カルピスの器が大きい
浅はかな足し算である。カルピスは美味しく、お酒も美味しい。その美味しいものを足せばさらに美味しいでしょ、という。この足し算には例外も存在するが、カルピスとお酒ではその例外はなく、純粋にさらに美味しくなるのだ。実に素晴らしい。
カルピスというものがある。カラダにピースな飲み物だ。水で割ってカルピスウォーターとして飲んでも美味しいし、炭酸で割ってカルピスソーダとして飲んでもやはり美味しい。自宅で作ると濃いカルピスを飲めるのでオススメだ。
カルピスの素晴らしい点は、お酒で割ってもいいことだ。カルピスサワーは誰もが知る存在なのではないだろうか。さらに素晴らしい点はカルピスでお酒を割れば基本的になんでも美味しいのだ。それを紹介したいと思う。
夏の暑い日に飲むカルピスはとても美味しい。体にもよい気がする。子供の頃を思い出すと、お中元でカルピスをもらうことが多かったので、夏とカルピスが私の中では強くリンクしており、夏になるとよりカルピスを飲みたくなる。
大人になった今もカルピスを飲む。水や牛乳で割って飲むこともあるけれど、お酒を割るためにカルピスを用いることが多い。私は甘いお酒が好きで一時期は「カシスオレンジこそ最強」と思っていた。カルピスは全てを甘いお酒にしてくれるので好きなのだ。
カルピスのお酒と言えば「カルピスサワー」が有名だろう。焼酎を炭酸とカルピスで割ったものだ。お店で飲んでももちろん美味しいのだけれど、自宅で作るとカルピスを濃くできるし、逆に焼酎を濃くすることもできる。気分に合わせた味にできるので、自宅で作るカルピスサワーが好きだ。
居酒屋などではカルピスのお酒と言えば「カルピスサワー」がほぼ全てだと思うけれど、そうではない。カルピスの力はそれだけではないのだ。基本的にはどんなお酒をカルピスで割っても美味しいのだ。
ウォッカをカルピスと炭酸で割る。私は本来、ウォッカはアルコール臭が強すぎて苦手なのだけれど、カルピスと合わせるとめちゃくちゃ美味しくなる。ウォッカとはカルピスのためにあるのではないかと思うほどなのだ。
ウォッカの尖った部分をカルピスが丸くし、さらにカルピスの美味しさをウォッカが引き立てる。それぞれの能力を限界まで引き上げたような味なのだ。つまり美味しいのだ。触るもの全てを斬りつけるような鋭い美味しさを持っている。
焼酎やウォッカだけではない。カルピスの器は大きいのだ。アルコール臭が苦手という人でも美味しく飲めるお酒を作るのがカルピスの力。パワーだ。カルピスとの相乗効果で美味しく仕上げてくれる。
ウィスキーの美味しさがさらに増し、カルピスの甘さが喜びをもたらしてくれる。ハイボールにカルピスを足すだけで、世界が鮮やかになった気がしてくる。カラフルな日常がやってくるのだ。
テキーラもまたカルピスとの相性がよい。メキシコの風を感じるのだ。カルピスで割ったお酒の専門店でも開こうかなと思うほどに美味しい。基本的にカルピスでアルコール臭が消え、美味しさだけが際立つ感じだ。
さらに牛乳を入れるのも好きだ。クリーミーで非常に舌触りのいいお酒になる。カクテルと呼びたい味わいだ。甘くてクリーミーで、使う牛乳によっては濃厚なので、全体的に「濃い」という印象になる。濃いは正義と思っているので最高なのだ。
カルピスにはプレーンのものと味がついているものがある。完熟巨峰のカルピスもあるのだけれど、これもお酒に合う。先に紹介したお酒を割っても美味しいのだけれど、より濃いフルーティーを楽しむお酒に向いている。
ワインを完熟巨峰のカルピスで割る。炭酸は好みだけれど、私は入れないことが多い。せっかくのぶどうとぶどうで濃いぶどうになっているのを薄めるのはもったいない気がするからだ。
これがもうフルーティーがすぎて美味しい。ワインのぶどうとカルピスのぶどう(完熟巨峰)が嵐のようなフルーティーをもたらすのだ。高いワインでやるのはもったいない気もするけれど、日常的に飲むワインで作れば、ぶどうが倍ですから、そりゃ美味しいです。
炭酸をいれる場合は「赤玉スイートワイン」をオススメしたい。居酒屋などでは「赤玉パンチ」として、赤玉スイートワインと炭酸が組み合わされたものが提供されている。炭酸と相性がいいのだ。
赤玉パンチ用の赤玉スイートワインもあるけれど、そのまま赤玉スイートワインを飲むこともあるので、私は普通の赤玉スイートワインを使っている。もちろんぶどうが増し増しで美味しい。フルーツと共に生きる、みたいなキャッチフレーズをつけたい。
梅酒はプレーンのカルピスで割っても美味しい。そこに炭酸を入れると最高なのだけれど、見た目も考えると完熟巨峰のカルピスがオススメだ。味もフルーティーが増すし、濃い、めちゃくちゃ濃い、という素晴らしい感想を持つことができる。
見た目と味を両立した最高のお酒と言える。さらに牛乳を入れるとさらに濃く、さらに見た目がファンタジーのようになる。クリーミーでとても美味しい。もはやお酒に感じなくなるけれど、お酒なので飲み過ぎには気をつけたい。ただ濃いからそんなには飲めないからちょうどいいと思う。
浅はかな足し算である。カルピスは美味しく、お酒も美味しい。その美味しいものを足せばさらに美味しいでしょ、という。この足し算には例外も存在するが、カルピスとお酒ではその例外はなく、純粋にさらに美味しくなるのだ。実に素晴らしい。
▽デイリーポータルZトップへ | ||
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |