でかいポケットティッシュだ
いま原稿かいててやっと気づいたのだが、これは要するにでかいポケットティッシュじゃないか。ビニール素材の袋に入ってて真ん中にスリットがあって。
わりと「新しい発明するぞ」くらいの意気込みではじめたのだが、一周回って原点に着地した感がある。しかし「ポケットティッシュを手作りした」と思えば、あまりにわけがわからない経験で、それはそれで感慨深くもある。
このあいだインテリアショップをみていたら「ポケットティッシュをお部屋のティッシュとして活用!」みたいなグッズがあって、いやーそれはないわー、って思ったんだけれども、その話の前にまずは僕の体質の話からせねばなるまい。
※2010年4月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
というのは僕がアレルギー性鼻炎だからで、この手の体質の人にとってはティッシュはライフラインである。家にいようと野外にいようと常に供給可能にしておかなければ、待っているのは鼻呼吸の困難に伴う酸欠状態、頭痛、めまい、全身の倦怠感…。
そういうわけで、ポケットティッシュは「持ち運び可能である」という点で貴重な資源だ。
そのポケットティッシュを家で使うなど、言語道断である。けしからん!
ただ、自分の心が動いた瞬間、そこには発想のヒントが転がっているのかもしれない。ここでひとつのアイデアを思いついた。
逆に、箱ティッシュを携帯してみてはどうか。
皆が求めている「豊かさ」とは箱ティッシュのことではないだろうか。
ティッシュをポケットサイズにする試み。ゴールは、「ジャケットの内ポケットに入るサイズ」に定めたい。
とりあえず箱ティッシュそのまま入るか試す。
ちなみにこの段落の頭のオレンジの文字は5・7・5になっている。
とびっきり冴えない写真だったのででかく載せてみた。満開の桜がむなしい。
ティッシュ自体は、80年代に登場した世界初の携帯電話、くらいの携帯性だ。無理だ。
無理なのはわかってる。最初からできると思ってやってない。ただ記事の流れ上、最初はこういう失敗例を出しておいた方がいいのだ。
箱があるとかさばるので、中身だけ取出して詰めてみる。
明らかにジャケットがヨレているが酸欠になるよりマシだ。これで320枚160組のティッシュが懐に収まったので、外出先でも160回鼻をかめる。3時間の外出なら67.5秒に1回、鼻をかんでもいい計算だ。
かんでみるか。
なにが「やべっ、記事終わっちゃった」だ。ティッシュが繋がって塊でごそっと出てきた。
長持ちさせるために箱ティッシュ持ち歩いてるのに、消費量が増えたら意味がない。
ティッシュは繊細そうに見えて意外とじゃじゃ馬なので、ちゃんと手綱を付けておかないということを聞かない。この場合、ティッシュの箱がその手綱にあたる。
ポケットサイズのスマートなティッシュケースを作る。
オリジナルティッシュケースの完成。紙筒の自然な色合いが美しく、無印あたりに売っててもおかしくない。
紙筒のすべりが悪くてティッシュが引っかかるし、そもそもケース自体細すぎるし、今だから言うけどさっきの写真はティッシュ入りきらなかったから本当は半分しか入れてなかった。
いいとこなしなのになんで紙筒を選んだのか理解に苦しむ。もうちょっと柔らかい素材にしなよ。
この滑らかなティッシュのすべり、取り出し口の絶妙な抵抗感。圧倒的な完成度である。
では使ってみます。
完璧な使い心地。5箱230円のスコッティも鼻セレブのようだ。
せっかくなのでもうちょっと速いのも乗せておく。
逆回転も載せようか。
もう1回普通のも見る?
いま原稿かいててやっと気づいたのだが、これは要するにでかいポケットティッシュじゃないか。ビニール素材の袋に入ってて真ん中にスリットがあって。
わりと「新しい発明するぞ」くらいの意気込みではじめたのだが、一周回って原点に着地した感がある。しかし「ポケットティッシュを手作りした」と思えば、あまりにわけがわからない経験で、それはそれで感慨深くもある。
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