デジタルリマスター 2023年2月15日

海抜0mからの富士登山(デジタルリマスター)

10:50-左富士は姿をあらわさぬ

田子の浦から旧東海道に入り、そのまましばらく工場街を歩いて行く。 街の景色にも少々飽きてき始めたその頃に、 「左富士」と書かれた標識が目に止まった。

ここは名勝、左富士。 江戸から東海道を下ってきた旅人は、それまで道の右手側に富士山を望んで来るのだが、 道が緩やかに北東に蛇行するこの地において、 唯一、道の左側に富士山が見えるようになる、というのだが……

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名勝「左富士」
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……って、左富士、どこ?

残念ながら、どこを見ても富士山の姿は無かった。 曇りだからというのもあるのだろうが、しかし、目の前にあるのはこの工場。 たとえ晴れていても、本当に富士山が見えるのだろうか?謎だ。

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11:10-東海道の宿場町、吉原宿を通過

左富士を過ぎ、歩き始めてから一時間を過ぎた頃、 たどり着いたのがかつての東海道14番目の宿場町、吉原宿。 ここの標高は12m。まだ山を登っているという実感は全く無い。

現在、吉原宿はアーケードのかかる普通の商店街となっているが、 それでもなお商店で売っている味噌や漬物などが、 わずかながら宿場の風情を漂わせている……ような気がする。

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今では普通の商店街となったかつての吉原宿
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なんでこんなことになってしまったのか、という感じのお宅

吉原宿の商店街を過ぎてからは、しばらく道は住宅街の中。 途中、伸びすぎた朝顔に前面を支配された、 なんだかとんでもないことになっているお宅を横目に、地図に沿って歩いて行く。

そんな感じで30分。さすがに一時間半以上もぶっ通しで歩いていると、幾分疲れが出てくる。 とりあえず、ふと目に付いた神社で一休み。その神社の名は、富士六所浅間神社という。

浅間神社とは、富士山を祀る神社のこと。 浅間神社自体は富士山周辺や関東地方のあちらこちらにあるのだが、 しかしこの神社には少々妙な雰囲気が漂っていた。

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一見すると普通の神社
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巨大な火山弾があるのは富士山の麓ならではか
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ん?!こ、これは、のび……?!しず……?!
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……ピ、ピカ?!

なぜかは知らないが、この神社の境内にはアニメキャラクターの石像ばかり並んでいた。 しかも、なんだかディティールが怪しいものばかり。 脱力感を覚えつつ、私は再び歩き出す。

休むつもりがなんだか逆に疲れてしまった。 太陽は雲が隠してくれているが、それでも十分に暑い。 喉もカラカラだ。

あぁ、カラカラだ。

⏩ 次ページに続きます

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