きだてさんが選ぶ、使い倒しているはさみ ベスト3
――文具の中でも、はさみを選んだ理由は?
きだて:仕事柄いろいろと文房具にはこだわってるんですが、中でも特にはさみはかなり強めのこだわりがありまして。
とにかくめちゃくちゃ不器用で、紙とかまっすぐ切ってるつもりなのに、気が付くとめっちゃ蛇行してたりとか。それはさすがに文房具ライターとしてだいぶ格好悪い感じじゃないですか。
――道具のよさを成果物で見せたいですもんね。
きだて:そういうとき、切れ味が良いはさみを使うと力を入れずにサクーッと刃めいっぱいの長さを切ることができるんで、ブレが減らせるんですよ。結果としてまっすぐ切りやすくなるんで、とにかく「はさみはいいやつを使おう」ってことで。
刃物って、やらしい話ですけどわりとお値段と性能が比例しがちで。具体的には、まず3,000円辺りからステージ変わるんですよ。
――そうなんですね。じゃあ高いやつを買っておけばOK…?
きだて:とはいえそう単純でもなくて、はさみってわりと専門性が高いというか…いいはさみも適した使いどころとそうじゃないところがあるんですよ。例えば布を切る裁ちばさみってめちゃくちゃ繊細な薄い刃をしてるから、紙を切ると切れ味が速攻で落ちちゃう。紙の繊維って布よりずっと硬いし。
っていうこともあって、日常的にわりとこまごまと使い分けをしてるんで、それぞれジャンルごとで優秀なのを紹介させてください。
――なるほど、よろしくおねがいします!
【第3位】
スズキ機工「ベルシザーブラック」
――メーカー名が「機工」ってあんまり文具メーカーっぽくないですね。
きだて:スズキ機工って食品工場用の機械を作ってるメーカーさんなんです。以前に和菓子工場で「あんこのビニールパックの封を切って機械にセットするとき、たまに切り損ねたパックの破片が混入しちゃうのが困る」って相談を受けたらしいんですよ。
そこでスズキ機工さんが考えたのが「薄いビニールとかフィルムがスパッと切り落とせる特化型はさみを作ったら、切り損ねも発生しなくなって解決じゃね?」という。
機械屋さんがなんでそんな結論になるのか、全く分かんないですけど、とにかくそういうはさみを自社で作っちゃった。
――すごい経緯ですね。しかしビニールがはさみで切りにくいっていうのは日常的にもすごく経験があります。
きだて:フィルムとかビニールってフニャフニャでコシがないので、はさみの天敵かというぐらいに切りづらいんです。だけどこれはさすが特化型だけあって、薄いビニールもめっちゃスパーッと。
僕の仕事上、メーカーさんから借りたサンプル製品を返送する作業がわりとひんぱんに発生するんですが、そのときにプチプチのフィルムシートをサイズに合わせて切って包むんですね。このプチプチがまぁ「ひゃー」って声が出るぐらい気持ちよく切れるんで、我が家ではほぼプチプチ専用になってます。
――確かにプチプチに使うには最適ですね。次は第2位お願いします!
※このリンクからお買い物していただくとアフィリエイト収益が運営費の支えになります!
【第2位】
プラス「フィットカットカーブ 料理はさみ
――キッチンばさみですか?
きだて:名目上は名前通りキッチン用の料理ばさみなんですが、実はこれがフィルムでも紙でも段ボールでもだいたい切れちゃう、万能性めちゃ高はさみで。
お馴染みのフィットカットカーブシリーズということで、刃の根元から先端までずっと同じような力加減で切れるのがいいし、あと刃厚が2.5ミリもあるんで、厚紙とか力をいれてグイグイ切るのもやりやすい。
あと、刃に細かなギザギザ…マイクロセレーション刃って言うんですが、これのおかげで、表面がツルツルしてはさみの刃が滑りやすい薄めのプラ板とかプラダンも、がっちり噛んで切れちゃうのが素晴らしいです。
――マイクロセレーション刃…かっこいい…。
きだて:我が家にはこの料理はさみが3丁あって、もちろんキッチンでも使ってるんですが、それ以上に自分の部屋で工作用にめちゃ多用してます。プラ板とか竹ひごとか、紙用のはさみだと躊躇するようなものはだいたいこれでやっちゃう。
料理はさみなんで、分解洗浄できるのも重要なポイントです。オイルの付いたもの切ったりして刃がベタベタになっても、分解して食洗機に放り込んじゃえばいいし。
とのかく頼りがいが強すぎるんで、自宅に1丁だけはさみを置いておくとしたら、これがオススメ。
――パワフルかつメンテしやすい。最高では…と思いましたがまだ2位なんですよね。いよいよ1位お願いします!