2021年GW企画「お役立ち記事100連発」 2021年5月5日

「ご自由にお持ちください」は使える

「ご自由にお持ちください」

そんな文字とともに、道の脇などに置かれた物品たちに出くわす機会はないだろうか。わたしは上京して以降、年に数回出くわすようになった。あの文化、いつ誰が生み出したんだろう。愛すべき生活のすがただと思っている。

出くわすとうれしくなり、ついじっくり眺めてしまう。眺めているだけでは飽き足らず、持ち帰ることもしばしばある。持ち帰ったあと、重宝しすぎて、あの日の出会いありがとう!!!と感謝の念波をぶち飛ばしたくなったことも一度や二度ではない。

この記事では、持ち帰った人の目線から、持ち帰る際のポイントをお伝えしたい。

1981年群馬県生まれ。ライター兼イラストレーター。飲食物全般がだいたい好きだという、ざっくりとした見解で生きています。とくに好きなのはカレー。(動画インタビュー)

前の記事:うどんとすし酢は合う

> 個人サイト たぶん日記

ポイント① 欲しいと感じたら躊躇しない

まず大切なのは、躊躇しないことだ。

躊躇してしまうと、次立ち寄ったときにはもう、ほかの誰かのものになっている可能性がある。

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たとえば、このまえ見かけた植木鉢の「ご自由にお持ちください」は……
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数日後には、ほぼほぼ完売状態になっていた

とはいえ、少しでも必要ないと感じたら、その気持ちを大切にするのが一番だ。

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たとえば、これは遅刻間際の出勤途中につい立ち止まり眺めてしまった「ご自由にお持ちください」。手前の像に惹かれたが、置く場所に困ると思いあきらめた。後悔はない
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一方、上の写真の後方に置いてあるにわとりは持ち帰った。色合い、目つき、サイズ感、そのすべてにぐっときてしまったのだ。こんな出会いもある
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ポイント② 同じものが複数置かれていたら、複数もらうと良き

同じ食器が複数あると何かと便利である。同じものが複数置かれているときは、複数もらうのがおすすめだ。

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大学時代、帰り道に拾った「ご自由にお持ちください」。ペアで持っていると、人が来た時とかにも使いやすい
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こちらも、複数セットでもらってきた「ご自由にお持ちください」。数のせいか、自分で買い揃えたようにも見える。買い揃えてない

ただし陶器の場合、複数持ち帰ろうとするとめちゃくちゃに重くて、一体なんの苦行なんだ……と感じることもあるだろう。

家までの距離がさほどない場合には、ごくごく一時的なことだと思ってがんばってほしい。でも、家から遠い場所で出くわした場合は無理しないでほしい。腰や肩を大切にしてほしい。

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ポイント③ 店舗のご自由にお持ちくださいは良き

店舗を改装する際、ご自由にお持ちくださいするお店や、閉店に伴いご自由にお持ちくださいするお店もある。

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これは、そば屋さんが店舗改装のために「ご自由にお持ちください」していたときのようす。ちなみに、ひとつ前の写真のそばざるや丼は、ここから持ち帰った
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丼は、コーンフレークを入れるときなどに活躍している。第二の人生、何があるかわからないものだ
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これは、今や全国に2店舗を残すのみとなったハンバーガーチェーン・サンテオレの吉川店が閉店した日の「ご自由にお持ちください」。コップ類が丈夫そう
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わたしは雪平鍋を持ち帰った
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今でも毎日活躍している

お店の食器類は、毎日使われ続けることに耐え抜いた勇者たちだ。強度の高いものが多い。飛び込もう。食卓の味方になる。

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ポイント④ 全部別の人の行いだ

ところで「ご自由にお持ちください」にはむらっけがある。欲しいと感じるものばかりのときもあれば、ニッチな需要を求めていそうなもの、いちかばちかの可能性にかけてそうなものなど様々である。

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たとえばMDなどは、聞ける環境が限られているため、持って帰る人を選びそうだ

しかし、よく考えれば……いやよく考えなくても当然なのである。同じフォーマットを使い、まったく別の人間が起こした行動だからだ。

たとえ持ち帰りたいものに出会わなかったときでも、どんな人がこの箱を置いたのだろう、どんな思いでこのMDにこの曲目をダビングしたのだろう……などと想像してみると味わい深い。

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まとめ

拾い物なのか、お金を出して購入したのか。出自は違っても、使い始めて気に入ってしまえば、両方とも大切な自宅の雑貨になる。

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これは、気に入って使いまくってる例。コロナ以後、家の食事写真を撮影する習慣ができたのだが、集めたらことごとく同じ丼を使っていて震えた。好きすぎる

「ご自由にお持ちください」は、生活の味方だ。

 

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