猫の毛玉のつくり方 その1「猫を飼う」
毛玉を作るには猫の毛が必要で、その毛を得るためには猫を飼うのが手っ取り早い。猫はその辺にいっぱいいるし、なんなら保健所に行けばいっぱいいるので飼い始めるのは簡単。
なつめさんの場合は、ベランダに餌を置いていたらお母さん(クロ)が寄ってくるようになり、しばらくしたらなつめさんを連れてきたので可愛がっていたら部屋に上がり込むようになった。「うちの子になる?」と聞いて、「ニー!」と答えたら契約成立(僕らの主観なので異論は認める)。
クロは完全な野良なので部屋に入ることはなかったけど、なつめさんは平気で部屋に入ってきたので飼い猫になった。クロからしたら猫さらいかもしれないけど。
懐柔して飼い猫にしたら、野良出身の場合はノミ取り薬を差したり去勢したり虫下しを飲ませたり予防接種をしたりと飼い猫にするための儀式が色々ある。トイレや爪研ぎも覚えさせなきゃいけない。なつめさんの場合は、トイレも爪研ぎもすぐに覚えてそこ以外は使わないので躾は楽だった。トイレは「ニャンとも清潔トイレ」が楽で良い。
飼い猫の儀を済ませたら、後は十分な毛が取れる大きさまで育てる。餌をあげてトイレを掃除して、毎朝頭突きで起こされて、たまに吐いちゃうので処理して、と育てるのだ。
1年も育てれば十分な猫毛が取れる大きさに育つ。
猫の毛玉のつくり方 その2「道具と材料」
猫毛を毛玉にするにはフエルティングという技を使う。先に突起が付いたフエルティング用のニードルで毛の塊をプスプスと刺し続けるのだ。すると毛同士が絡まって玉になるというわけ。
それと羊毛。何に使うかというと、毛玉の芯材に使う。日本猫の毛は太くて短いので、それだけだと毛玉の強度を確保できない。そこで、羊毛で玉を作ってその上に猫毛をまとわせるのだ。
メインクーンとかノルウェージャンフォレストキャットみたいな長毛種の猫毛なら猫毛だけで上手くまとまるかも知れない。でもなつめさんの毛だけだと上手くまとまらないので羊毛を芯材に使った。
猫の毛玉のつくり方 その3「毛を採取」
猫と道具が準備出来たら次は猫毛の採取。最も毛が抜けるのは春。冬毛がごっそり抜けるので、ブラッシングをしないと家中猫毛だらけになってしまう。
僕は「猫のきもち」の付録で付いてきたゴムのブラシを使っている。ブラッシングしてやると、恐ろしいほどごっそり取れる。取りながら鼻がムズムズしてくるほどだ。
この毛を丸めてニードルで刺すわけです
フエルティングでは毛を石けん水で洗ったりするのだけど、今回は猫のおもちゃとして作るので石けん水では洗わなかった。石けんの匂いが付くと猫が嫌がりそうだし。
次でようやくニードルを使って毛玉を作ります。
猫の毛玉のつくり方 その4「羊毛を丸める」
まずは毛玉の芯である羊毛の玉を作る。適当に羊毛をちぎって手で丸めて、それをニードルで刺す。何度も何度も刺してると、いつしかふわふわだった羊毛の玉がかたい羊毛の玉になるわけだ。ふしぎー。
作業中はなつめさんの邪魔が入ります
羊毛の玉を作っていると、寝てたはずのなつめさんが近づいてきてグイーッ伸びてテーブルをのぞき込んできた。鼻の穴が全開でフガフガ言っていた。なにか興味があるものを見ると鼻をフガフガさせる。
ひどいときはひざの上に乗ってきて本当に邪魔されるんだけど、今回はテーブルでブロックしたのでのぞき込まれる程度の邪魔で済んだ。
針とか半田ごてとか使ってるときは本当に困るので邪魔しないでいただきたい。
羊毛の玉が出来たら次の手順に進みます。
猫の毛玉のつくり方 その5「猫毛で包む」
羊毛の玉を猫毛で包んで、またニードルで刺します。やり方は羊毛の時と同じ。全体をまんべんなく刺して、しっかり固める。
猫の毛玉のつくり方 その6「飛び出してる毛を切り取る」
ニードルで刺してしっかりまとまったら、飛び出した毛をはさみで刈り取って完成。工程は全体的に、根気さえあれば難しさはない。
猫の毛玉のつくり方 その7「なつめさんによる検品」
完成した毛玉はなつめさんに検品してもらいます。手を出して奪おうとしたら合格。
遊ぶ様子をムービーにしてみました
完成した毛玉で遊ぶなつめさんの動画を撮ってみました。音声はないので職場で休憩中にでも見てください。
なつめさんを飼うまで、こうやって猫が投げたものを取ってくるとは知らなかった。
猫もかわいいし猫の毛玉もかわいい
この記事で言いたかったことは、猫はかわいいから飼いなさい、賃貸の大家さんは猫もOKの物件を増やしてくださいって事だ(え、そうなの)。
猫はちゃんと躾ければ、壁や柱で爪を研いだりはしない、頭の良い動物だ。なつめさんは4年間、一度も壁や柱で爪研ぎしたことはない。散歩に行かなくても満足だしトイレも清潔に使うので飼うのも楽だ。
毛玉一つ与えておけば満足して遊び狂うかわいい生き物だ。
みんなももっと猫を飼って可愛がれば良いと思いました。ああ、猫は、良い。(映画ネコナデの大杉漣さんのセリフ)