特集 2020年11月24日

ビルの稜線で何とかして楽しみたい

何とか楽しみました。

都市部で空を見上げると、空と地上との境目には「ビルの稜線」がある。

この稜線をただ景色としてではなく、線単体で何かに見立てて楽しんでみたい。

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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ビルの稜線

最近は穏やかに晴れた日が続いて、空の様子に目がいく。

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快晴の日が多い。気持ちがいい。

そして見上げた空はビルの群れに切り取られていて、見上げる場所によって形が違う。

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奥に向かって細く伸びていたり、
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大胆にザクっと分けられていたりする。
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なんと言いますか、このデコボコがなんか良いのだ。

山の、峰から峰へ続く線のことを稜線というが、これは言うなればビルの稜線である。

これがなんかいいなーと思っていた。「この境目の向こうは空だなー」と思うのが、なんかいいのだ。すごく漠然とした気持ちを抱いていたが、もっと別の角度から楽しんでみてもいいのではないか。

例えばいい景色としてではなく、稜線そのものを何とかして楽しめないだろうか。

ビルの稜線をなぞる

特になんの見通しも立ってないが「線」が良い、と言う話なので、その線だけを取り出して眺めてみよう。

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画像編集ソフトで開いて、稜線をなぞる。
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こうなった。

パキッとした直線ばかりでなぞっていて気持ちがいい。線がわかりやすいのでどんどんなぞれる。頭がスッキリしてストレスが解消されている感じがした。大人の塗り絵と同じ仕組みだ。

ここからしらみつぶしになぞっていくのですが、同時になんか良かったビルの稜線を紹介します。なぞる気持ちで見てください。

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これは中央左寄りにすごい細い落とし穴みたいなラインができてグッときた。
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左側のざっくりしたビルのラインと、中央の、遠くにいるビルの細かいジグザグのコントラストが良い。
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右側、ビルの高さが揃っていてすごい爽快さである。
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これも別の場所のいやにまっすぐな景色。

そんなことを考えながら稜線をなぞった。ものすごい量のα波が出た。α波に量とかあるのか分からないけど。

なぞった稜線を眺める

景色としてではなく、線そのものを楽しむ。とりあえずそんな目標を立ててこの線を取り出した。

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何だろうな、これは。

パソコンの画面にこれを映してしばらく眺めた。

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こうしたら、
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こうなった。

おじさんの横顔になった。無理やりな感じもするが、見えないこともない。見立てる、というのはこういう時に使うんだな、という妙な手応えがあった。

何かを正面からでなく、他のものを一旦介して楽しもうという時、人は見立てるのだ。星座がそうだ。「星ってきれいだねー」と言うだけでは感情が収まらなくなって、あんな無茶な見立てが横行したのだ。

…星座だってそうだ、と自分に言い聞かせたら勇気が出てきた。この方向で行ってみよう。

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しかし写真に戻すと気味の悪い感じに。

見立てていこう

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この写真。
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なぞるとこうで、
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こうなった。

鼻の下の長い、前に出たヒゲのおじさんになった。ビルの稜線、おじさんの横顔と相性が良い。

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先に言っておくとこれもおじさんになった。
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悲しそうな顔になった。口の端にシワみたいな線があるのすごい。

横顔ばっかりだなー、横顔以外ないかなーと思って見る範囲を変えてみる。

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小さい横顔が二つ。

星座の見立てを前例に挙げたが、全ての星座が色んなおじさんの色んな横顔だったら嫌だろうなあと思う。夏の星座も冬の星座も全部おじさん。ものすごく暑苦しい。

おじさん以外もある!

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この稜線からはおじさんでないものが見出せた。
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ニワトリ!

トサカが小さいので雌鶏だろう。クチバシとその下のビロビロした部分がちゃんとあるので、明らかにおじさんではない。

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こちらは、
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こうなって、
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口を突き出している天狗だ。

よく分からないものによく分からない条件のついたモチーフになってしまった。しかもまたおじさん路線に戻りつつある。

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変な寝相のネコ、というのはどうだろうか。

稜線をあまり活かしていない感じもするが、天狗より良いと思う。星座だってかなり無理があるやつがある。

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うろこ雲がきれいなこちら。
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また横顔になってしまうのだが、これは変則バージョンである。赤い丸のところに顔が一つずつあるなと思った。
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そのあと体までできたのだ。なんか嬉しかった。

校舎の2階から、テニスコートを眺める男子二人、みたいな様子になった。どちらかがテニス部の女子を好きで、もう片方が悩みを聞いてあげているのだろう。しかし悩みを聞いてる方も実はその子のことが好きなのだ。

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次で最後である。この稜線を見て、これでフィナーレでいいなと思った。
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これである。分かるだろうか。
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「トルー」と書いてある!

トルーというのは僕のペンネームである。いや、そんなことはよくて、伸ばし棒はさすがに都合が良すぎるとか、そもそも今までと見立て方のルールが違うじゃないかとか、引っかかることは色々あると思う。しかし自分の名前で読めそうな稜線があったら細かいことは置いといて一旦「読める」という領域に引きずり込んでおきたいではないか。

「ル」が読めて、その左に「ト」と読めなくもなさそうな雰囲気があったら燃料としては十分である。

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この要素でいけた。

なんかいいなーと思っていたビルの稜線に自分のペンネームが刻まれていた。アメリカの大統領たちの顔が岩山に掘られてるやつあるだろう。ああいう気分だ。すごいぞ!

結局、何をしていたのか

「ビルの稜線」に注目したくて、何かに見立てて遊んでみた。

そうすることで稜線の魅力が解き明かされるわけでもなく、ただ稜線を見てしまう理由が増えただけだった。星座を考えた人もそうだったんだなと思う。星を眺めて、星について誰かとしゃべりたかったのだ。


ボツの見立てです。

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これが、
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こうで、
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逆さにして、
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こう。
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