デジタルリマスター 2023年2月4日

ケーブルのれん(デジタルリマスター)

ロハス

パソコンやパソコン周辺機器を買うと接続用のケーブルが付属してくる。たいてい2~3本ついている。

いつか使うだろうと思って衣装ケースに入れておいたら大変な量になっていた。2年前、あまりのどっさりさ加減に辟易してゼリーで固めたこともあった(「どっさりケーブル」)。先日ケースを見たらまた元の量に戻っていた。

元に戻せる再利用という線で検討を重ねた結果、縄のれんを作ってみたいと思う。

2007年7月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:都心からひとつめのローカルな駅2007(デジタルリマスター)

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1畳分のケーブル

並べてみたら部屋の畳一枚分がほぼケーブルで埋まってしまった。

たまにここから必要なケーブルを探すこともあるが、肝心なケーブルが見つかることはまれだ。コネクタの形が違ったり、オスメス逆だったり。人生のアイロニーも教えてくれるケーブルである。そんなケーブルが畳1枚ぶん。

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これはケーブルじゃなくて判断を先延ばしにしてきた僕の人生だ

しかしアイロニーとかどうでもよくて、じゃまだ。すっきり処分したい。でも、もしかしたらやっぱりいつか使うかもしれない。その日は明日かもしれないし、永遠にこないかもしれない。

その日までは別のかたちで使える方法があればベストだ。

のれんだ。

その日までは縄のれんとして使えばいい。でも必要なときはケーブルに戻る。

将来、たとえば旧型のデジカメとテレビを接続しなければならない状況になって、そのときに縄のれんの縄を一本ぴしっと抜いて接続するのだ。

「え、これ、ケーブルだったんですか」なんて言われたりして。いなせだ。

つくりかた

さて、妄想もふくらんだところで、実際にのれんを作ってゆきたい。ケーブルをコの字型の釘で棒に固定してゆくだけである。

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いろんなコネクターがあるね
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こんなケーブル、いつかほんとに使うのだろうか
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ケーブルといっしょに入ってたもう絶対使わない端末

さまざまなケーブルを固定してゆく。画素数に驚いたかつてのデジカメについていたケーブル、モニターをつなぐために買ったけどあきらかに形状が違ってて無駄になったケーブル、いろんな思いが今のれんになってゆく。バルサ材の棒を買ってきたので釘も楽々刺さる。

ケーブルのれんは思ったよりも楽勝じゃないか。

「いつか使うケーブル」に部屋を浸食されているみなさんは試してみてはいかがだろう。

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完成

2時間ほどであっさり完成した。どっさりケーブルに続くケーブル応用第2弾「ケーブルのれん」だ。デジタル ミーツ 風流である。

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約5キロ。腕に力が入ってます。

ごめん。こんなのれん、ないわ。

作ってる途中から、これはのれんじゃないなと思っていたのだが、完成してもやっぱりのれんじゃない。ケーブルを変わった形でぶらさげてある棒だ。そのままじゃないか。

いや、実際に使ってみるとのれんかもしれない。

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通りかかりの客が覗き込んで
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「大将、やってる?」

居酒屋の客を演じてみたが、これじゃ秋葉原のパーツ屋にケーブルを買いに来た客だ。大将はいない。

ちなみにのれんが斜めになっているのは

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片方を手で持ってるからです

5キロもあるこののれん。重くてかけることができない。

あきらめない

写真の撮り方によってはのれんっぽく見えるかもしれない。そう考えていろんなポーズで撮っていたら、このケーブル群がだんだんのれんのように思えてきたのだ。写真じゃなくて僕自身が変化してしまった。

この感覚が再現できないかと思い、似たような写真をたくさん載せる次第である。

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左上から見ていくと3段目ぐらいで「あ、のれん」って思うかも

思えなかったらごめんなさい。

本稿の写真が後半にくるにつれて小さくなっているのは書き手の不安を表していると思ってください。


なかみのほうが貴重なのではないか

最近、金属が盗難されるという事件が続いたが、なかでも銅は貴重らしい。もしかしたらこのケーブル群もビニールをはいで銅を取り出したほうがリサイクルとして正しいかもしれない。

その銅でまた金属製の重いのれんを作りたい。なぜなら、意地になっているからデスネー。

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遠目で見ると海草みたい
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