今回の結論
・鏡の反射は6枚目くらいまではなんとかなるし、工夫次第でもっといけるはず
・6枚反射させると相手は火星の岩みたいに見える
・なんかやっぱりちょっと怖い
・離れた人とは電話やメールを使うのが良さそう
ここまでは一つの机の上だけで済んだ。まさに机上の空論(まさに?)。4枚目から我々は、現実世界の荒波を乗り越えていく。
用意してある鏡は6枚。ゴールが見えてきた。しかし、5枚目からはいよいよお互いが死角に入るので、難易度が上がる。
死角にいる相手への指示をどう出せばよいのか、頭が混乱してしまう。鏡の中の相手がこちらの感覚と違う動き方をするので、「唐沢さん、もう少し右…違った左…いや、後ろに下がって!」などと大騒ぎである。
さあ、最後の1枚だ。ここまでで分かってきたことが幾つかある。まず鏡の配置の問題。多くの人は「鏡を反射させていく」と聞いたら、林さんが描いてくれたイラストのような配置を想像すると思う。
しかし実際にやってみると、そう簡単ではないのだ。ほとんど真横と言っても良いくらいの配置にしないと上手く反射しなかったりするので、色々探りながら鏡の位置を決める。
それと人間が鏡を持つと僅かな手振れが大きなズレを生み出してしまうので、鏡はなるべく固定した方が良いことも分かった。
だがさすがに6枚も反射を繰り返すと、色々工夫してもなかなか相手を捉えることは出来ない。
だが大きな壁を前にして、我々の結束力は最高潮に達した。
そして遂にその時は訪れた。
林さんが「火星の岩みたい!」と叫んだ。鏡を6枚反射させると、相手は火星の人面岩みたいに見えるのだ。レンタルルームが宇宙になった瞬間である。
用意した6枚の鏡すべてを使って実験は成功した。この成功体験による達成感は、当初300mという設定だったことや通信革命のことを忘れさせるのに十分なものだった。今思えばここでやめておけば良かったのだ。
だが、この日林さんが持ってきていた腹話術の人形が目に入ってしまった。
なんとなく不問に付していた「合わせ鏡の不吉さ」が一気に前面に出てきてしまい、なんかもう、全部片付けた。
・鏡の反射は6枚目くらいまではなんとかなるし、工夫次第でもっといけるはず
・6枚反射させると相手は火星の岩みたいに見える
・なんかやっぱりちょっと怖い
・離れた人とは電話やメールを使うのが良さそう
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