賢すぎる最新自動ドア
取材の最後に、最新の自動ドアを見せてもらった。今年発売された「NATRUS+e W」というモデルである。
見た目は普通の自動ドア。さっきの話にもあったように、1メートルほど手前でも反応するのだけど……
ドアのすぐ前を横に通り過ぎても開かない。あれ……!?
ホント……? と、自販機に向かって歩いてみるけども開かない。
えいっ、とフェイント気味にドアへ直角に曲がったら開く。
どうなってるんですかこれは(笑)
森さん 赤外線センサーと画像センサーを組み合わせて、人の動きを判断しているんです。4メートル×5メートルに広がった検知エリアで、「この人はドアに向かっている」「何秒後に来る」というのを計算して開くようになっています。
だから横に通り過ぎても「ドアに向かってこない」と判断して開かないのだ。賢すぎる。
高齢者や車いす利用者のように、ゆっくりドアに近づいてくる人の場合は、ドアに近づいたところで開くようになっているそう。
ゆっくりゆっくり近づくとこの辺りで開く。もっと手前で開いてしまうと、ドアを通り抜けるまでに時間がかかり、そのあいだに外気が入ってしまうから。
小池さん 誰も通らないのに開いたままになる「ムダ開き」を無くすことで、外気の流入を抑えることができます。屋内にいる方のストレスを減らせますし、空調の消費電力も減らせてエコにもつながるんです。
なるほど……。ちょっと待ってください、検知エリアが広がったということは、僕みたいな早歩きの人が近づいてきたときは早く開くってことですか……?
森さん そうですね。早めには開きますが……。
小池さん とはいえ、くれぐれも開いたことを確認してから通るようにしてくださいね!(笑)
わかりました!
すっかり浸透した「自動」
自動ドアステッカーは引き戸タイプができて生まれた、という話があったけど、現在は折り戸タイプなど、引き戸以外のものでもあのステッカーが貼ってあるという。
森さん 折り戸も左右に開きますし、このステッカーで「自動ドア」だと直感的にわかっていただけますので。
ステッカーには「自動」としか書いていなくても、僕らはこれが「自動ドア」だとわかる。50年以上の月日を経て、日本にすっかり浸透したのであった。
そうそう、ナブテスコの自動ドア製造拠点である甲南工場には、自動ドアのショールームがあり、工場内もほぼすべてのドアが自動ドアなのだそう。会議室もトイレも自動ドアなんですって。見たい!
おみやげにシールをもらいました。これで家中のドアが自動ドアだ!