デジタルリマスター 2024年3月30日

チョコで“おちょこ”を作ったよ(デジタルリマスター)

来週だかに、バレンタインデーがやってくるらしい。今年も14日だそうだ。
……ってくらい、こういう行事に年々疎くなってきた。でも確か、チョコが飛び交う行事だったかと思う。

チョコが飛び交う・・・取り交わされる…酌み交わされる…お猪口(ちょこ)で酒が酌み交わされる。
チョコ≠ちょこ。いや、チョコ=ちょこだ。うん、ちょこだな。というわけで、チョコでおちょこを作って酒を飲んでみた。

2011年2月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

前の記事:ヨーヨー“犬の散歩”をゾートロープでこなしたい(デジタルリマスター)

> 個人サイト 妄想工作所

おちょこ製造ラインができあがる

どこでもらったか全く忘れたが、うちにザ・猪口とでもいうようなおちょこがあった。これの型を取って、そこにチョコを流し込んでちょこを作ろう。ああややこしい。

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きくまさぁぁぁんむぅねぇーん、と歌いたくなる。

型を取る、とひとくちに言ってもだ。このようなお椀型のものを型取りして、チョコを流し込んで成形するにはどうするか。言葉ではややこしいのでだいぶ省くが、下図のようにプレス方式で生産することにした。この図に沿って、さっそくシリコーンで型取りだ。

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よく考えたらこんな適当な図を描かなくても凹凸という字だけで説明できたか。
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油粘土を敷いて猪口を固定し、ブロックで壁を作る。
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そこへシリコーンを流し込み、まずは下側の型(凹のほう)を作る。

8時間後……、一晩明け、シリコーンが固まった。ひっくり返して、土台の油粘土を取り去る。今度は上側の型(凸のほう)を作る。

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このまま注ぐとシリコーン同士くっついてしまうので、離型剤としてメンターム的なものを塗る。
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上側(フタになるほう)のシリコーンを注ぐ。地味な作業。

地味な上に、またも8時間後……、すっかり日は落ちて、シリコーンが固まった。そうしたらブロックを取り去って、型を上下にパカッと分けてみよう。

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お猪口内側に充満したシリコーンの、摩擦係数ハンパない。
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今後汎用性のなさそうでありそうな、お猪口のシリコーン型、完成。
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はかなき器

この凹のほうに、猪口、じゃなくてチョコを注ぐ。ああややこしい。

どれくらいの容量が必要かわからないが、少なかったら目もあてられないので多めに注ごう。おっと、型を洗って、油を塗るのを忘れずに。

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毎度おなじみ、湯せんにかけたチョコレートを注ぐ。
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フタをしっかり閉め、冷蔵庫へ。

こうして外にチョコがはみ出るくらい注げば、大丈夫だろう。後ではみ出た部分を取るのは大変かもしれないが、バリ取りは好きだ、任せろ。

しっかり固まるよう、念には念を入れて冷やしたい。冷蔵庫に入れたこと自体を忘れるために他のこと(YouTube閲覧、たまに仕事)に時間を費やし、1時間か2時間か3時間。さてもういい加減固まっているだろう。理論的にはチョコちょこができているはずである。

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前もって油塗っておいたのに、これがまた摩擦係数高くて高くて、油をじっとり流し込んでやっと取れた。
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バリが邪魔になると思うので先に取っておこう。
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そして、パカッと。失敗は許されない、緊張の一瞬。

ここで変に型に力を入れると、チョコが割れてしまうかも……、と危ぶみつつそろそろと進めるも、やがてポコッ!手に伝わる意外な堅牢さ。チョコちょこができていた。

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チョコちょこ ~ meijiチョコ焼 乙幡啓山 作
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高台に多少の欠けはあるが、まあこれも味であると主張したい。

想像以上に、チョコちょこだ。そのトンチキな名前とは裏腹に、陶器のような実に深きたたずまい。

陶芸家は、出来上がった作品に不満があればその場で叩き割るという。啓山には特に不満はないが、さっそくこれで酒を飲んじゃおうと思う。

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おちょこmeetsブランデー。
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「おっとっと」ブランデーを思わず迎えに行ってしまうのだった。
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飲みながら器もいただく。イカ徳利みたいなもんですな。

お味は「ポッキーオンザロック」や「スナックでキスチョコつまみながらブランデー」といった様子を思い出していただければと思う。まあ、チョコと洋酒の味だ。

「チョコで器なんて!」と興奮したが、よく考えたらビン型のチョコにウイスキーの入った菓子も同じようなものだったと思い返す。「チョコちょこ」って言いたかっただけでした。

実は、チョコがちょっとシリコーン臭かったので、あまり真似しないでいただければと思う。

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