細かく乗り継ぎ錦糸町まで行く
白61のバスは、新宿歌舞伎町を抜けると、曙橋の方に向かって走り、向きを変えると江戸川橋の方に向かう。
乗り換え時間を稼ぐため、ひとつ前の停留所、山吹町で下車し、江戸川橋バス停まで走って乗り継ぎする。時刻は19時3分。江戸川橋発の上69の上野公園行きのバスは、定刻だと19時5分。ダッシュすればまだ間に合いそうだ。
乗り換え時間2分はさすがにきついか……と諦めたところだったが、バスが4分ほど遅れており、なんとか間に合った。
ただし、このバスには少ししか乗車せず、伝通院前で都02のバスに乗り継ぐ。
もはやすでに日は暮れて夜である。雪が降っていた山奥からよくここまでやってきた。
錦糸町北口到着が20時00分。次に乗り換えるべき都営バス錦27は、20時3分。
錦糸町駅の錦27のバスのりばは南口にある。錦糸町駅は駅構内が通り抜けできない仕組みになっていたはずなので、迂回してガードをくぐり南口まで小走りで行く。
で……なんとか間に合った。
ここからは、錦糸町から菅原橋まで乗る。本日乗る都営バスはこれが最後である。
ほとんど客の乗ってないバスは、ほぼ定刻で菅原橋バス停に到着。20時31分。
記録ビデオを確認すると、菅原橋交差点をみて僕は「変な形の交差点だね」と感想をもらしていたが、後で調べると、ここは11差路の交差点として有名な交差点だった。
もしかしたら、日本で一番ややこしい交差点なのかもしれない。
車だと絶対に右左折したくない交差点だな……と思ったけれど、過去のGPSログを確認してみたところ、去年、自動車教習の仮免許で一回ここを通過しているっぽいことがわかった。こんなややこしい交差点、よく走ったな、おれ。
なお、菅原橋の交差点は右に曲がるといっても、幾つも道があるため、普通に歩いていてもバス停の位置がよく分からず、若干迷う。
迷いつつも、なんとかバス停を見つけ、バスを待つ。
ついに最東端のバス停へ……
住宅街の夜は人が死に絶えたような静けさがあるが、そんな静寂のなか、真っ暗闇の中からだんだんと近づいてくる路線バスは、生き物の気配が濃厚で、格別な安心感がある。
いよいよ最後の乗り継ぎバスだ。奥多摩の山梨との県境から、約10時間。雪が降っていた山の中から、バスのみを乗り継いでここまでやってきた。
バスは人気のない江戸川の住宅街をくねくねと回りながら進んでいく。乗客もほぼ居ない。途中、篠崎駅で4、5人乗ってきた人たちは、江戸川スポーツランドに着く前にすべて下車してしまった。
そして、21時15分……ついに、東京都最東端のバス停、江戸川スポーツランドに到着。
感慨深いものがあることはあるけれど、感慨深いからといって、絶叫したりするわけではないので、実に静かなものである。
江戸川スポーツランドには、京成バスの営業所があり、降車場と乗車場のバス停が別となっている。より東にあるのは、上で写真を撮っているバス乗り場がそうだろう。
バスの車庫のほかには、停留所名の江戸川スポーツランドという施設と、大きな都営アパートがあるのみだ。
実は、ここから少し歩いたところの江戸川には、一部千葉県との県境が未定となっている場所がある。僕が勝手に、セキュリティーホール県境と呼んでいる江戸川閘門の県境だ。
とはいえ、今から行っても帰りのバスが無くなってしまうのと、寒いので、ここはサッサと帰ることにした。申し訳ない。
※江戸川閘門の県境未定地が気になる方はこちらの記事を御覧ください。
東京都最西端バス停から東京23区最東端バス停までは約10時間かかる
というわけで、最西端から最東端までバスのみを乗り継いで移動できることがわかった。
時間はおよそ10時間ほどかかり、バス運賃は5000円以上かかる計算になる。ただし、都バスの1日乗車券700円を使えば、4000円ほどに抑えることができるかもしれない。(追記:運賃の部分、執筆時に勘違いをしており、計算し直したところ、実際にかかる金額は3840円ほどでした。ただし、都バスの1日乗車券700円を使えば2600円ぐらいになるようです)
留浦からスタートした場合、青梅を出たあとは、ただただひたすらバスに乗って移動することになるけれど、乗り換えのときに走ること以外は、そんなに疲れることもなかった。
ただ、腰痛持ちは気をつけたほうがいいかもしれない。
以上です。