特集 2023年7月28日

高尾山ほど書ける蛍光ペンとかカップホルダーノートとか!夏の文房具フェス2023

使い途の分からない虹色鉛筆、実は塗り絵に最適なツールだった

へえ!とかなり強めに感心したのが、「ぬりえーじゅ」ブースだ。

こちらはグラフィックデザイナーの杉江さんという方が考案した塗り絵なんだけど、マーブル芯のレインボー色鉛筆を使うのが大きなポイントとなる。

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酔っぱらいでもきれいに塗れる、と話題の「ぬりえーじゅ」。脳トレにも良いらしい。
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角度や向きでいろんなカラーが出るレインボー色鉛筆。元絵はこの色鉛筆で塗る用にデザインされているのだそう。

複数の色が混じり合ったマーブル芯の色鉛筆は、サーっと塗り広げると様々な色が出てくるので、「わーキレイ」ってなるんだけど……正直、それ以上の使い途がない。

100均にも売ってたりするし、ちょっと物珍しいから子どもは欲しがるんだけど、しかし速攻で飽きてポイされてしまうようなものなのである。

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レインボー色鉛筆で塗るジグソーパズル。なるほどキレイだ。

しかし、そのマーブル芯色鉛筆が映えるように計算された絵柄(=ぬりえーじゅ)に対して使うと、何も考えずササーッと塗るだけでも美しく虹色に仕上がってしまうというわけ。

うーん、これは見事なアイデア勝ちだと思う。

人気の脱力系「文字のしおり」

ブースにずっとお客さんが途切れず、注目度高いなーと感じたのが、正文社印刷所ブースの「文字のしおり」だ。

こちらは木材パルプや綿を原料とした環境素材をレーザーで“文言”のかたちに切り抜き、しおりに仕立ててある。

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常に人がいっぱいの正文社印刷所ブース。
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切り抜くためにバランスをとった文字配置がかっこいい。
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ちゃんと切り抜けてます。

で、この文言のチョイスが、「ここまで読んだ。」「明日はここから。」などいかにもしおりっぽいものから、「おそらくこのあたり。」「紙で指を切ると痛い。」などの脱力系まで、ほどよく取り揃えてあるのが上手い。

しおりとして使ってるところを想像しやすく、さらに軽くひとウケ取れる感じなので、気軽なプレゼントにも良さそうだ。

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実際に「ももクロ春の一大事2023 in福山市」で販売されたもの。右端には阪神タイガース仕様も見切れてる。

あと、ノベルティやグッズとしての発展性がかなり強そう。

実際、過去にはももいろクローバーZのライブツアーでグッズやプロ野球のチームグッズとしても採用されており、かなり人気だったとのこと。

文言のインパクト次第ではいくらでも跳ねそうだし、これも良いアイデアだ。

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海外ブースがいっぱい!でも「日本語でどうぞ」は信じるな

実は今回のISOTは、今までと比べて大きな違いがある。

それが、海外出店ブースの多さ。なんせ今回は出展ブースの約94%が中国・韓国・台湾などの海外メーカーなのだ。単純に出展メーカー数からの算出なので、ブースの面積比率で言うともう少し減るんだけど。

とにかく、これは昨年から比べても、一気にめちゃくちゃ増えたな!という感じ。

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今回はもうどっちを向いても海外ブースって感じ。まぁ「“国際”文具・紙製品展」なので間違いではない。
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中国や韓国では無印良品が人気なので、ジェネリック無印もいっぱい。
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束でまとめ買いしないと意味のない、中国製の蛍光マーカー。

そこで問題になってくるのが、取材のしづらさである。

というのも、ほとんどの海外ブースには「日本語OK」「日本語でどうぞ」といった貼り紙があるんだけど、それが凄まじくアテにならないのだ。

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日本語で話しかけると、すごい困った顔で「ニホンゴムリ」と言われたり。ムリかー。困ったなー。

日本語を喋れる人がたまたまトイレに行ってたり、たまたまご飯を買いに行ってたり、たまたま別の商談に出ていたり、というケースは非常に多い。というか、そんなんばっかり。

なので、製品についてちゃんと話を聞きたい場合、スマホの通訳アプリが必須になってくるのである。うーん、なかなか大変。

カッターとメジャーは組み合わせて良いものか

ただ、それでもやっぱり面白いものがあちこちにあるので、話を聞かないわけにはいかないんだけど。

例えば台湾の刃物メーカーGKMのブースでは、こんなんのがポロッと置いてあったりして。

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Great Knives Manufacture略してGKM。かっこいい社名だ。
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「ユニークな新製品があったら見せて」とお願いしたら出てきたロータリーカッター。この時点では特にユニークなところはないけれど。

これは、円盤状のカッター刃を転がして布などを切る、いわゆるロータリーカッター。なかなか切れ味も良好だ。

なんだけど、明らかにロータリーカッターじゃない部分があるというか、ハッキリと不要なパーツが付いているようにも見える。

なので、対応してくれた女性に通訳アプリ経由でそう聞いてみると、彼女はニヤリと笑って本体後端からシャーッと細長い帯を引っ張り出して見せてくれた。

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すっごいドヤ顔でメジャーを引き出された。

おお、メジャーだ。

なるほど、メジャーで採寸しつつ、ロータリーカッターで布を裁断する、という効率的な服飾系便利アイテムらしい。

本当にその組み合わせが便利なのか、いまひとつ判断できないんだけども。

ただ個人的には、もし自分が採寸されるとしたら、刃物が付いてないメジャーのほうが安心できていいなぁという気はする。

⏩ 次ページに続きます

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