うどん屋は、もはやおでん屋 香川県東かがわ市(地元のうまいもの)

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はじめに
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ライターの地元のうまいものを紹介してもらいます。第7回はとりもちうずらさんから、地元のイチ推しの食べ物の紹介です。
とりもちうずら
うどん屋は、もはやおでん屋
香川県東かがわ市
香川のうどん屋の片隅には、大体おでんが置いてある。うどんを注文してから料理が運ばれて来るまで、おでんを食べながら待つのだ。おでんは自分で取りに行き、串の本数で最後にお会計してもらう。高い串は色付きの輪ゴムを巻いていたりして、串だけで値段がわかるように工夫されているのだ。お店に入ってすぐに食べられるこの環境は、お腹が空いているときには大変ありがたい。
子どもの頃の私にとって、うどん屋はほぼおでん屋であった。うどんを頼まずおでんだけ食べるのである。
毎週のようにうどん屋に連れて行かれていたが、私はうどんよりそば派であった。うどんも好きではあるが、頻度が高すぎるため、子ども時代は少し距離を置いていたのだ。
みんながうどんを注文する中、私は一足先におでんのコーナーに向かう。一番好きなのはこんにゃくだ。でもただのこんにゃくではなく、卵の先にストッパーとして刺さっている小さいこんにゃくが大好きであった。串の数で料金を支払うため、卵も串に刺す必要があるのだ。一本の串の料金で2種類の味を楽しめるのはかなりお得である。小さいこんにゃくというのもレアだし、通常のこんにゃくより美味しい気がした。
あとはかまぼこみたいな練り物を揚げた「天ぷら」と呼ばれている具も好きだった。これは香川特有の呼び方らしいが、他のところではなんと呼ばれているのか知らない。
何より一番おいしいのは、おでんにつける「からし味噌」である。白味噌にからし、みりん、酒、砂糖などを混ぜたもので、甘くておいしいのだ。私はもはやつけるのではなく、浸して食べていたように思う。からし味噌単体で食べたいくらいだ。からし味噌を食べるためにおでんを食べていると言っても過言ではない。
両親が香川出身なので、東京に引越したあとも、食卓にのぼるおでんには、いつもからし味噌が一緒に出された。これがおでんという料理だと思っていたのだ。
高校のとき、初めてコンビニのおでんを買い食いしたときに衝撃を受けた。からしが辛い……!!これがおでんのデフォルトであるとは受け入れ難い。おでんにはやはりからし味噌じゃないとダメだ。
香川に帰るたびに、私はおでんを食べにうどん屋に行く。もちろんうどんも食べるのだが、「うどん屋」と聞いて私が思いだす光景は、いつだって片隅にさりげなく置いてあるおでんコーナーなのだ。
終わって解説です
とりもちさんが行っていた香川のうどん屋には、店の片すみにおでんが置いてあったんですね。しかもからしみそをつけて食べるそうで、めちゃくちゃ美味しそう。うどんが来る時間を待たずにすぐ食べられるのは、我慢できないこどもにとってはありがたいサービスですね。
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