はじめに
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ライターに地元のうまいものを紹介してもらうコーナーが終了しまして、今回から新コーナーです。昔からずっとある店を紹介してもらいます。2回目は編集部の安藤からです。
安藤昌教
第7ギョーザの店、金沢市
学生の頃、石川県の金沢市に住んでいた。そこにいた6年のうちの、どれだけの食事を第7ギョーザの店で食べたことか。
友だちとも行ったし彼女とも行った、一人で行ったことももちろんある。忘年会の帰りに教授に連れていかれたのも覚えている。教授もきっと一次会では食べ足りなかったのだろう。
先月、金沢マラソンに出るため、当時のクラスメイトといっしょに金沢入りした。前日の夜にみんなで何食べよう、と考えた時、まず浮かんだのが第7だった。第7行こうぜ。いいね。20年ぶりに会った友だちは見た目には20年分の渋みを身につけていたにもかかわらず、これをきっかけに変わらない関係性を確認することができた。
久しぶりに入った第7は、店内がきれいに改装されてはいたが、厨房を囲むカウンター席も、二階三階のグループ席も、レイアウトとしては僕たちが学生の頃に通っていた頃のままだった。
ひとつだけ当時と違ったのは、猫のロボットがお水を運んできたことである
愛知にはあさくまというステーキのお店があって、雨の日の閉店後には食べられた動物の霊が店内を走り回るのだ、という都市伝説があった。
もちろんそんなの嘘だしあさくまは高くて僕らにはめったに食べられなかったのでやっかみ半分なのだろうが、第7ギョーザの猫ロボットを見て、これがあさくまにも配備されたらあの噂はある意味現実になるんだな、と思った。
そんなどうでもいい話をしながら待っていると、ホワイトギョーザがやってきた。
写真は僕が注文したホワイト中、ライス大、である。向かいに座った友だちはライスをやめて豚汁にしていた。
ちなみに学生の頃はホワイト大、ライス大、豚汁、を全員が常に食べていたので、僕たちも落ち着いたものである。ホワイトギョーザは大量の油で揚げ焼きにしているので、焼きギョーザというより揚げギョーザに近い。皮がしっかり厚くて中身もパンパンに詰まっているので、だいたい最初の3個くらいで満足してしまうのだ。これは学生の頃からそうだった。
そうなるとホワイト大は15個なので、残り10個以上どうしよう、ということになる。僕たちは豚汁に沈めて食べたりしていた。向かいに座った友だちは今日も5個目くらいから豚汁に沈めていた。
どうしてここのギョーザがそんなに好きなのか、いまでもよくわからないのだけれど、今だからこそ言えることは、このお店がなかったらずいぶん僕たちの学生生活は味気ないものになっていただろうということだ。第7行こうぜ。いいね。これだけでその日はいい一日だった。
今の学生たちも20年後に食べるとそう思うに違いないのだ。
終わって解説です
変わった形の餃子だなと思ったのですが、安藤さんにはおなじみだったようです。以前いた店に配膳ネコロボットがいると複雑な気持ちになりそうですね。
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