特集 2021年1月22日

箱が猫に見える

これは猫です。

ぬいぐるみをかわいがっていると、生き物に接しているかのような感情がわく。
それと同じように、箱を猫のつもりで扱ったら猫に見えてきたので紹介したい。

愛知県出身、東京都在住のデザイナー。イラストを描き、写真撮影をして日々を過ごす。
最近は演劇の勉強に熱中。大きなエビフライが好き。

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箱が猫になった日

箱が猫とはどういうことなのか。
ことの発端は、2020年デイリーポータルZ主催のイベント「地味ハロウィン」そして参加するにあたって用意した仮装「初めて猫を抱いた人」にある。

下の画像は地味ハロウィン会場での筆者だ。文字通り、初めて猫を抱いたつもりになっている。

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腕のなかの白くて長いものが猫だ。猫は不慣れな人間による抱っこに体を硬直させている。(「​​​​地味ハロウィンが開催されました! 」より)

ぎこちなくも猫とのふれあいの時間を楽しむ人と、それに付き合わされる猫を表現したくて決めた仮装。
会場に本物の猫を連れて行くわけにもいかないので、代わりに箱を用意した。
さらに「この箱は猫である」と思い込むトレーニングの甲斐あって、箱は無事に猫になった。
この企画は、そのイメージトレーニングの延長戦である。

記事を読み終える頃には、あなたにも猫が見えていることだろう。

猫ちゃん紹介

まずはこの記事の主役である猫ちゃんを紹介したい。
猫の名前は「モカちゃん」。今年で2才になる女の子だ。

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モカちゃんは茶色ベースの三毛猫である。つやつやの毛並みが自慢。

「どう見ても箱にしか見えない」という方もいるかもしれないが、混乱を避けるために「モカちゃん」と呼ぶことにする。

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絵で説明すると、こう。三毛猫であること以外の具体的なビジュアルやポーズは想像にお任せする。
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カーテンの側がお気に入りの場所らしい。

モカちゃんはもらい猫で、筆者宅にやってきたのは半年ほど前。
家に来たばかりの頃は太めのネコチャンで、現在のスリムボディからは想像できないほどに恰幅がよかった。
本気ダイエットの結果が今のモカちゃんの姿なのだ。

当時の写真がないので、フリー素材サイトで見つけた、よく似た箱の画像を貼ろう。

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縦にも横にも大きかった、かつてのモカちゃん。(イメージ)
抱っこすると、視界が遮られるほどの大きさだった。
(写真 : 写真AC

あの頃も別のかわいさがあったが、猫っぽさは圧倒的に今の方が勝っている。

モカちゃんは狭いところが好き

モカちゃんの生態にせまっていこう。一般的に猫は箱を好むと言われている。
モカちゃんも箱が、そして狭いところが大好きだ。
なぜなら猫だからである。

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実家から荷物が届いた時の写真。茶色くて大きい方が送られてきた箱で、そのなかの白い箱に見えるものがモカちゃんだ。

開封作業中にさっそく段ボールに入ったモカちゃん。自分の体よりも大きな箱でゆったりとくつろいでいる。
飼い主の行動には興味無さげな丸い背中がキュート。

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隙あらばバッグにも入るし、
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洗濯機のなかにもよく入り込んでいる。
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バケツのなかに無理に入っているのを目にした時は執念を感じた。
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モカちゃんはおもちゃも好き

ご覧の通り、一人(一猫?)遊びが得意なモカちゃん。
基本的に人間への関心が薄い印象だが、遊びに付き合ってくれる心優しい一面もある。

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この日は新しい猫じゃらしを用意してみたものの塩対応。こちらにおしりを向けて、振り向きもしない。
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回り込んでみるとお気に入りのネズミのおもちゃにじゃれていた。熱中している時はテコでも動かない。
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あきらめて編み物を始めたら、毛糸にじゃれてきた。
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編み物をやめて仕事に向かうと、今度はパソコンの上へ。遠慮がない様子がかなり猫。

この流れは「一人退屈そうな飼い主に付き合ってやろう」ということだろうか。
人間に付き合ってくれるといっても、遊ぶおもちゃもタイミングも、すべて彼女次第なのだ。

モカちゃんのきもち

モカちゃんは寡黙でポーカーフェイスなネコチャンなので感情が読めないが、その代わりに体全体から意思が伝わってくる気がする。そこがかわいい。

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入浴中は外から覗いている。すりガラス越しに見える、すがるような姿が愛しい。
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別室からリビングに戻ると、カーテンレールに登っていることが度々ある。あわてて降ろそうとする人間を見て楽しんでいる可能性がある。
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これは自分のごはんは無視して人間の食べ物を気にしている時の写真。
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友人が遊びに来た時は露骨に警戒していた。どこにいるかわかるだろうか?

 

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正解はこちら。ベッドと本棚の間でこちらの様子を伺っている。少しでも近寄ると飛び出す勢い。

忍者のように気配が感じられない存在だが、人間と一定の距離を保ちながらもこちらの存在を意識している様子が見られると、猫っぽさが出た。それと同時に心を通わせていると感じられることができた。
やはりモカちゃんは猫だ。

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モカちゃんと外に出る

これでモカちゃんが猫であることは完全に証明できた。最後に外に連れ出してみよう。
一緒に外へ出るのは地味ハロウィンぶり。私も見たことのない姿が見られるかもしれない。

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公園に来た。足下にいると完全に猫。

モカちゃんは家猫ですが、企画の都合により屋外に出しています。
安全には十分配慮しておりますのでご安心ください。

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別ニャンコに変わったかのように足下に擦り寄り甘えてくる。もしや犬だったか?
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ベンチの下に移動したモカちゃん。……待て、これは不審物だ。

ベンチの下にモカちゃんを忍ばせた瞬間、「不審な物を発見した際は、お近くの係員にご相談ください」というアナウンスが脳裏に過った。
屋外、それも物陰に私物を置いて離れる行為自体が滅多にないことと、モカちゃんののっぺりとした質感が不審感を醸し出している気がする。
私はただ猫の写真が撮りたいだけなのに、少しでも離れると人の目が気になる。
声をかけられた時の言い訳を考えながら、おおげさにカメラを取り出した。

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階段の上で日向ぼっこをしている。これはかろうじて猫。
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触ると安心感が出るのか、印象が猫に戻った。そうだった、これは猫なのだ。

さて、この記事を読んだあなたは猫に見えましたか?
見えなかった方はもう一度最初から読み直してください。


箱の猫

公園での撮影中に、小さな女の子が側に寄ってきた。彼女は「なんだろう?ロボットかな?」と呟いて、すぐ去っていった。
何も言い返せなかったけど、なにか言った方が良かった気がする。どんな返答が正しかったのか?答えはまだでていません。

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一時期ネット上でよく見かけた、反省札を下げた猫。
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