とんでんの鰻重は、ちょっと期待しすぎたかな
とんでんは北海道発祥の和食ファミレスチェーンで、関東にも展開しています。なにを食べても美味しいので好きなチェーンですが、だいたい蕎麦か寿司を食べてしまうので、鰻は食べたことありませんでした。
初めて食べたとんでんの鰻重は、ご飯の大盛りが無料で3179円。この値段ならきっと美味しいはず。
3000円するのでマズイということはないんですが、やけに身が薄い様に感じるし少し川魚っぽい臭みもあり、たまたまかも知れませんが、うーん、蕎麦食べておけば…と思ってしまいました。
メニューを見ると、寿司や蕎麦、イワシ料理にはこだわりポイントの説明がみっちり書かれているのですが、鰻については抽象的なコピーが書かれているだけ。もしかしたら、鰻にはあんまりこだわってないのかも?
やはりとんでんの正義は蕎麦と北海道牛乳ソフトでした。北海道牛乳ソフトを食べることで、鰻のことは許すことにしました。たまたまかも知れないし!
次、チェーン店の最後は宇奈ととです。1000円を切るうな丼を出すお店として有名らしく、近所にもあったんですが初めて行きました。
宇奈ととのうな丼ダブル1100円
蒲焼1枚のうな丼が590円で、ダブルになると1100円になります。それに肝吸いと浅漬のセット220円を付けて、下の写真で1320円でした。
鰻の身は幅広で肉厚。調べてみると、ニホンウナギではなくヨーロッパ鰻のようです。身の厚さなんかを考えると、なかなか大きい鰻だったのではないかと思われます。ヨーロッパ鰻もニホンウナギ同様数が減っていて、貿易が制限されているそうな。
鰻の種類の差か、脂がこってりと乗っていて魚というよりは鶏のモモ肉の様。種類や調理方法で鶏肉みたいな風味も出るのだから、鰻というのは不思議な生き物です。
単純に味で比べると、ここまでの順位としてはこんな感じ。
成瀬>宇奈とと>なか卯>とんでん>>吉野家
暫定一位は成瀬となっています。比べてみると、ちょうどこう、本格鰻よりは安く、でいて既存のチェーン店鰻より美味しいという絶妙な設定になっています。そこはなぜかブルーオーシャンだったんですね(コロナによる飲食物件の空きや他の食材の高騰などが味方してるっぽい)。
さて、ではちゃんとした鰻屋さんと比べてみたらどうでしょうか?
近所の鰻屋さん『はし本』の鰻
家の近所に美味しそうな鰻屋さんがあるなと思っていて、この機会にと行ってみて注文したのが上鰻重税込み3300円。もう、ここまで食べてくると3300円って高く感じませんね(麻痺)。
はい、もう蓋を開けた瞬間に分かりました。圧倒的優勝。まだ食べてないのに分かる仕事の違い。串打ちで波打つ身の形が、過去に食べた名鰻を思い出させてくれます。
成瀬もなかなか美味しいと思ったけど、比べてしまうと透明感が違うと言うか。曇りガラスとクリスタルガラスの違いと言うか。クッキリと美味いんですね。外側の香ばしさと内側のふっくら感から生まれる味のコントラス、これこそ鰻の美味しさです。ありがとう、鰻…。
比べてしまうと、他の鰻にはこの透明感とコントラストがありません。ある程度は美味いけど平坦な味。
まさにとろける様な、よくこんなフワフワの身で魚としての体裁を保っていられたな!という柔らかさ、身の甘さ、しつこくなく物足らなさも無い脂加減。これが本気の鰻…。すごい。
はし本>>超えられない壁>>成瀬>宇奈とと>なか卯>とんでん>>吉野家
と、こうなりました。やっぱ鰻は、ちゃんとしたお店でそれなりのお金を出して、だからこそ特別な時に食べるものなんじゃないかって気がします。日常的に『消費』するもんじゃないと思うんですよね。
良いことがあったら、各自家の近所にある老舗の鰻屋さんに行ってみてください。
しばらく鰻は静観します
以上、半月くらいで鰻を食べ比べて気が済みました。掛かったお金は計算したくないし、やっぱどこかで鰻の絶滅に加担してしまった様な居心地の悪さも感じます。やはりこれは大量消費経済に乗せてはいけない生き物なのでは…。
願わくば、早く鰻の完全養殖で採算が取れるようになりますように。完全養殖自体はできてるけど、コストが掛かりすぎて全然採算が取れないらしんですよね。
鰻の成瀬を展開するフランチャイズビジネスインキュベーションさん、儲かったら鰻の完全養殖に投資してみてはどうでしょう?そしたら気持ち的にも鰻を食べやすくなるかも知れません。