はじめに
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ライターの地元のうまいものを紹介してもらいます。今回はつりばんど岡村さんから、地元のイチ推しの食べ物の紹介です。
つりばんど岡村
愛してるぞ!「とんかつ太郎のタレかつ丼」 新潟県新潟市
カツ丼と言えば刑事の取り調べである。
取調室で頑なになる犯人に対して、刑事が出前でカツ丼を取るあれだ。この刑事はぜひ、太陽にほえろの山さんを想像してほしい。
カツ丼が到着し、「うまいか?」などと聞かれると、それまでとは打って変わった刑事の優しい態度に、犯人は情にほだされ自白することになる。ここのところが、山さんが「落としの山さん」と異名をとるゆえんである。
しかし犯人が新潟県民だった場合はそうはいかない。カツ丼を出されようが、うまいかと聞かれようが刑事の見え見えの演出に鼻白みながら、カツ丼を横目に何を聞かれても「しらねーよ」の一点張りのままなのである。では、犯人が新潟県民の場合はどうすればいいのか?それはカツ丼はカツ丼でも、新潟B級グルメの代表格「タレかつ丼」を出せばいい。
タレカツ丼というのは、カツを甘辛い醤油ダレにくぐらせて、ご飯の上にのせた丼である。卵でとじていないところが一般的なカツ丼とは大きく異なる。新潟県民のソウルフードであり、県内のいくつかの店で提供されている。
数ある店のなかでも、私はタレかつ丼の発祥のお店「とんかつ太郎」を推したい!
昭和初期から継ぎ足して使われている秘伝のタレで、他店よりも味に深みがあって、少しだけスパイシー。
だからビールによく合う。タレがしみ込んだ揚げたてのカツを食べると、口の中でサクッとしてジュワー!
そのジュワーで白米をかきこむ幸せといったらない。
ちなみに田原俊彦さんが、新潟でタレかつ丼を食べたことにより、自身のヒット曲「ハッとしてグー」のセルフパロディ作品「サクッとしてジュワー」という楽曲をリリースしたという話は、まったくありません。
このように新潟でカツ丼といえば、タレかつ丼を指す。
そのため取調室で一般的なカツ丼を出されても黙秘を続けていた新潟県民である犯人も、タレかつ丼を出された瞬間に自白することになるのである。もしもぼくが秘密のケンミンショーに出ることがあったら、そう言ってみたいと思います。
終わって解説です
個人的にはカツ丼はたまごとじが好みなのですが、新潟でタレカツ丼を食べたことないので行ったら食べてみたいです。取調室でカツ丼頼めるかどうかの真意は謎ですよね。もし注文して良いと言われても、取調べ中にガツガツ食べる自信はありません…。
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