はじめに
毎週金曜の夜にはげます会会員限定のメルマガを配信しています。限定コンテンツのコラムで「行ってよかった市区町村」を紹介。今回は編集部 石川大樹からのイチ推しの場所です。
忘れられない墓 香川県小豆郡土庄町
(石川 大樹)
別に何か特別なできごとがあったというわけではないんです。大きなトラブルに見舞われたとか、現地の人とのふれあいがあったとか、そういうの全然ない。ただ、楽しかった旅行を考えると一番最初に思い出すのが決まってここのことで、自分でも不思議に思っています。それが15年前に行った小豆島です。
旅行というより出張でした。一人旅です。僕が小豆島に行った2008年ごろは、投稿コーナー「ちょっと見てきて」の活性化のために月イチくらいで編集部の誰かが遠地取材に行っており、読者からの「見てきて」(依頼)にいくつかまとめて答えるという活動をやっていました。
このときは小豆島で「岬の先端の石地蔵」「世界一狭い海峡を渡る」「ミッキーマウスのポイ捨て防止看板」の3つを探すのが目的。最初の2つは早々に発見して、3つ目の看板を探すために島内を延々レンタサイクルで走り回っていた記憶があります。わざわざ何百キロも離れた所まで行って、一日中看板探して走り回ることってあんまりないじゃないですか。旅にトリッキーな目的を与えてくれるいい企画だったなと思います。ちょっと見てきて。
看板捜索はそこそこに難航しまして、ホテルの人への聞き込みで「以前ミッキーという動物病院があった」という場所に行ってみたら廃墟になっていて外から探索したりとか、夜の道が街灯ひとつなくてほんとに真っ暗でめちゃくちゃ怖かったりとか。あとシオマネキの群生地っていうのがあって、カニ探しててかなり時間を取られました(それは自分のせい)
道中ですごく印象的だった風景があります。街中を自転車で走っていたら急に景色がバッと開けたところに出たんです。なにかと思ったらお墓だったんです。地形がすり鉢状になっていて、そこそこ広い墓地が一望できる、あまりないタイプの絶景ですごく心惹かれたのを覚えています。
一角にはピラミッドのような大きなお墓があり、これは墓を別の場所に移したりして中身(?)のなくなった墓石を積み上げたものなんだそうです。
また、墓地内には俳人の尾崎放哉の墓があります。「墓のうらに廻る」を詠んだ放哉の墓がそこにある、というのはちょっとユーモラスな状況です。
そうやってちょっと珍しいこともありつつも、やっぱり単純に光景として、墓を一望できる景色が今でもすごく目に焼き付いています。最初に書いた「楽しかった旅行」と言われて一番最初に思い出すのは小豆島、そして思い出すのはその墓の光景だったりします。
墓は出てきませんが、当時の記録は記事になってますのでよければどうぞ。
終わってふたたび解説です
投稿企画のこたえを探す旅で小豆島へ行ったときのエピソードを、編集部 石川が紹介してくれました。
なかでも、広い敷地に墓が広がる風景が印象的だったそうです。墓がピラミッドのように積み上げられている写真の迫力すごいですね。
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