はげます会限定記事(途中から有料) 2021年11月30日

カネストレッリにバチディダーマ…次のマリトッツォに備えたい

マリトッツォの年であった。

趣味嗜好の選択肢がひろがり、流行というものが言うてもそれほど老若男女に渡り流行するわけではない年が、ここ数年続いたのではないか。もはや流行といえるほどの流行は起こり得ない時代なのかもしれない……そんな思いを打ち消す大流行である。

シンプルながら迫力のあるその形状や味わいはもちろん、そのビッグヒットには名前の意外性も大きかったんじゃないかと思わずにはいられない。

つまり、次に大流行を起こすのもまた、語感の強いイタリア菓子にヒントがあるのではないか?

カネストレッリ、バチディダーマ、ジャンドゥイヤ、クリクリ・アルコバレーノを買ってきました。予習しておこうじゃないですか。

1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

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> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

「おとっつぁん」なら分かるが「おとっつぁ」だと神秘的

改めて、マリトッツォだが、これはもう、テノール歌手のジョン・健・ヌッツォ氏登場以来の新鮮な語感だった。

ジョン・健・ヌッツォ氏はイタリア系アメリカ人を父に持つという。マリトッツォ同様、ヌッツォ姓もイタリアにゆかりがありそうだ。イタリア語の新鮮な味わいに私達は魅了されるのかもしれない。

こうした発音には日本語話者にとっては「おとっつぁん」の前例がある。

「と」のあとに促音(っ)がきて、そのあと「つぁ」のような息を押し出す音が続くのには慣れていたはずなのだが、おとっつぁんが最後の「ん」で着地するのに対しマリトッツォは「ツォ」で言いっぱなしなのがどこか人を不安にさせる。

「おとっつぁん」なら分かるが、「おとっつぁ」だと神秘的、そういうことだと思う。

語感重視でイタリアのお菓子を買ってきた。

「カネストレッリ」と「バチディダーマ」

まず見つけたのは「カネストレッリ」と「バチディダーマ」。

輸入食材の店でカタカナで値札に書いてあり二度見した。目の覚めるほどの「誰」と「誰」? である。

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カネストレッリ
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バチディダーマ

外国語を未履修だからこそ感じられる新鮮さ、未履修でよかった! なんてことはほとんどないが、せめて語感に新鮮さが感じられうれしいというのはある。

この青い箱、メーカーの「グロンドーナ」はジェノヴァのお菓子メーカーだそうだ。

パッケージに200周年的なことが書いてある。1820年といえばバリバリ江戸時代である。ガチ老舗だ。

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おめでとう200年

花の形のバター味のクッキー「カネストレッリ」

まず「カネストレッリ」。

花の形のバター味のクッキーで、商標などではなく一般名称らしい。つまりマリトッツォ同様、唐突に日本でイットクッキーとしてもてはやされる可能性がなくもない。

レッリの言いづらさが心地よい。舌が上顎でかつてなくベロベロする。今のうちに慣れておこう。

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開封すると、クッキーの上に粉砂糖が乗っていた。これをまんべんなくまとわせて食べる
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あまり生地をつなぐことを重視しないかんじの、ほろほろ食感。

しっとりとは無縁の、いわゆる「口の中の水分全部もっていく」系のクッキー。ちゃんと甘い。

……。おいし~~っ。すなおに、ただおいしい。

「バチディダーマ」=「貴婦人のキス」

いっぽうの「バチディダーマ」は、お店のポップに「『貴婦人のキス』と呼ばれるお菓子です」と書いてあった。

急なネーミングセンスだが、食べるときに口をすぼめるくらい小さい=すぼめたときの口がキスのときの口っぽい、ということらしい。

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すぼめた口かな……と思せてくる堂々たるたたずまい

こちらも伝統的なお菓子としての一般名称。バターとヘーゼルナッツを練り込んだクッキーにチョコレートをサンドしたものだそうだ。

「バチディダーマ」、一読してすぐにお菓子の名前だとは絶対にわからない語感だ。むしろめちゃくちゃなスピードで飛んで来る鋳物くらい固く強くおそろしいイメージがわく。

逆にイタリア語を母語とする、日本語を知らない方に「おはぎ」と言ったら何を連想するだろう。「みたらしだんご」あたりも奇異に感じてもらえるかもしれない。

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おいしそうでしょう。おいしいんですよ

こちらもホロホロした、積極的に粉を感じさせる食感。あ、粉っておいしいんだなと思わされる。チョコレートの分、生地の甘みは引き算してあって、重くない味だった。

名前の新鮮さが楽しいし、おいしい。これはと気を良くし、さらに2種類チョコレート菓子を仕入れてきた。


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