はじめに
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ライターの地元のうまいものを紹介してもらいます。今回はパリッコさんから、地元のイチ推しの食べ物の紹介です。
パリッコ
至福のリラックスタイムを過ごせるうどん店「エン座」 東京都練馬区
僕の住む東京都練馬区、さらに絞って石神井公園駅周辺エリアの、飲食に関する有名店というと、真っ先に「井の庄」と「エン座」が思い浮かぶ。井の庄は「辛辛魚」で有名なラーメン店で、たびたびカップ麺にもなっているから、ごぞんじの方もおおいかもしれない。
一方のエン座は、うどん店。こちらも現在は、日清食品から袋麺が出るほどの有名店だ。はるか昔は、どの駅からも近くない街道沿いにぽつんとある小さな店だった。それでも連日客の絶えない人気店で、2010年、立派な区の施設「ふるさと文化館」が新しく開館する際、その1階にどーんと誘致され、移転オープンしたという歴史を持つ。広い窓から公園が見渡せる開放感のある店内で、よく冷えた瓶ビールを飲みながらうどんを待つ時間は(酒やつまみもいろいろある)、僕にとっては特別な贅沢。命の洗濯と言ってしまってもいいかもしれない。
語りたいことが多すぎてスペースが足りないのがもどかしいけれど、エン座のうどんはとにかくうまい。なにより、僕の知るうどんのなかで、もっとも「艶めかしい」のだ。それに関しては付け添えた写真を見てもらいたい。ちなみに、緑、紫、オレンジ色をしたうどんがおしゃれにのせられているが、これはそれぞれ、大根の葉、紫いも、唐辛子を練り込んでわざわざ作っているそう。
食材にもなるべく地元のものが使われ、名物のひとつ「糧うどん」(850円)には、つけだれに豚肉とともにたっぷりと練馬野菜が入る。よくだしのきいたこのつゆに、もちもちつるつるのうどんをつけてわしっとかっこむ快感は、筆舌に尽くし難い。ただ、僕のいちおしは冷たい「ラ・どん」(900円)。つけうどんスタイルではなく、冷たいスープに入ったうどんだ。かつての「焼豚うどん」というメニュー名からどうしてこの不思議な名前になったかというと、お店の特製薬味を加えると、辛味が増したその味が、まるでラーメンのようでもあるから。常連さんの感想から生まれたネーミングらしい。
ふるさと文化館のある「東京都立石神井公園」自体、自然豊かでとても気持ちのいい公園です。お近くにお寄りのさいは、駅から徒歩20分ほどの散策がてら、ぜひ。
終わって解説です
パリッコさんから石神井公園駅のうどん店「エン座」の紹介です。大根の葉、紫いも、唐辛子を練り込んだうどんがきれいですね。
「ラ・どん」とう名前が常連さんの感想から生まれたというのもいい話でした。
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