉄道のように、川の上を懸垂型モノレールがスーッと走るわけです。かっこいいでしょう。
後もうひとつのポイントは、16番の梶原口駅から、21番の鎌倉駅前までは、周囲の景観に配慮するとともに、土地が狭いので、大深度地下までモノレールを潜らせて地下モノレールを作りました。
地下鉄の懸垂式モノレール。なかなか胸がアツくなりませんか。
こんな感じで、グーグルマップを使うと、イラストレーターやフォトショップが使えなくても、気軽に新規路線の建設と路線図の作成ができてしまうわけです。
グーグルマップで妄想路線図をえがく方法
では、具体的にグーグルマップをどのようにいじったらえがけるのか、説明します。
まず、グーグルアカウントを作り、グーグルマップにアクセスし、マイマップを作ります。
続いて、鉄道会社名、それからレイヤーごとに建設する鉄道路線を決めていきます。
続いて、マーカーを「この辺に駅をおきたいな〜」と思う場所にどんどん置いていきましょう。駅名は後からつけてもかまいませんが、置くときに決めちゃったほうが面倒くさくなくてよいかもしれません。でかい学校の近く、団地や住宅地の中、公共施設、観光資源のある場所などを結ぶとそれっぽくなると思います。
駅を置き終わったら、こんどはその駅の始発から終点までをラインで結びます。
ラインが引き終わったら、今度は駅のマーカーの個別スタイルを「続き番号」にして、ラインの線を太くします。
続いて、他の路線を追加します。その場合は、レイヤーを新規に作ります。
こうやって作った路線図は、共有設定をオンにすれば、ネット上で共有することもできるわけです。
というわけで、ぼく以外の人にも妄想路線図を作ってもらって、みんなで鑑賞しあうことにしました。
参加してくれたのは、編集部の古賀さん、ライターの三土さん、そして、三土さんのご長男で中学一年生の祐(ゆう)くん。祐くんは、子供の頃から鉄道が大好きで、そのまま鉄道に飽きることなく、中学校では鉄道研究部に入ったというほどの鉄道好きです。
中学校に入っても、好きなものに飽きないところは頼もしく、将来が楽しみです。
あと、これはどうでもいい話ですけど、中学校に鉄道研究部があるのは、田舎の公立中学校に通っていたおじさんにとっては、めちゃくちゃうらやましいです。
もしも、世田谷区が政令指定都市になって地下鉄を建設したら?
さて、さっそくですが、まずはわたくしから路線図を紹介します。わたくしが考えましたのは「世田谷市営地下鉄」です。
世田谷区は、人口がすでに93万人を越えています。西隣の狛江市を合併すると、ちょうど100万人ぐらいになるはずです。
そこで、狛江市を合併した世田谷区は、世田谷市として政令指定都市に指定されます。
政令指定都市になれば、地下鉄のひとつやふたつあってもおかしくない。ということで、世田谷市交通局が発足し、区内の鉄道空白地帯を埋めるべく、地下鉄が整備された……という設定で、世田谷市内に地下鉄を整備しました。それがこちらです。
西村:路線のねらいとしましては、世田谷にある鉄道空白地帯を、細かく結ぶということを目指して建設いたしました。
三土:これ、路線はどんなところにひいてるんですか?
西村:するどい質問……基本的に、道路や道の下に線路がくるように引いているつもりです。が、住宅地の地下も通っています。でもこれは、大深度地下(40メートルより深い地下には地上の地権が及ばない)を使って、用地買収なく線路を引いた……という設定です。道路が陥没しない最新技術を使ってます。
古賀:世田谷市営地下鉄、これ、めちゃくちゃいいですね! うちの近くにも地下鉄駅ができて、地価上がりそうでうれしいです……、ところでこれ電車は何両編成ですか?
西村:車輌編成までかんがえてなかった……うーん、丸ノ内支線ぐらいかな? 祐くん、丸の内支線の車輌、何両編成か知ってますか?
祐くん:丸の内線と乗り入れているのは6両編成ですけど、支線の中をいったりきたりしてるのは3両編成です。
西村:さすが即答! 口先だけで鉄道好きとかいってるおじさんとはちがうな……。
西村:灰色の若林線は、野沢や下馬から、若林を通って東松原から渋谷ではなく吉祥寺方面へ抜けます。でもこれ、吉祥寺に乗り入れできてうれしい人いますかね? この灰色の路線はちょっと調子にのりすぎたかしらと思ってしまったんですけど。
古賀:いいんじゃないですか? 吉祥寺大人気ですから
西村:基本的に、ほとんどの路線は、京王線や東急線と乗り入れしてますけど、あくまで市営地下鉄なので、市外へ鉄道がはみ出ることはないです。例えばここも、自由が丘駅に乗り入れしたかったんですけど、自由が丘は目黒区なので、手前の九品仏で接続し、奥沢駅で東急目黒線に乗り入れしています。
西村:区境の壁は高い……。という、設定です。
千葉の横軸がないところに線路をひきたい
さて、つづいては、祐くんの考えた鉄道路線をみんなでみてみたいと思います。
西村:千葉と霞ヶ浦を結ぶ鉄道だ。なるほど!
祐くん:千葉のこの辺って、成田線の支線、成田空港線、京成の路線があって、横の軸が何本かあるんですけど、縦の軸がないんですよ。
古賀:そう言われると、縦に結びたくなるね。
祐くん:あと、このあたりにニュータウンとかあって、鉄道で行けるようになると儲かるんじゃないかなって思いました。
古賀:経済の発展を考えて。
西村:たしかに。千葉の北総線とか、駅ごとにニュータウンとショッピングモールあるから、普通は車で行くんだけど、電車でいけるようになると、おじさんみたいな車の免許もってない交通弱者にとっても便利だよね。
古賀:コストコあるじゃないですか! コストコ電車で行きたい。
西村:あと、このあたり、木下って書いて「きおろし」って読むんですけど、利根川水運の河岸があったところで、昔はすごく栄えたんですよ。で、ちょっと古い町並みなんかが残ってて、観光開発すれば、それでも人がきそうなきがするんですよね。
古賀:これ、地下鉄なの?
祐くん:うーん、べつに住宅が密集してるわけじゃないから、郊外は地上でもいいかな。
西村:そうだね、郊外は地上に出しちゃおうか、千葉市内の千葉大学があるへんは地下鉄にしよう。つくばエクスプレスみたいに。
西村:祐くんがここに鉄道を引いたのは、思い入れがあるというか、住んでからこうしたいとかそういう理由はあるの?
祐くん:いや、とくになくて、なんとなく地図をみてたら、この辺に鉄道があったら便利かなーと。
西村:いいね、住んだことなくても、そういう目線で地図を眺めるとおもしろいよね。おじさんはいつも「もしこの辺に住んだら」とか「この辺に鉄道敷いたら」とか「ここに運河作ろう」とか、そういうこと考えながら地図眺めてるからね。ちょっときもいね。
西村:難しいところとか、わからなかったところはある?
祐くん:これ、本当は2路線に分けたかったんですけど、色がどうしても同じ色になっちゃうんです。
西村:あ、これ、2路線なんだ。龍ケ崎で路線が別れてるんだ。
西村:これは、駅のマーカーとラインを別のレイヤーに分けてまとめると色が変えられるようになるよ。
祐くん:なるほど!
西村:龍ケ崎で別れてるのかー。いいね、関東鉄道に5000垓円渡して鉄道作ってもらおう。
路面電車の環状線(船あり)
つづいては、三土さんの路線図をみせてもらいましょう。
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