デジタルリマスター 2023年6月7日

水の傘をつくる(デジタルリマスター)

そろそろ水遊びの季節だ

台所でスプーンの表に水を当てると、水がぶわーっ!って傘のように広がったりする。あれ、もうちょっと大きくしたら中に入れそうだ。

いつかそれをやりたい……、と思っていたのだが、いかんせん場所がない。外で、水がいっぱい使えて、ぬれてもいい自由な場所。プール、公園、海……どれもどれかの条件に難ありなのだ。

2008年7月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

前の記事:都市登山(デジタルリマスター)

> 個人サイト ツイッター(@mitsuchi)

最初にスプーンを選ぼう

などと書いておきながらなんだが、場所については実は意外な形で解決することになった。流れ上、まずはどうやって水の傘を作るかについて考えることにしよう。

考えるのは、どんな形のものならより大きく広がるかだ。いくつか用意して試してみよう。

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左から、ふつうのスプーン、大きいスプーン、おたま、小皿。

ふつうのスプーン

最初は台所の流し場でスプーンに水をあてて試していたのだけど、水の膜が流し場の壁にあたってしまって全体の大きさがよく分からない。

そこで、お風呂場に移動した。お風呂でスプーンという場違いな感じがまた楽しいじゃないか。

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でかいスプーンみたいになった

ちょうど真ん中に水をあてると、膜はスプーンの形をそのまま拡大したみたいになる。

なるほど!台所でもほんとはこういう風に広がろうとしていたはずなんだ。なのに壁にぶつかって不完全な形しか見えてなかった。なんというか、あれだ、虹が本当は真円なのに地面に隠れて半円に見えるみたいなものじゃないだろうか。

そしてもうひとつ、水を当てる場所によって膜の広がり方が違うということも発見だった。

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先っぽに当てると、丸く広がる
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根元に当てると、細くとがる。

うーむ。面白いじゃないか、台所でスプーンを洗ってるときは、水をあてる場所をずらしたりまではしなかったからなあ。

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大きなスプーン

次は、一回り大きなスプーンを試してみたい。なにしろ最終目的はこの傘の下に自分が入ることなのだ。より大きい傘をつくりたいじゃないか。

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ほんの一回り大きくなった

一回り大きなスプーンでできる膜の大きさは、ほとんど変わらなかった。ちょっと意外である。でかけりゃいいってものでもないのか。

おたま

次はおたまだ。これには実は期待している。だって台所でおたまを上向きで洗ったら大変なことになるでしょう?ぶわっ!てなるのが目に見える。

けれど幸いここはお風呂場なのだ。おたまには今こそその真価を発揮してもらおう。

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こりゃだめだ

試してみて初めて分かることもある。人生はその連続じゃないだろうか。

おたまはどうも底が深すぎるらしい。水がほとんど真上に跳ねてしまって、傘のようにはうまく広がらないようなのだ。残念。

小皿

最後は、一番広くて底も浅い小皿を試してみよう。

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ありゃりゃ

だめだった。水を受ける部分が広すぎると、膜が均等に広がっていかない。ためしにお盆でやることを想像すると、確かにうまくいかなさそうだ。

大きなスプーンでやるのがよさそうだ。でも場所は?

ここまでで、使うものは実はふつうのスプーンが一番よさそうだということが分かった(それでも、自分がその水の傘の中にすっぽり入る、というところまではいかなそうだけど)。

となると、後は実行する場所だ。

お風呂場でやるという手もあるにはある。でも、ほら、なんか楽しくないじゃないですか。せっかくなら外でやりたいのだ。

ここから人間関係の話になります

と思っていたら、妻から「実家の庭を使えばいいよ」と提案が。……なるほど。ありがたい気遣いである。悩むぼくの姿を見て助け舟を出してくれたのだろう。

しかしここは冷静に考えたい。「妻の実家を水びたしにする。目的はスプーンで水の傘をつくるため」って人としてだめじゃないのか。その意味不明な理由はなんだ。しかもそれを常に恐縮の対象であるお義父さんに説明しなきゃならない。

しかし他に思い当たる場所もない(うちの実家は庭がないです)。提案どおり、庭を使わせていただくことしようと思った。

⏩ 次ページに続きます

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